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よくあるトラ転したら最推しが話しかけて来たぁ‼・改(※新しい方です‼)
第16話 - 第17話 推し達の悲しみフラグ叩き折り隊長、ミオです‼/私の部屋、顔面偏差値高すぎるよ・・・‼
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2023年03月17日
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どうも。wakaです。今回もお楽しみください‼
ミ「あ、キリト来た」
ハローミオ‼私は今、某花壇へ来ています‼今度こそ‼ライオスとウンベールが花壇へ来るはずだ・・・‼一応、剣も持ってきているし、何かあったときのためにキリトも呼んでおいた。
キ「ミオ、どうしたんだ?俺を呼んで」
ミ「ねぇキリト。リーバンテイン殿との試合の時、ライオス達がいたの知ってる?」
キ「ああ、分かってたけど…まさか、あいつらまた何かしようとしてるのか?」
キリトは少し驚きつつも、私に話の続きを促した。
ミ「うん。キリトにはちょっとショックだと思うけど…おそらく今夜、ライオス達が花壇を荒らしに来るはずなんだ」
キ「そうなのか⁉…ああ、だから食堂でライオス達とイザコザがあった時、花壇へ向かったんだな」
驚きもしたが、私の意味不明な以前の行動に納得もしたキリト。意外と落ち着いているキリトに私がびっくりだよ!そんな私の思考を読んだかのように、キリトは微笑を浮かべた。
キ「まだ花壇は荒らされてないだろ。だから大丈夫だ」
ミ「ワォ、キリトってエスパー?」
キ「違うよ…ミオの表情が分かりやす過ぎるんだ」
数秒の沈黙の後、お互いに噴き出した。今の私の声、「アヒャヒャヒャwwww」だと思う。
しかし。
ラ「おや」
ウ「奇遇ですなぁ‼ライオス殿‼」
ラ「そうだな、ウンベール。まさかキリト練士とマルウィス練士にこんな所で遭遇するとは」
もう何なんだよ‼いっつも、楽しい時に割り込んできてさぁ‼これだから嫌なんだよライオス達は‼嫌な要素他にもあるけど‼と、大きな声で言いたいけれども、今は夜。さらにそんな事を言ったら、ユージオやキリト、先輩たちにも迷惑をかけてしまうかもしれない。ゆっくりとした足取りでこちらに歩み寄ってくるライオス達に、無表情で上辺だけの敬語を使おうとした時。
キ「アンティノス殿とジーゼック殿こそ、この花壇にどんなご用が」
キリトの方が先に一歩前に進み出て、ライオス達に話しかけた。え…カッコよ‼格好良すぎでしょキリト‼流石アスナちゃんを落とした男…‼
ラ「息抜きとして花を愛でようとした…だけでは、駄目かな?」
心外だ、というふうに軽く傷ついた顔をするライオスだが、その醜く淀んだ目の奥には、私達への軽蔑の色が見られる。
ミ「いえ、あなた方のような生まれつきの貴族様が花を愛でる・・・とても意外だと思いましたので」
もう、言ってしまおうか、全て。キリトに視線を送ると、まさか私の考えが通じてしまったかのように力強く頷いた。
ミ「・・・・・・というのは、嘘です」
私の発言に「は?」となっている嫌な金髪と銀髪。なに髪伸ばしてんだよ‼オールバックヤメロ‼
ライオスとウンベールに一歩近づく。キリトは一歩下がり、場を私に譲った。
ミ「本当は、ここでキリト練士が育てているゼフィリアの花を荒らしに来たんでしょう?禁忌目録違反にもならないし」
敬語を外し、いつも通りに言い放つと、ライオスよりもウンベールが先に反応した。
ウ「貴様ッ‼俺らは貴族だぞ⁉」
