テラーノベル
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mtkさんのゲーム内ハンドルネームを おもち(ひらがな表記)にしました。
ローマ字よみにくいよね。うん。
PCの電源を入れ、作業部屋の椅子に重い体を預ける。
ディスコードの着信音が静かな部屋に響いた。
一呼吸おいて通話ボタンをクリックする。
「……こんばんは」
ヘッドセット越しの声は、いつもより少し低く、柔らかかった。
「今日もお疲れさまでした」
「……ありがとう。リヴァさんは?」
「私はいつも通り。……でも、おもちさんと話せるから、今日は特別かな」
不意打ちの一言に、顔が真っ赤になる。
返す言葉を探していると、彼女が小さく笑ってから続けた。
「……あの、少し不安でした。私、何か気に触ること言ったのかなって。嫌われたのかなって。」
「そんなことないよ。むしろ僕の方が忙しくて、あまり連絡できなくて……ごめん。」
少し間があいて、僕は口を開く。
「リヴァさん……直接、会って話してみたい。」
再び沈黙。
ヘッドセットの向こうから、ためらい混じりの息遣いが聞こえた。
「……じゃあ、考えてみます。おもちさんと話すの、好きなので。」
その言葉は、ほとんど「会いたい」と同じ意味に聞こえた。
一瞬息が詰まる。
「……そんなこと言われたら、期待しちゃうよ。」
自分でも驚くほど、声がやわらかくなっていた。
彼女は小さく笑いながら、
「……じゃあ、楽しみにしててください」と返した。
そのあと他愛ない話をしたけれど、正直ほとんど覚えていない。
覚えているのは、彼女の声がずっと耳に残っていたことだけだった。
リヴァさんの声を聞いた夜は、不思議とよく眠れることに気づいた。
あのやわらかい声が、夢の中までついてきて、気づけば朝になっている。
おはようとスタジオに入ると、ソファに座っていた二人が同時にこちらを見た。
「元貴、なんかあった?」
「べつに、なんにもないよ」
「ふ〜ん。顔がちょっとこわいんだよなぁ〜コワイコワイ」
若井がニヤニヤしながら茶化す。
横で涼ちゃんが吹き出しつつ、すかさず突っ込んでくる。
「例の、ゲーム子?」
「もうっっ!2人ともぉ!うるさいなぁ!」
僕はわざと駄々っ子みたいに返す。
「図星か。何?フラれたとか?」
「ちがうって。……ただ、会いたいって言った。返事待ってる状態。」
「お〜〜〜〜!ついに告ったか!」
若井が大げさに両手を上げる。
「告ったわけじゃないし」
口では否定しつつも、言葉にした瞬間、自分でも胸が熱くなるのを感じた。
「へぇ〜、返事はいつ来るんだろうね?」
涼ちゃんは、からかうでもなく、ただ優しく笑った。
「さあね。でも……待ってる時間も悪くないかも。」
とりあえず「会ってみたい」と想いは伝えた。
それが「断られたわけじゃない」というだけで、胸が妙に落ち着かない。
返事を待つ時間がこんなに長く感じるなんて、いつ以来だろう。
箸休め的なやつです。私の独り言です。
私の中で、恋愛話(恋バナもどき)をするときに、若井くんは大森さんを揶揄いながらも応援する、みたいなスタンスなんなじゃないかなとおもってます。
たぶん逆も然りだと思います。
こういう話になると、涼ちゃんはママ役というかちゃんと揶揄わずに話聞いてくれそうですよね。
相手の心配とか、不安とかすぐ気づいてくれそうなタイプ。
なのでしばらくは若井くんは揶揄ってばっかりかもしれません(笑)