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とある街の中華屋さん

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とある街の中華屋さん

21 - 小話・看板娘と店員と店主の日常

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2024年09月02日

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とある街のアジアンタウンにある中華料理店「ミンミンボウ」。そこの看板娘と呼ばれているさぶ郎の一日は自動販売機用の商品の仕込みから始まる。

自動販売機の商品補充は母と呼んでいるぺいんと一緒に行くが、自分の用事がある時はそれを優先している。

この日は自動販売機の商品補充について行かず、メカニックへとやってきた。

「おはようござまーす」

「いらっしゃいませー」

「さぶ郎のランポのカラーリングお願いしていい?」

メカニックのれんはさぶ郎の色や仕上がりの好みを聞いていく。

「ちょっと時間かかるけどいい?」

「お店まだ忙しくないから、いいよぉ」

「それじゃそこのベンチで待っていてください」

れんのカスタム作業を見ながら、たわいもない話をする。

「さぶ郎さんは自転車に興味ある?」

「さぶ郎、自転車好きだよ」

「近いうちに市の主催で自転車レースあるって」

「えぇっ!?絶対参加するっ」

やがてカスタムが終わり新しいカラーリングになったランポで店に帰る。

「ただまー。お母さん、お父さんこれ見てぇ」

「お帰りぃ。色変えたの?」

「そう!」

「さぶ郎、お帰り。ピンクと緑で良いじゃん。」

「これね、ライトは黄色なんだよ」

「良い組み合わせだね」

「家族の色にした」

「娘がいい子すぎて感動するわ」

昼食をとりながら家族でこの後の予定を話す。家族で出かける事もあるが、遅くとも夕方には店を開ける。

店を開けるとさぶ郎はカウンターに立って接客を行う。

「さぶちぁ〜ん」

開店すると友達になった警官の椎名がすぐにやってくる。

購入した後は店内で女の子同士のおしゃべりを楽しむ。椎名は無線で呼び出されるかインパウンドなどの市民対応が来るまで大体長居する。

稀にガラの悪い客に絡まれるが、大事になる前に両親のぺいんとミンドリーがやってくる。

「一緒に遊びに行こうって誘っただけっすよ!」

「さぶ郎が行きたいなら何も言わないけど、どうなの?」

「さぶ郎、お店のお仕事あるから行かないよってさっきから言っているけど聞いてくれない」

「話、違うようだけど?」

「ちょっとこちらに来てもらいましょうか」

そう言いながら店から出て行くミンドリーは緑刀を、ぺいんはヘビーピストルを手にしていた。

(………どんまい)

閉店後は今日会った出来事を家族と話す。

毎日いろいろなことが起きるが、どれもこれも楽しいことだらけだ。

深夜、自室で眠りにつく。

今日もたくさんの人とお話したし、家族と一緒にいられて楽しかった。

明日もこんな日が続けばいいのにと思いながら眠りについた。




とある街のアジアンタウンにある中華料理店「ミンミンボウ」。そこの店員であるぺいんの一日は自動販売機の商品補充から始まる。

基本、一人で行うが一度さぶ郎にせがまれてからは一緒に行くように心がけている。

自動販売機は島になっている市内全域にあるため、島内のあちこちを回るので時間がかかる。そのためさぶ郎と一緒の時は話をしながら補充していくが、この日はさぶ郎に用事があったので一人だ。

