テラーノベル
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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
いじめ描写 暴力 病み要素(?) が これから出てきます
軍パロ
捏造 だらけ
地雷 彡 は 回れ右 !
下手 & 口調迷子 & 伽羅崩壊有るかも を 許せる方は どうぞ
――目を覚ましたとき、天井が白く揺れて見えた。
起きたばかりで視界がぼやけている。
「……ゾム!?」
誰かの声がする。
よかった、と安堵の空気が広がる。
段々と見えるようになってきて辺りを見渡す。
その中に、自分の大切な人の姿がなかった。
zm「……ショッピくんは?」
一瞬、空気が止まる。
kn「ショッピなら――」
曖昧に笑って、少し離れた方を指さした。
ゾムは無理やり体を起こす。
sn「待って!ゾム!まだ治ってないから安静に…!」
止める声を振り払って、ふらつきながら歩く。
心臓の音がやけにうるさい。
ベッドに横たわるその姿を見た瞬間、足が止まった。
zm「……なんや、これ。」
やつれて、痩せて、目元には隈がある。
今にも消えてしまいそうなショッピが、そこにいた。
呼吸は浅く、顔色も悪い。
まるで、時間が止まったみたいに動かない。
ゾムの指先が震える。
zm「……なんでこうなってん。」
誰に向けた言葉か分からない声だった。
沈黙。
やがて、シャオロンが震える声で言う。
sha「ショッピくんは……」
大先生が続ける。
軍の中で起きていたこと。
向けられていた言葉。
時には監禁されていたこと。
ストレスの性で声が出なくなったこと。
耐えられなくなって倒れていたこと。
淡々と説明されるその事実が、ひとつひとつ、ゾムの中に沈んでいく。
拳を握る。
爪が食い込む。
zm「……誰や。」
低い声だった。
zm「誰が、こんなことやったんや。」
医務室の空気が凍る。
怒鳴らない。
けれど、その声には抑えきれない震えがあった。
誰も答えない。
何人かの視線が泳ぐ。
その沈黙が、答えだった。
ゾムの肩が、ぴくりと揺れる。
zm「……そうか。」
一歩、前に出る。
zm「黙っとったら、なかったことになる思うとるんか。」
zm「軍人って守る側の人間やろ?守る側の人間が、仲間一人守れんでどうすんねん。」
声が、低く落ちる。
次の瞬間。
zm「……ふざけんな!!」
医務室に怒号が響く。
点滴台が揺れるほどの勢いで、ゾムは近くの机を叩いた。
zm「俺が寝とる間に何しとったんや!!」
息が荒い。
胸が上下する。
目は燃えるように赤く、
けれどその奥には後悔があった。
zm「なんで……なんで、ショッピくんがこんなんなっとんねん……」
怒りと、自責と、どうしようもない悔しさが混ざる。
視線が、元仲間たちを射抜く。
zm「誰がやったか言え。」
低い。冷たい。
zm「言わんのやったら、シャオロンと大先生以外全員まとめて俺の敵や。」
医務室の空気が、完全に凍りついた。
誰も、何も言わない。
沈黙。
ゾムは数秒、全員を見渡す。
やがて、ふっと息を吐いた。
zm「……わかった。もうええわ。」
声は、さっきまでより静かだった。
zm「言わんのやったら、俺が勝手に調べる。」
zm「今は、全員出てけ。」
有無を言わせない声。
誰も逆らえない。
シャオロンと大先生が、ちらりとショッピを見てから頷く。
他の者たちは、言葉を飲み込んだまま退出していく。
扉が閉まる。
静寂。
ゾムはゆっくりとショッピの傍に座る。
震えていた手を、今度はそっと伸ばす。
やつれた額に触れる。
温もりは、ある。
それだけで、胸が締め付けられる。
zm「……ごめんなぁ。」
zm「俺、守る言うたのに。」
指先で、優しく髪を撫でる。
zm「もう、起きて大丈夫やからな…。次は絶対、俺が守るから…」
その言葉は、誓いだった。
その日の夜、ゾムは夢を見た。
過去、本当にあったこと。
大切な思い出。
ショッピくんとの出会い。
ショッピも、ゾムも。
元々は、ひとりだった。
