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bebe おただいま
<監視カメラ>
kr「Wednesday……あっぷる、☆」
後ろから聞こえた9番の声に、8番が慌てて振り返る。
pn「え、?クロノアさん?」
kr「ん?」
ps「「え?」」
kr「wいや、ボードに書いてあるから、!」
不振なものを見る目に耐えられず、9番が弁明する。
ra「あぁ、それは食事だな。今回はメニューが曜日ごとに変わるからな」
9番は廊下の壁に貼ってある、献立ボードのアイテムをクルクルと構っていた。
pn「良かった、クロノアさんの疲労がMAXになったのかと、w」
6番も同じく構い出すと、看守は少し引いたような顔で釘を刺す。
ra「…………食うなよ?」
sn「食べませんよ!食べ物じゃないし!」
プンスカ怒る6番だが、ぷるぷると笑いを堪えていた8番は追い打ちをかける。
pn「一回食品サンプル食べて捕まってたじゃん、お前w」
sn「w…そういえばそんなこともあったな」
9番は既に先を歩こうとするのを、看守に捕まえられていた。
<しにがみside>
sn「そういえば、ここにゴルゴン的な立場の人間っているんですか?」
僕は深夜、罪悪感に突き動かされるように、記事を読み漁っていた。
『誰の死体も見つからなかった』
『爆発により吹き飛ばされた』
『PKST団の仕業』
と報道が尾をつけた。
しかしこれと言った信憑性があるような物は、全て燃えたか吹き飛ばされたらしい。
腐敗したゴルゴンや絵画などの美術品も、空白を適当に埋められたのだ。
│僕たちが同じようになるまで、そう遠くないかもしれない│
<リアムside>
ra「上の立場の人間なら、矯正監やその立場の関係者はいらっしゃるが……」
「「……。」」
あの問題児たちを連れているとは思えないほど、珍しく沈黙が流れている。
「まぁ、安心しろ。あんなことがあったんだ。きちんと報告書を提出し、検査を受けていただいた。」
振り返ってみるが、初めて捕まった時とは大違いだなと思い返す。
……いや、あまりにも頭のネジが外れていたな、あれは。
「ゴルゴン様は現在、行方不明のまま捜査は進んでいない。」
人が変わったように静かな6番が、少し気に掛かる。
9番のそわそわした態度にも、何らかの意味があるのではと勘ぐってしまう。
「あの状況で生き残っている可能性は考えれんが、まぁ…俺が言えたもんじゃないな。」
それほどまでにコイツらの行動力は計り知れない。
「ゴルゴン様の娘が跡継ぎとして、領主の権利を持っている為、周りの関係者はアタフタと補佐に回っているようだ。」
「幼い少女に背負わせる訳には…と建前を作って、新たな領主が誕生するのも遅くはないだろうな。」
pn「ゴルゴンの娘……あぁ~、なるほど」
しかし、8番の様子はいつもと変わらない。
「……良かった。一人きりで悪夢に立ち向かう必要はないんだね。」
目的地に向かう途中だが、8番がポツリとそう呟いた。
ra「……悪夢?」
8番の目に俺が映る。
pn「どうしました?」
そう問うてくる8番の顔には、緊張感の「き」の字もない。
ふわふわ揺れるヒヨコに、少々の諦めを込めた声色を使った。
ra「……いや、そうだな。建前でも大人の方が責任に強いのは間違いないな。」
8番は悪戯を思いついた子供のように、満足げに笑った。
少し釜をかけるつもりだったが、それも必要なかったな。
(前に見た殺人鬼については調査中だが……この様子だと、やはり仲間では無いんだろう。)
<しにがみside>
足音が規則的に響いて、 看守の無機質な顔を盗み見る。
あの殺伐とした病的な執着心は、まだ僕らを殺そうと足掻いている。
歩いて、息をして、眠って……どの動作をしていても、縄が首にかかる。
今か今かとその時を待ち望むべったりとした視線は、背中に貼り付き、僕らを逃がさないよう常に監視している。
──道化師はまだ生きている。
殺意がどれ程膨らんで、僕らの首を絞めるのか。
カウントされる数字を、僕らはまだ……どうすることも出来ない。
ピタリと止まった足音が、無音を貫く。
思わず、この場が処刑台になったのかと思った。
「そして。」
鋭い眼光は、僕たちの心臓をキリキリと蝕む。
冷徹で低い声が、この場所を占領する。
「死刑についてだが……」
ドクンッと心臓の音が木霊した。
全細胞が逆立つような気分で、手に汗を握る。
「……上と交渉中だ。」
眉間に皺を寄せて、苦労を感じさせる苦い顔でため息をついた。
……え?無駄な心労を負ったのはこっちよ?