市街地では声をかけられることもある。先を急ぐため簡単な立ち話になるが街の情報を教えてくれる住民もいる。

店に戻って昼食をとりながら家族とこの後の予定を話す。

「今度自転車レースがあるんだって。さぶ郎出たい!」

「ミンドリーも上手いし、またみんなで出る?」

「良いんじゃない?」

「やった〜!」

店を開けると出前に行く。出前は依頼があれば市内どこでも駆けつける。

「どうもー。ミンミンボウですけれどもー」

配達用の原付で本署に行くと対応中ではない警官が集まってくる。

「ぺいんさんだ!」

「食べ物売ってください〜。最近、立て続けに事件が起きて買いに行く暇無いんですよ〜」

「順番なぁ〜」

警官といえど声をかけると一列に並ぶあたりがかわいらしい。

「ぺいんさーん。チェイス中にパトカー停まるのってどうにかなるの?」

「メカニックに精密修理出してる?修理台だと内部まで修理されないはずだよ」

「ぺいんさん。チェイスのジャンプで撒かれるんですよぉ」

「相手の速度とニトロの色見てる?何でも全力赤ニトロだと飛びすぎるよ」

「ぺいんさ〜ん。ヘリでどうやっても追いつけないんすけど………」

「相手のヘリにもよるんじゃね?スパロー、ヴォリトーは通常の警察ヘリじゃ追いつけないし、ヴォラタス出てきたらまず無理じゃね?」

「落とせない?」

「頑張ればできると思うけど、それ白市民に聞く話じゃないよね?」

「だって詳しそうだから」

本署の出前が終わると救急隊にも立ち寄る。

「どうもー。ミンミンボウですー」

「ご飯キター」

こちらも多忙らしくご飯を買いに行く暇もないらしい。

「医者の不養生ってね。ちゃんと食べてください」

「ほんとそれなんですよー。最近、救助要請もだけど事件対応も増えてきちゃって」

出前から店に戻れば厨房で足りなくなった分の仕込みをする。合間に接客もする。

稀にさぶ郎がガラの悪い客に絡まれるが、大事になる前にぺいんとミンドリーで対応する。

「一緒に遊びに行こうって誘っただけっすよ!」

「さぶ郎が行きたいなら何も言わないけど、どうなの?」

「さぶ郎、お店のお仕事あるから行かないよってさっきから言っているけど聞いてくれない」

「話、違うようだけど?」

「ちょっとこちらに来てもらいましょうか」

そう言いながらミンドリーは緑刀を、ぺいんはヘビーピストルを手にして客を外に連れ出す。

「店員に手を出すのはマナー違反ですよ?出禁にします?」

「反省文を出すならまた店に来ても良いよー」

厄介な客はミンドリーとぺいんが詰め寄ると帰って行く。

閉店後は今日会った出来事を家族と話す。

毎日いろいろなことが起きるが、どれもこれも楽しいことだらけだ。

夕食が終わり、明日の自動販売機の商品補充用の仕込みも終わると、晩酌するミンドリーに付き合う事もある。

「救急隊情報だけど、最近、救助要請と事件対応が増えているっぽい」

「大型犯罪が増えている?」

「そうらしい。警察も増えたって言っていたし、話の途中で駐車場にお揃いの紫色の服装来た人が護送されて来ていたから、ギャングが活発なのか増えたかだね」

「物騒だねぇ」

「そっちは?」

「前に店まわりの事でカフェの人に相談した話があったじゃない?あれ、向こうで話を回してくれたらしくて、黒側から理由なくつめられる事はなくなったよ」

「カフェの店員さんは何者なん?」

「顔が広いだけらしいけどね。まぁ、そういう事なんじゃない?」

「あー。うん。これ以上はやめておこう」

深夜、自室で眠りにつく。

今日も出前でいろいろな人と交流し情報を得られたし、家族と一緒にいられて楽しかった。

周りはきな臭くなってきたが、明日もこんな日が続けばいいのにと思いながら眠りについた。




とある街のアジアンタウンにある中華料理店「ミンミンボウ」。そこの店主であるミンドリーの朝は早い。

家族が起きている・いないに関わらず、朝食後にキャンピングカーを運転し北の街を目指す。目的はリサイクルセンター、通称「リサセン」だ。

リサセンにはこの街で集められたあらゆる種類のリサイクル品が集まる。住民はその仕分けを自ら行うことで、メタルスクラップやプラスチック、ラバーといった素材を得る。得た素材は必要とされる職に売っても良いし、自分でクラフトのために使っても良い。

ミンドリーは前の街でもよくリサセンに通っていた。仕事で必要な備品をクラフトするためだ。余った素材は素材屋に卸していた。

この街で素材やクラフトは必要ないと思っていたが、移住2日目に習慣でリサセンに行ってしまった。その道中、街の治安を見て自衛のための武器が必要になるかも知れないと思った。

3日目以降は朝の日課にリサセンの他にクラフトも加わった。数日後には自分と家族の分の最低限の武器が出来上がった。

リサセンは少ないながらも他の住民がいる。それぞれ作業に没頭しているため、会話もなく静かだ。

この日は以前会ったメカニックのギルがいた。ミンドリーが切り上げようとした時に声をかけられたので、自分では使わない素材を売った。目の下のクマは相変わらずだったので、素材や従業員に苦労しているのは変わらないようだ。

昼前にはリサセンとクラフトを終わらせ店に戻る。その時間には他の家族も自動販売機の商品補充を終えているからだ。

家族─ぺいんとさぶ郎とともに昼食をとりながら、この後家族で出かけるのか、店を開けるかの話をする。

特に何もなければ遅くとも夕方には店を開ける。

ぺいんは人当たりがいいのに初対面の人には気後れするのか奥で仕込みをしているか、出前に行く。さぶ郎は店内に立つことが多く、客との会話を楽しんでいる。

ミンドリーは店内で商品の説明をしたり販売もするが、人が少ない時は入口すぐの席か表で新聞を読みながらタバコを吸っている。たまに顔見知りのメカニックやカフェ店員が来て情報交換をする。

開店中の店内ではトラブル(揉め事)はほぼ起きない。起きたとしても周りの客に注意されるか、ミンドリーとぺいんが「オハナシ」するだけで問題児は立ち去る。おかげで店は平和だ。

店を閉めた後は自宅で家族で今日あったことを話しながらくつろぐ。時には晩酌もする。

毎日いろいろなことが起きるが、どれもこれも楽しいことだらけだ。

深夜、店と自宅の戸締まりを確認し、眠りにつく。

疲れていないわけではないが、あの街では中々得られなかった充実感がある。

明日もこんな日が続けばいいのにと思いながら眠りについた。

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楽しみに待ってたァ〜!

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