楽しくて、面白いことが好きだったゾムは、周囲からは「怖い奴」「何を考えているかわからない奴」と怯えられ、気づけば誰も近寄らなくなっていた。
避けられ、距離を取られる。
そんな日々の中で、ある日、小さな声が背後から聞こえた。
「……あの」
振り返ると、そこに居たのは自分より少し年下っぽい子供だった。
視線を泳がせながら、それでもちゃんとゾムを見ていた。
shp「……一緒に、遊ばない?」
その一言が、ゾムの世界に、ほんの少しだけ光を落とした。
そこから二人は、よく一緒にいるようになった。
くだらないことで笑って、どうでもいいことで盛り上がって、ゾムが先に嬉しそうに笑って、ショッピはその横で、少し遅れて、でも確かに微笑む。
ショッピにとって、ゾムは特別だった。
色のない、面白くもない、ただ流れるだけの世界に、鮮やかな色と光をくれた存在。
――だから。
ある日、誰かが言った。
mb「お前、あいつと遊んでて平気なのかよ。あいつは化け物だぞ。」
ゾムはそれを、少し離れた場所で聞いていた。
ああ、終わったな。
そう思った。
きっと、もうショッピも離れていく。
今までだって、そうだった。
でも。
shp「……違う」
小さいけれど、はっきりとした声が響いた。
shp「ゾムさんは、化け物なんかじゃない。面白くて、優しくて……わいの、大切な人や。」
その言葉を聞いた瞬間、ゾムの胸の奥で、何かが音を立てた。
信じてくれる人が、いる。
自分を怖がらない人が、いる。
それだけで、生きていけると思えた。
それから二人は、互いに支え合いながら生きてきた。
笑うときも、苦しいときも、孤独に飲み込まれそうな夜も。
いつだって、隣には、相手がいた。
けれど。
ある時、ショッピが一人で囲まれているのを見た。
mb「お前さ、あいつとまだつるんでんの?」
mb「化け物の仲間とか、気味悪いんだけど。」
逃げ場を塞ぐように立つ影。
ゾムは少し離れた場所からそれを見ていた。
――やめろ。
足が動くより先に、ショッピの声が聞こえた。
shp「……別に、関係ないやろ。」
少し声が震えていた。
それでも、逃げなかった。
その瞬間。
ゾムの中で、何かが変わった。
守られてばかりじゃ、嫌だった。
自分を信じてくれた人を、自分のせいで傷つけさせるわけにはいかない。
ゾムは一歩踏み出した。
zm「……ショッピくんに、触んな。」
その声は低く、静かで、けれど今までとは違う重みを帯びていた。
視線が一斉に集まる。
それでも逸らさなかった。
怖がられてもいい。
嫌われてもいい。
でも。
zm「俺がどう思われとっても構わんけど、大切な人に手出すんなら容赦はせんからな」
そう言って、ショッピの前に立った。
後ろで、小さく息を呑む音がする。
その日から、ゾムは守る側になった。
信じてくれた人を、今度は自分が守ると、決めた。
その時。
くい、と。
服の裾が、そっと引かれた。
ゾムが一瞬だけ振り返ると、ショッピが俯いたまま、ゾムの服をぎゅっと掴んでいた。
震えている指。
でも、離さない。
shp「……ゾムさん」
かすれた声。
shp「……ありがとう、ございます」
その声を聞いた瞬間、胸の奥が、じんわりと熱くなる。
守られていたはずなのに。
救われていたはずなのに。
今は、守りたいと思っている。
ゾムはそっと、ショッピの手の上に自分の手を重ねた。
zm「礼なんかいらんよ」
少しだけ笑って。
zm「俺ら、仲間やろ」
ショッピは顔を上げる。
そして、嬉しそうにゆっくりと頷いた。
その日の帰り道。
夕焼けの中、並んで歩きながら、ショッピがぽつりと呟いた。
shp「……もし、またなんか言われても」
少しだけ間を置いて。
shp「わいは、絶対ゾムさんの隣に居るんで」
ゾムは一瞬驚いて、それから、いつものように笑った。
zm「じゃあ、約束な」
足を止めて、ショッピの方を見る。
zm「俺も、何があってもお前を守る」
伸ばした小指。
ショッピも小指を絡めた。
夕焼けの光の中で交わした、二人だけの約束。
それは子供じみていて、でも確かで、強い誓いだった。
数日後。
ゾムは驚異的な速さで回復した。
医務室を出るなり、すぐに訓練場へ向かう。
元々最強と呼ばれていた男が、さらに限界を超えようとする。