ミ「知らないの?私も養子ではあるものの貴族だよ」
怒り過ぎて周りが見えてないらしい。後ろでは、キリトが私の「禁忌目録違反」発言にはっとして、ゼフィリアの花が植えてある花壇に、キリトの修剣学院の校章ピンを置いていた。これは俺のものだぞ、と。
とうとう、ニヤニヤしながら何か言おうとしたライオスの視線は、夜空へと釘付けになった。キリトが目を大きく見開き、低い声で叫んだ。
キ「…飛竜‼」
キリトにつられて私も星々が輝く夜の空を見る。見た先には、彗星のように光る何かが北セントリアに向かってきていた。その竜の背に乗っているのは整合騎士。もしかしたらベルクーリさんとかかもしれない。
私が満面の笑みなのがライオス達はとても驚愕したのだろう。ライオス達からすれば、整合騎士とはこの世界で最高司祭よりも恐るべき存在で、世界最強の法の守護者なのだから。これで絶対に引かれたに違いない‼早く寮に帰ってくれ‼お願いだから‼
ラ「・・・そろそろ我らも戻るとしようか」
ミ「そうですかーではさよならー」
私の必殺‼棒読み‼(←ダサい)に反応することはなく、2人は寮に続く道を歩いていき、開いていたドアを「バタァン‼」と強く閉めた。
ゼフィリアの花千切り事件は、これにて何も起こること無く幕を閉じたのであった。
はろ〜、ミオです…。上級修剣士になってから1ヶ月が過ぎました…。え、なんでそんなにテンションが低いかって?ハハ、精神的にダメージを受けているんだよ。
理由は…目の前にいる1人の青年のせいです…。
フ「先輩、元気がないですね。いつもなら『ごめんなさい‼』と言ってすぐに片付けるはずなのですが」
ミ「誰のせいだと思ってるのか…」
フ「身の周りに物が散乱しているミオ先輩、のせいでしょう」
ミ「ごめんなさいすぐに片付けます」
私を正論で沈めた彼は、私の傍付き練士で、名前はフィルノーズ・レヴィオン。自ら発光しているかのような銀髪に燃えるような朱の瞳(あの次席の銀髪とは全然違う…)。すらりとした手足に私よりも数十cm高い身長。ケッ、ムカつくぜ‼私は「フィル」と呼んでいる。上級貴族よりも上品な雰囲気を纏っているが実は、かなり短気で売られた喧嘩が全て買う精神のやんちゃ坊主だ。
別に私はキリトやユージオみたいに、指名順を一番最後にしたりはしなかったけど、彼は六等爵家だからという理由で残されていた。そして、彼の剣筋には何か心意のようなものが込められている、と感じたから指名した。
私がせっせとあちこちに散らかっている私物を片付けていると、コンコンと戸を叩く音が聞こえた。「どうぞ‼」と声を張り上げると、部屋に入ってきたのは、もう見慣れてしまった黒髪の青年(IKEMEN)と亜麻色の髪の青年(IKEMEN)だった。2人は私とフィルの立ち位置でいつものやってるんだな、と察したらしい。明らかにイケボの呆れ声が聞こえる。
ユ「ミオ、どうしてこんなに散らかるんだい?まるでキリトじゃないか」
キ「おいどうしてそうなるんだよ」
ミ「寝相悪いんだよ!」
私がそう抗議するが、フィルがバサリと切り捨てた。辛辣ぅ。
フィ「寝相が悪いという理由だけでこのような汚部屋になるのですか?これでも俺はかなり片付けたほうなのですが」
ミ「ぐふぉぉ・・・」
よろりとふかふかなソファに倒れ込み、そのまま数秒動かないでいると、後ろから3つの笑い声が聞こえた。
フィ「…嘘ですよ。後は俺がしっかり片付けておきますから、少しはキリト先輩達と話したらどうですか。最近は忙しくて全く話せていないんでしょう」
フィルのその言葉に私はがばりとソファから起き上がる。
ミ「良いの⁉」
フィ「はい。俺はあなたの傍付きですから」
