テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
榎葉
116
藤塚 太陽
2,634
玲香
39
いっとうしょう
43
生きるという仮説
人間は、
あの遠くの陸を目印にして泳いでる。
でっかい夢。
でも、泳ぐの、だんだん疲れるんだよ。
手も足も動かなくなってくる。
夢なんて見えなくなる。
なのに、周りを見れば、
誰かは前に進んでる。
自分より先に、うまく、速く。
比べて、落ち込んで、
「なんで自分はこんなにダメなんだ」って。
でも止まったら沈むんだよ。
死にたいって思っても、
人間って、もがくんだよ。
死なせてくれって思いながらも、
泳ぐことをやめられない。
それはたぶん、
本当はまだ、あの陸がほしいんだよ。
見えなくても、遠くても。
だからみんな死なない。
でも、
疲れて、苦しくなって
夢なんてぼやけて見えなくなる。
それでも手足を動かし続ける。
なんでかっていうと──
本当は、みんな気づいてるから。
あの陸の正体は「死」なんだって。
それでも向かってしまう。
だって、そこに行くしかない。
それしか知らない。
どんな人間も、最終的にはそこにたどり着く。
速く泳ぐ人も、遅くもがく人も、
止まって沈む人も──
みんな同じところへ向かってる。
だからこそ、
泳いでるあいだに何を見るのか、
誰と並んで泳ぐのか、
その時間に何を感じるのか──
それだけが、
“生きてる”ってことなんじゃないかな。
コメント
1件
ごめんなさい、アカウントを作成する前にこの作品を作ってしまいました💦こちらのアカウントで動いています