誰も声をかけられない。
その目は、以前よりも鋭くなっていた。
守るために、強くなる。
理由が、はっきりしたから。
夜になると、必ず医務室へ行く。
ショッピの傍に座る。
手を握る。
今日あったことを、ぽつぽつと話す。
返事はない。
それでも続ける。
シャオロンと大先生は、時折様子を見に来る。
そして、今まであったことを細かく教えてくれる。
ショッピがどんな扱いを受けていたのか。
どんな言葉を向けられていたのか。
どれだけ、耐えていたのか。
それを聞くたび、ゾムの拳は静かに握られる。
ただ、決意だけが積み重なっていく。
ゾムは、狂ったように鍛えた。
傷が開こうが、息が上がろうが、止まらない。
守るために。
もう二度と、失わないために。
同時に、調べた。
大先生やシャオロンから聞いた話。
軍の記録。
そして、一般兵たちを一人ずつ呼び出しては、問いただした。
ある時、呼び出しに応じて現れた男は、どこか不機嫌そうだった。
一般兵「で?何の用ですか」
とぼけた顔。
ゾムは壁にもたれたまま、静かに言う。
zm「最近、使われてない倉庫の鍵触ったやつ、誰や」
一瞬だけ、目が泳ぐ。
一般兵「……知りませんけど」
沈黙。
逃げ場のない沈黙。
やがて男は諦め、舌打ちをした。
mb「はぁ……あんなの、みんなやってましたよ」
mb「幹部の方たちもやってましたし。あ、でも……シャオロンさんと鬱さんは止めてましたね」
わざとらしく笑う。
mb「なんであんな足手まとい庇うのか分からなかったですけど。足手まとい構って、部屋で話聞いたりして時間使って。何がしたかったんでしょうね」
一般兵を逃げ場を与えない目で見つめる。
――足手まとい。
その言葉が、ゆっくりと胸の奥に沈む。
拳を握る。
骨が軋む。
殴ろうと思えば、今すぐにでもできる。
でも。
ゾムは、笑った。
zm「……そうか」
たった三文字。
それだけで、相手の背筋が凍る。
一歩、近づく。
zm「次、ショッピくんの前でその言葉使ったら――」
そこで言葉を止める。
続きを言わない。
zm「もうええわ。帰れ」
男は逃げるように去っていく。
残された廊下で、ゾムは壁を殴った。
血が滲む。
zm(守る。今度こそ、絶対に)
復讐じゃない。
制裁でもない。
あいつが笑ってられる場所を、作る。
他の一般兵にも聞いた。
沈黙に耐えられなくなった者から、ぽつり、ぽつりと真実が零れ落ちる。
向けられた悪意。
閉ざされた部屋。
孤独な時間。
助けを呼ばなかった理由。
……いや、呼べなかった理由。
それらを繋ぎ合わせていくうちに、大体のことは分かった。
誰が中心だったのか。
誰が見て見ぬふりをしていたのか。
誰が、笑っていたのか。
全部。
全部、分かった。
ゾムは静かに息を吐く。
拳を握る。
今はまだ、動かない。
行動するのは_______にしよう。
ー夜 医務室ー
いつものように、椅子を引き、
ショッピの隣に座る。
zm「もう大丈夫やからな。ちゃんと、俺が全部終わらせる」
指先で、そっと手を包む。
冷たい。
でも、確かに生きている。
zm「せやから……もう安心して、起きてええんやで。」
沈黙。
いつもと同じ、はずだった。
そのとき。指先に、かすかな感触があった。
ほんの、わずか。
手を握り返してくれた気がした。
ゾムの息が止まる。
視線を落とす。
ショッピの指が、ほんの少しだけ、動いていた。
zm「……ショッピくん?」
声が震える。
まぶたが、わずかに揺れる。
呼吸が、ほんの少しだけ深くなる。
消えかけていた灯りが、ゆっくりと、戻ろうとしている。
ゾムは、思わずその手を強く握りそうになって、
慌てて力を緩める。
zm「……焦らんでええよ。ゆっくりでええから。」
今度こそ、震えていたのは怒りじゃない。
安堵だった。
まぶたが、ゆっくりと震える。
何度か、小さく揺れて――
やがて、ほんのわずかに開いた。
ぼやけた視界。
光が滲む。
焦点が定まらないまま、視線が彷徨う。
zm「ショッピくん…!!」
優しい声。
その声に反応するように、ショッピの瞳が、ゆっくりと動く。
そして――
ゾムを、捉えた。
一瞬。
ほんの一瞬だけ、安心したように、瞳が細まる。
