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「ごん…お前だったのか」
猟師は玄関で立ち尽くした。
硝煙の漂う銃を構えたまま、猟師は動けないままでいた。毎日木の実や魚を持ってきていたのがごんだったことにも驚いたが、それ以上に、たった今撃たれたはずの狐は、ごんは、倒れることもなく立っていた。
『いたたたた….猟師さんよ、気配に反射で撃つもんじゃねぇ、それは三流のすることだ。敵に回しちゃいけねえ奴もいることを学びな』
ごんが手を開く。すると潰れた薬莢がパラパラと地面に落ちる。刹那、強い衝撃が走った。猟師は反応どころか、感知することさえできなかった。
『安心しな、あんたの前にはもう顔を出さねえ。』
意識の薄れる中、ごんは立ち去っていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー猟師が目を覚ました時には、もちろんごんの姿はなく、家にあった山の幸もなくなっていた。不要だと持ち帰ったのだろう。
その後、猟師はごんを追うべく修行に出るのだが、それはまた、別の話。