……は?
<クロノアside>
pn「えぇ、言わないの、?てか、死刑回避ルートあんの!?」
sn「いや、とんでもなく怖い乙女ゲームみたいになってるから!ルートとか言わないでw」
看守が騒ぐぺいんとたちを一瞥する。
ra「……ところでお前たち……伝説の剣は何処に隠してあったんだ?」
看守が 扉を見やった後、腕を組んで質問を投げ掛けた。
pn「え、リアム看守が煙突裏に何かあるって言ってたから探して見つけたんですよ?!」
適当な時間潰しのようなそれに、8番が少し大袈裟に声を粗げる。
しかし看守は、特に気にせず「そうか。」と冷静に返している。
ra「別の誰かに盗まれるよりは、頼んで正解だったな。」
kr「あれ、頼んでたんですね。」
伝説の剣を売ったことを棚にあげて、合いの手 を入れる。肩をべしっと叩かれたが、その手の主も震えながら堪えていた。
「wwwww!!」
口答えなら懲罰房でゆっくり聞くぞ?と脅す声に、一斉に静まると順を追って説明された。
要はスティーブからの情報で、俺たちを手駒にしたってことだ。
sn「ぇ、僕達罠にハマって死んでたかもしれないよ!?」
看守が毒気のない顔で、首を傾げる。
ra「ちゃんと生きてただろ?」
「あの程度で死ぬなんて、そんな貧弱な盗賊に俺が振り回される筈がないからな。」
顔を反らしてまた扉を確認しているが、今度のそれは照れ隠しだ。
sn「ちょっとリアちゃ~んw」
pn「それって僕たちのことめっちゃ信頼してるってことじゃないですか!」
ra「……これ以上の贔屓は無しだ。」
ほらね。
─ドン!…ズサァァ。バンッッ!!!!!
看守が口を開く寸前、何かをなぎ倒す音と共に扉が開いた。
pn「ァウ”ワ”゜↑ッ”ッ!!(?)ビッ…ク……もぉ”~」
叫んだ拍子にしゃがんだ8番の背中を、ポンと叩いて6番が笑った。
sn「ぺいんとさんの声でびっくりしたわw」
6番浮いてたね~と和やかに入ってきたスティーブに、看守は呆れた視線を向けていた。
sty「いや~、待たせてごめんね~!」
みんなで目を見合わせてしゃがみ込む。
kr「……心臓キュッてなったぁ……ビックリしたぁ、w」
リアム看守は、後は任せたと言うと二階フロアを施錠した。
sty「じゃ、俺に付いておいで~」
スティーブの後ろ姿は、何だか嬉しそうに揺れている。
「今休暇申請してるから、途中で居なくなるかも」
pn「え、予定決まってるんですか? 休暇なんてずっと寝るよ?俺!」
少し考えるように口を尖らせると、鼻歌を口ずさみそうな声色に変わる。
sty「兄貴の容態を確認しに行くよ。多分元気になるだろうけど」
そう言って、顔に触れた髪をチョイチョイと直す。
「容態が安定したら直ぐに戻ってくるだろうよ、君たちに会いにね♪」
話を終えて、牢屋周りの仕事場の説明をしている途中、ハッと思い出したようにスティーブ看守が声をあげた。
「そういえば……兄貴が恋愛してんだって、珍しいよね~」
8番の後ろから、ピョンッと上半身だけ預けて飛び乗った6番が、その面白そうな話題に食い付く。
sn「突然の恋バナしちゃいます?!」
半歩下がる俺も、少しだけ興味がある話に耳を立てた。
sty「……、うん、今ね……」
▽
ステイサムさんの思わぬ裏話に皆興味シンシン!
「……もう、ちゃんと脱獄する気あるの!?……って、俺もか、。」
ようやく下水道の探索を開始するも、ハーフブロックが行く手を阻む!
そして、今回のGPSにはバーコードが!?
「……え?俺たち売られるの?」
次回「光の消えた追走劇に必要な──マナーモード」
~手のひら返しでshall we dance ?~
NV:黒猫のノア