ゾムの喉が詰まる。
zm「……俺や。もう大丈夫やから。」
ショッピの唇が、かすかに動く。
何かを、言おうとしている。
けれど――
音が出ない。
喉がひくりと動くだけで、声にはならなかった。
ショッピの眉が、わずかに歪む。
焦り。
戸惑い。
自分の声が出なくなっていたことを思い出した表情。
ゾムはすぐに身を乗り出す。
zm「無理せんでええから、大丈夫。」
手を、そっと包む。
zm「喋らんでええよ。今は、起きてくれただけで十分や。」
ショッピの指先が、微かに震える。
ゾムははっとして、すぐにインカムへ手を伸ばした。
zm「ぺ神!来てくれ!ショッピくんが起きた!」
数分も経たないうちに、医務室の扉が勢いよく開く。
sn「起きたんか!?」
ぺ神が駆け寄る。
その後ろから、物音を聞きつけた軍の人間たちも次々と入ってくる。
医務室が、一気に騒がしくなる。
ぺ神は落ち着いた声で問いかける。
sn「ショッピくん大丈夫?痛いところは?」
ショッピは、まだ少しぼやけた瞳のまま、ゆっくりと首を横に振る。
sn「……よし。焦らんでええからな。今は体力戻すのが先や。」
脈を確認し、瞳の反応を見て、呼吸を確かめる。
「問題ない」と小さく頷いた。
その瞬間。
人混みの中から、震える声が漏れる。
一部の幹部「……ショッピ、ごめ――」
言い終わる前に。
zm「あー、謝らんでええよ。」
空気が止まる。
ゾムの声は、静かだった。
けれど、逆らえない響き。
zm「俺ら、此処の軍抜けよう思っとるから。」
ざわり、と空気が揺れる。
ショッピの目が、見開かれる。
驚き。
戸惑い。
軍人たちも凍りついた。
ci「……は?抜けるって……」
kn「待てや、そんなん――」
zm「いや、無理やな。」
きっぱり。
迷いのない声。
zm「俺、これからはずっとショッピくんと居たいんや。」
沈黙。
沈黙の中、シャオロンが一歩前に出る。
sha「お前らが止められる理由なんてないやろ。」
その視線は鋭い。
sha「ショッピくんのこと、散々苦しめた癖に。」
誰も言い返せない。
鬱先生も腕を組んで頷く。
ut「シャオロンの言う通りや。」
少しだけ柔らかい目で、二人を見る。
ut「ショッピくん、ゾム。気をつけろよ。」
ut「あと、俺らで良ければなんかあったら言え。」
その言葉には、後悔と、本心が混じっていた。
しばらくの沈黙。
そのとき。
ロボロが静かに前に出る。
そして、黙ってゾムとショッピくん以外の退出を促した。
幹部達は言葉を飲み込み、次々と医務室を出ていく。
扉が閉まる。
静かになった医務室。
機械の規則的な音だけが響いている。
ゾムは少しだけ視線を落として、ショッピの手を包み直した。
zm「……急に軍抜けるとか言ってごめんな。」
声はさっきよりずっと柔らかい。
zm「抜けたくなかったら、やっぱ抜けんってことにしてもええんやで?」
迷いはない。
でも、選択はショッピに渡す。
ショッピはゆっくりとゾムを見る。
すると――
ショッピは首を横に振った。
その動きはまだ弱いけれど、はっきりとした意思があった。
次に、視線を横へ向ける。
棚の上。
紙とペン。
ゾムはすぐに気づく。
zm「……これか?」
取り上げて、そっと手渡す。
ショッピは小さく微笑んだ。
声は出ない。
でも、その笑みは感謝を意味していた。
そう伝わった。
そして、ゆっくりと文字を書いていく。
ペン先が、かすかに音を立てる。
少し時間がかかる。
ゾムは急かさない。
ただ、隣で待つ。
やがて、紙が差し出される。
そこには――
『大丈夫です。それに、ゾムさんが一緒に居たいって言ってくれて、嬉しかったです。』
一瞬。
ゾムの呼吸が止まる。
目が、ほんの少し潤む。
けれど泣かない。
代わりに、優しく笑った。
zm「……決まりやな。」
その声にはもう迷いがなかった。
zm「俺ら、二人で行こ。」
ショッピの手を、ぎゅっと
――でも痛くない強さで握る。
すると、ショッピの指が、きゅっと優しく握り返す。
それだけで十分だった。
ゾムは立ち上がる。
zm「ちょっと待っとってな。すぐ迎えに来るから。」
その言葉は約束だった。
荷物は最小限でよかった。
