テラーノベル
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僕は、生まれた時から「家族の温かさ」というものを知らない。
それもそのはずだ。
僕の家族は、僕を産んですぐに捨てたらしい。
――こんな僕でも、家族の温かさを感じることができるのだろうか。
僕の名前は晴明。
養護施設にいるのがどうしても嫌で、ある日、そこを抜け出してきた。
だが、外に出たところで行くあてなどなかった。
ただフラフラと街を彷徨う日々が続き、それが二日も経った頃、ついに僕は力尽きて倒れてしまった。
意識が遠のいていく中、かすかに子供の声が聞こえた。
「お前、大丈夫か!? お母さんー!! 子供が倒れてるーー!」
(……誰だろう……怖い……)
そう思ったところで、僕の意識は完全に途切れた。
「……んっ……ここは……」
目を覚ますと、そこは柔らかなベッドの上だった。
「ッ!! お母さんー! あの子起きたーー!!」
「えっ!? ちょっと待ってて!」
状況が分からず、僕は思わず体を震わせる。
「ブルブル……どういうこと……? 怖い……」
すると、優しい声がかけられた。
「大丈夫や。心配せんでええ。
お前さんには、何もせえへんからな」
「……本当に?」
その「大丈夫」という言葉に、少しだけ震えが収まった。
「ほんまやって。
あっ、自己紹介がまだやったな」
「俺の名前は安倍雨明や。よろしくな」
「……安倍雨明……?」
「せや。俺のことはな、
お前の好きなように呼んでくれてええで」
好きに呼んでいいと言われ、少し戸惑った。
けれど自分の名前とどこか似ている気がして、自然と口を開いた。
「じゃあ……雨、とか……」
「ええやん。ほな、そう呼んでくれ」
「お前の名前、聞いてもええか?」
「……晴明……」
「晴明かぁ。ええ名前やな」
「ほな、晴って呼んでもええ?」
「……うん……」
「よっしゃ。ほな、これからは晴やな」
その時、突然ドアが開いた。
ガラッ
「!? 」
思わず体が跳ねる。
「雨! あの子起きたって!?」
「おう、起きたで。ほら、この通りや」
「はぁ……本当に良かった」
突然現れた見知らぬ人に、僕はまた体を震わせた。
「……誰……?」
「晴、大丈夫や」
「この人はな、俺のお母さんや」
「……雨のお母さん……」
そう聞いて、少しだけ安心する。
「はじめまして。びっくりさせちゃったわね」
「あなた、お名前は?」
「……晴明……」
「まあ、素敵なお名前ね」
「じゃあ、晴って呼んでもいいかしら?」
「……うん……」
まだ完全に信用しているわけじゃない。
それでも、この人たちが悪い人ではないことは、なんとなく伝わってきた。
「無理に言わなくていいの」
「でも、どうしてあんなところで倒れていたの?」
僕は黙り込んだ。
本当に話していいのか、迷っていた。
すると、雨が静かに言った。
「……無理にとは言わへん」
「せやけどな、教えてほしいんや」
「晴が抱えとるもんを、
少しでも一緒に背負わせてくれへんか」
その言葉を聞いた瞬間、自然と涙が溢れた。
「ッ……う、うぅ……」
この人たちは、信じてもいい。
そう、心から思えた。
気づけば僕は、すべてを話していた。
家族がいないこと。
養護施設を抜け出してきたこと。
「……そうだったの……」
「つらかったわね。本当によく頑張ったわ」
「うぅ……」
「……晴」
「よかったら、うちの子にならない?」
「……えっ……?」
「無理にとは言わないわ」
「でもね、晴がいいなら……
うちの子になってほしいの」
突然の提案に戸惑った。
けれど、この人たちの家族になることを、嫌だとは思わなかった。
「……うん」
気づけば、そう答えていた。
でも、この選択を後悔はしていない。
この人たちなら、信じられる。
そう思えたからだ。
「……本当に、いいの?」
「うん!」
「よっしゃ!」
「これからよろしくな、晴!!」
「うん!!」
僕はこの日、初めて
――「家族の温かさ」を知った気がした。
AIとはすごいものですねぇ
私の没作品がちょっとマシになったよ🙄
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