ミ「ありがとう、フィル!」
キ「あ、えっと…」
私とフィルの会話を訊いていた2人が、気まずそうに言った。
ユ「彼女たちも呼んで良いかい?」
彼女達、というのはロニエちゃんとティーゼちゃんだろう。私、実は会ったことがないんだよね!だってまだ1週間だよ‼会えるわけ無いじゃん‼会いたかった‼そんな下心丸見えの私は首が取れるくらいぶんぶん頷いた。
ミ「良いよ‼むしろ呼んでほしい‼」
そう言うと、ユージオは花が咲いたようにぱっと嬉しそうに笑い、まだ開いていた扉の外に向かって呼びかけた。
ユ「入っていいよ」
廊下から私の部屋におそるおそる入ってきたのは、紅葉色の長い髪にフィルみたいに燃えるような赤色の瞳をした少女と、焦げ茶色の髪に澄んだ水色の瞳の少女。その顔には緊張が嫌というほど張り付いている。ここは先輩が‼
ミ「え、っと、ロニエ・アラベルさんと、ティーゼ・シュトリーネンさんだよね?」
ロ「は、はい‼キリト上級修剣士殿の傍付きのロニエ・アラベルと申します‼」
ティ「同じく、ユージオ上級修剣士殿の傍付きのティーゼ・シュトリーネンと申します‼」
やっぱり可愛い。絶対に2人は守るからな・・・‼
ミ「うん、私はミオ・マルウィス。そしてこちらは…知ってるかな?」
フィ「はい。2人とはよく勉強を教えあう仲ですから」
視線を投げたフィルは、私にしっかり頷き、いつもよりも柔らかい笑みを浮かべ、ティーゼちゃん達に言った。
フィ「最近は俺達も会ってなかったな。元気だったか?」
ティ「私達は元気よ、そっちこそ大丈夫だった?」
ロ「よく喧嘩してるって聞いたから」
そのロニエちゃんの言葉に、フィルはバツが悪そうに顔を背けた。そのままボソボソと何かを呟く。しかし小さくて何も聞こえない。
フィ「あいつらが・・・のこと・・・く…うから」
ミ「え、聞こえない」
フィ「な、何でもないです‼」
慌てたように首をブンブンふる私の傍付き。さっきの私の汚部屋を指摘する冷静沈着(外見だけ)とは大違いだ。
キ「そういえば、今日跳ね鹿亭の蜂蜜パイを買ってきたんだ。皆で食べないか?」
ミ「本当に?食べるに決まってんじゃん‼さっすがキリト、分かってるぅ〜‼じゃあお茶入れるね」
フィ「俺も手伝います」
ユ「ほら、早くしないと冷めちゃうよ。ロニエとティーゼも、立っていないで座って」
ロ「そ、それでは、失礼します…」
そう、もうこの部屋は私の部屋でもあるけど、キリトとユージオの第二の自室でもあるのだ。だからちょこちょこ2人の私物がある。…こちらとしては緊張しすぎてあんまり眠れないんだけどね‼でも気付いたら寝てて朝なんだよね‼慣れって怖い‼…あれ、何回目だっけ。
フィルと手分けしてお茶を出し終え、ソファに座った私は、キリトから渡された見た目だけでご飯3杯はイケる蜂蜜パイにかぶりついた。口の中で甘ったるすぎない蜂蜜と優しいバターの絶妙なハーモニー・・・推せる‼
ミ「久しぶりの蜂蜜パイだ…‼美味しい‼あ、キリト。後でお金払うよ」
キ「いや、大丈夫だ。それよりもフィルノーズ…君。どうだ?美味いか?」
キリトが恐る恐るフィルに話しかける。話しかけられた本人は私が今まで見たことない程の満面の笑みを浮かべ、「はいっ‼」と元気よく答えた。え、君そんなに笑うの?見たことないよ?
フィ「こんなに美味しいパイ、初めて食べました・・・‼あと、俺のことはフィルで良いです。ユージオ殿も」
ユ「分かった。僕のこともユージオって呼んで、フィル」
フィ「了解しました、ユージオ先輩」
ユージオとキリトの横では、美味しそうに目を輝かせながら、黙々と蜂蜜パイを食べる少女達。ウッ、可愛い!