必要な書類と、着替え。
あとは――これから二人で揃えればいい。
ゾムは振り返って、ベッドの上のショッピを見る。
今日、目を覚ましたばかり。
本当なら、もっと休ませるべきだと分かっている。
けれど。
zm(……ここに置いとくわけにはいかんな)
決意は揺らがない。
ベッドの傍に歩み寄る。
zm「行こか。」
ショッピは少し戸惑ったように瞬きをする。
ゆっくり体を起こそうとするが、力が入らない。
その様子を見て、ゾムは迷わなかった。
そっと腕を回す。
ひょい、と軽く持ち上げる。
――お姫様抱っこ。
ショッピの目が見開かれる。
顔が少し赤くなる。
遠慮するように、かすかに首を振る。
でも声は出ない。
zm「大人しくしとき。」
軽く笑う。
その瞬間、ゾムは内心で思う。
zm(……軽すぎやろ。)
抱き上げた重さが、あまりにも軽い。
胸の奥が、少しだけ痛む。
一方でショッピは、重いやろな…。と思っていた。
申し訳なさが、じわりと滲む。
でも。
ゾムの腕はびくともしない。
むしろ、包み込むように安定している。
zm「ちゃんと食わせなあかんな。」
冗談めかして言う。
この言葉は聞き覚えがあった。
ショッピは小さく眉を下げて、でも安心したように身を預けた。
医務室を出る。
廊下を進み、 そのまま軍の門へ。
外の空気が、少し冷たい。
門の前には、二人が立っていた。
シャオロンと鬱先生。
待っていたらしい。
ゾムが近づくと、ショッピがゾムの肩を、優しくトントンと叩く。
zm「ん?」
その合図に気づき、ゾムはゆっくりとしゃがむ。
体を支えながら、ショッピを地面に立たせる。
まだ少しふらつくけれど、しっかりと立っている。
鬱が、いつもの調子で言う。
ut「さっきも言ったけど、気をつけろよ。」
少し間を置いて、
ut「またいつか、飯食いに行こうな。」
その声は、優しかった。
シャオロンは少しそわそわしてから、勢いよく口を開く。
sha「たまに……ゾムとショッピくんに会いに行ってもええ?」
少し不安そうに続ける。
sha「あと、迷惑じゃなかったら……手紙とかも書きたい!」
一瞬の静寂。
ゾムはふっと笑う。
zm「もちろんや。」
迷いはない。
ショッピも、ゆっくり微笑んで頷いた。
それを見たシャオロンが、
sha「やった!!」
子どもみたいに嬉しそうに笑う。
その光景を、鬱先生が少し目を細めて見ている。
もう言葉はいらない。
ゾムはショッピをもう一度抱き上げる。
今度は自然に。
ショッピも抵抗しない。
門を越える。
軍の敷地を出る。
そして、森へ続く道を歩いていく。
zm「寒ないか?」
小さく問いかける。
ショッピは首を振り、ゾムの服をぎゅっと掴む。
それだけで、十分だった。
二人はゆっくりと、森の奥へ歩いていく。
決して振り返らず。
〜1年後 zm視点〜
俺らは、なんでも屋みたいなことをしている。
荷物運び、護衛、探し物。
簡単な依頼でも、受けるときは必ず二人。
絶対に離れない。
今住んでいるのは森の奥の小さな家。
軍の喧騒とは、まるで別の世界。
ショッピくんは、もう話せるようになった。
最初は声がかすれてたけど、今はちゃんと笑いながら喋る。
あのとき出なかった声が、今は俺の名前を呼ぶ。
それだけで、胸があたたかくなる。
笑う回数も増えた。
前より、柔らかく笑うようになった。
それを見るたびに思う。
――連れ出してよかった。
俺は、わざと森を選んだ。
みんなが来づらい場所。
気づきにくい場所。
誰にも邪魔されない場所。
二人で、生きるための場所。
軍を憎んでるわけやない。
でも、もうあそこは俺らの居場所じゃない。
鬱先生とシャオロンとは、たまに会う。
あいつらは相変わらずや。
シャオロンは手紙も書いてくるし、
鬱先生は「ちゃんと飯食っとるか?」って聞いてくる。
今日も、2人は来ていて、ショッピくんと楽しそうに話している。
ショッピくんも嬉しそうに笑っている。
それがとても嬉しかった。
俺は今問いたい、彼に。
今、幸せか?と。
もう一度、守るために。 編 fin
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