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夏油)最強は君だけだったんだ
五条)そうかよ!
なら俺だけで最強になってやる!
夏油)あぁ、よろしくね
私は何もできない弱者だから…
五条)…傑?
夏油)(廊下を走って自分の部屋へ向かう)
五条)おい!待てって!
ガチャンッ!
夏油)…悟には、酷いこと言っちゃったな
夏油)こんな弱い私が生きている意味なんて…
夏油)ないよなぁ…ハハッ
近くにあるカッターを見つける
夏油)確か、切れば楽になるんだったけ
夏油)切ってみようかな…
シュッ
夏油の腕に一本の赤い線ができた
血が少しずつ出てきて、人が見れば、誰もが痛々しく思うような傷であった
夏油)痛い…けど、惨めな私にぴったりだ
夏油)そうだ、これは罰なんだ
悟に対しての、守れなかった人たちに対しての
夏油)すこし気持ちいい
そうして、夏油は何度も何度も傷をつけ続けた
決して五条が恨んでいるかはわからない
守りきれなかった人が恨んでいるかわからない
あくまでも夏油にとっては自己満足の域を出ないのであろう
そうして何分かたった
夏油)今日は…少しつかれたな
明日も任務あるし、今日は休まないと
気が狂ったように見えても、彼は夏油傑だ
任務や、他の先のことは考えきれる
その特質故に人に頼りきれないのかもしれないが…
そうして明日はやってきた
夏油にとっては、もう五条と会いたくないため、かなり憂鬱な朝である
そんな事も知らない五条は
五条)傑ー
と遠慮なしにドアを開けて入ってきた
五条が入ってくるだなんて思ってもいなかった夏油は、昨日やったことの片付けも手当も済んでいない
夏油)っ悟?!
五条)え…傑?なに…これ
五条がこんな声を漏らすのもおかしくはない
そりゃあ昨日、酷い事を言ってしまったと謝りに来た矢先に、夏油の部屋に血のついたカッターがあったのだから
こんな反応になるのは当たり前であり、不可抗力であったりするのだろう
しかし、今の五条の反応で、夏油の中にはいくつもの感情が渦巻く事になった
夏油)あっ、えっと ヒュ ごめ、みないで
こわい、くるしい ハァ たすけ ヒッ
五条)ッ!ごめん傑、俺が苦しめちゃったね
大丈夫だからな?俺が助けるから
夏油)さと、わるくない、わたし、がわるい
五条)傑、自分を責めないで
ほらトントン これで少し楽になるかな?
夏油)んっ…すーすー
五条)ふぅ、良かった
五条は寝ている夏油を見る
最近はあまり夏油と一緒になることが少なく、見落としていたがかなり黒いクマがある
一体どれだけの無理を重ねたのだろうか
そして、自分はどれだけのことを言ったのかを五条は考える
どちらも言葉で表しきれないくらいだろう
だから、自分が責任を持って傑を助けると
そう五条は誓ったのであった
夏油)ん…
五条)傑、起きた?
夏油)(私何してたんだっけ)
夏油)(確か…)
夏油)ハーハー、ヒュ、フー
五条)傑、大丈夫だからな
そう五条は言った
いつになく優しい声で
夏油)スーハー、スーハー…
五条)よしよし、それで大丈夫だ
夏油)っごめんね、悟
五条)どうした?傑が謝ることはなにもないよ
夏油)え、だって迷惑かけたし…
夏油は人に頼ることを迷惑と思っていた
五条にとってはそんなことないのだろうが
五条)迷惑なんかじゃない
じゃあ俺が傑みたいになった時、傑は俺のこと迷惑だって思う?
夏油)迷惑だと思うわけないじゃないか
五条)そう、それと一緒
五条)俺はね、傑ともっと笑っていたい
だから、傑が笑ってくれるように、俺は傑を助けたい
五条)だから、俺に話してくれない?
夏油)……悟がそう言ってくれるなら話すよ
そうして夏油は今までのことを話し始めた
五条がどんどん強くなっていくのを見て、置いてけぼりのような感覚を覚えたこと
非術師に対して、恨みの感情を覚えてしまい、そんな自分が憎くて許せなかったこと
どれも夏油の心を締め付けていたのだろう
夏油)…こんな感じだよ
夏油)期待外れだろ?こんな弱い私は
五条)いや、傑は強いよ 俺よりよっぽど
夏油)何を言っているんだい、悟
私は君より弱い
五条)強いに決まってる
だってこんなことを、一人でずっと抱えて…俺なら傑みたいにできないよ
夏油)…
五条)でもさ、傑 俺達二人で最強だろ?
一人で強くなる必要はない もっと俺を頼ってほしい
五条)一人で抱え込んで…消えないでほしい
夏油)…ありがとう悟
少し心が軽くなった気がする
五条)ほら傑、来て(手を広げる)
夏油)…え、うん
そうして、夏油は五条の腕にそっと入った
五条)ギュッ ヨシヨシ ナデナデ
五条)ほら、疲れてるでしょ?
今は泣いていいよ、傑
夏油)…!ポロポロ
夏油は泣き始めた
今までのくるしみは消えるかはわからない
けれど、これからは悟と一緒に笑っていきたい
そう思う夏油であった