ミ「こんな日々がずっと続いたら良いのになぁ」
あ、これエンディングテーマの「アイリス」の中に歌詞として入ってたよね。好きなんだよなぁ。あの曲。
でも、本当にそう心から願ってしまう。よし、本気出そう。ロニエちゃんとティーゼちゃんは俺が守る!ユージオとキリトも俺が守る!ユージオが限界突破フラクトライトにならないのは寂しいけど、大丈夫。それは…未来の私がなんとかするさ‼フッ
ユ「どうしたんだい?ミオ。手が止まってるけど…」
ミ「ちょっとボーッとしてた‼ごめんすぐに食べるね‼」
キ「いや、急がなくていいぞ。今日はもう午後なんだし、俺達だって用事があるわけじゃないし」
危ない危ない。この超脳内うるさくてウザい微妙な陽キャ陰キャの私としたことが‼まさか話すのをやめるなんて‼
…思考もいつもよりもおかしくなってるわ。早く食べよう。
そうして、私達は穏やかに平和に急遽始まったお茶会を楽しんだのであった。
ミオ・マルウィス(18歳)
上級修剣士第7位。面倒くさいことは後回しにして、後でユージオに泣きつく人。キリトと大体同じ。この転生でユジアリの次の推しは蜂蜜パイとなった。もう人じゃない。そしてやっとロニエちゃんとティーゼちゃんに会えた。嬉しさの極み…‼
キリト(18歳)
上級修剣士第6位。最近話してなかったな、いつもちょっと顔出すだけで。よし、蜂蜜パイ買って突撃するか‼の人。フィルノーズを見るのは初めて。ミオとの身長差を意識して笑ったら、ミオの飛び蹴りが飛んできた。うまく避けた。
ユージオ(18歳)
上級修剣士第5位。やっぱりキリトとミオのブレーキ係なのは変わらない人。キリトと一緒にミオの部屋に向かう。フィルノーズを見るのは初めて。平民出だからか、フィルノーズに親近感が湧いている。これからミオよりも仲良くなる…かもしれない。
フィルノーズ・レヴィオン(16歳)
どっかの町長の長男。初等練士内では成績第3位。一人称はどんな時でも「俺」。勉強も剣術よく出来るが、冷静で短気。大切な人を悪く言われると口より先に手が出る。ちょっぴりツンデレ味がある。
おまけ
私――ミオは、今学院の敷地内の芝生に来ていた。ここで待ち合わせにしたから多分来ると思うけど。
ア「待たせた」
ミ「いえ‼大丈夫です」
そう。私の指導生のアーリン・ブレイド先輩だ。今日は上級修剣士を含む高等練士が卒業する日で、キリトはリーナ先輩にゼフィリアの花を、ユージオはロッソ先輩に剣を磨く時に使う油布を贈りに行っている。
そして私は。
ア「で、用って何」
ミ「実は…、これを渡そうと思いまして」
そういって後ろに隠していた物を先輩に差し出す。
ア「これって…‼」
ミ「はい。アーリン先輩が欲しがってた髪飾りです」
その髪飾りは、藍色の髪ゴムに桜のように5枚の花弁がある青色の花が、縫い付けられているものだった。
先輩は私よりも髪が長い。リーナ先輩には及ばないけど、試合中に長い髪が邪魔になることもあるようだ。でも髪を切りたくないらしい。髪ゴムを探していた時、その髪飾りに一目惚れしたが、ずっと売り切れで買えなかったと悔しそうに言っていた。
ア「大変だったんじゃないか?」
ミ「まぁ、確かに1ヶ月くらいかかりましたけどね。いっつもオバサマ達が買い占めていくから…。裏で転売してるんじゃないか、って思ったけど、親戚とかにあげて自慢するためとかだったらしいですけどね。でも、なんとか買えました」
そう言って私は笑う。アーリン先輩が、ゆっくりと私の手に乗っている髪飾りを取り、早速髪を結った。サラサラとした若葉色の髪の毛がソルスを反射して煌めく。クッ、イケメンだから似合うな‼
ア「・・・どう?」
ミ「はい‼似合ってます‼」
ア「ありがとうミオ、大切にするよ」
自分の髪を触りながら控えめな笑みを浮かべる先輩だったが、「そういえば…」と続けた。
ア「ミオのあの眼、結局何だったの」
ミ「…秘密です」
私がそう言うと、アーリン先輩は「チッ」とまたもや舌打ちしたが、諦めたのか「はぁ…」とため息を付いた。
ア「絶対に吐かせるから」
ミ「ひょえ、怖いよ先輩」
ア「でも卒業するから無理か」
先輩が悔しそうに言ったその時、私は言い忘れていたことを思い出した。
ミ「あ・・・先輩、ご卒業おめでとうございます‼」
ア「ありがとう。じゃあ、これからも頑張ってミオ」
ミ「はい‼」
今までで一番大きい声で返す。もう一度先輩は笑うと、踵を返して学院の出口の門に向かっていった。
花の髪飾りの意味・・・幸運を呼び寄せる。美の象徴。
読んでくださってありがとうございました‼