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maitake side
🍄「記憶喪失…ですか?」
「はい。事故の衝撃で一部の記憶を失っているようです。多分3年、4年で治ると思いますが…あまり悪化すると治らないかもしれません」
🍄「そ、そうですか…ありがとうございます。」
記憶喪失…、大変なことになってしまった…。取り敢えず住所とか大事な情報は色々病院で聞けたからいいけど…。
ピロンッ
ん?あぁ、スマホか。見ると、スマホに沢山の通知が溜まっている。俺の体を心配してくれているらしい。でも、誰だ。全く分からない…。
ドンッ
?「いてて…」
🍄「ご、ごめんなさいっ!」
グルグルと考えながら歩いていたので、前が見えず人にぶつかってしまった。わあ、申し訳ない…
?「大丈夫ですよ、こちらこそすみま…」
?「えっ、」
🍄「え?」
?「お、お前まいたけ?」
🍄「ごめんなさい、、誰ですか?」
?「高校の時よく話してたじゃん。どうしたの?そんなに顔変わってる?笑」
知っている人なんだろうが、思い出せない。それが、申し訳なくて、辛くて、さっき堪えたせいか色々な感情が混ざって、知らないうちに泣いてしまっていた。
?「え、えぇ!?ごめん!!違った?」
🍄「いや、、ち、違くて…あ、うぁ、ごめんなさい…」
止めようとするが、涙はいつまでも流れてくる。
?「とりあえず、どっか行こう?!」
ー病院近くのカフェー
店員さんが出してくれた冷たい水を、ゆっくりと飲み干す。そうしていると少し落ち着いた。
?「どう?少し落ち着いた…?」
🍄「は、はい。」
?「まいたけ、そんな他人行儀だったっけ?もしかしてほんとうに違う人…!?」
🍄「いや、それは俺の名前であってます。」
その返答に違和感を覚えたのか、少し悩んだ顔で言い返してきた。
?「どういう事?何かあったの?まあ、病院から出てきたもんね。何かあるよね笑」
?「俺でいいなら、少し話してよ。嫌だったら言わなくてもいいけど。久しぶりに会えて嬉しいからもう少し話そう?」
この状態では初対面だし、名前だって知らない。もしかしたら悪い人かもしれないのに。それでも、この人に話してみたくなった。
🍄「少し話してもいいですか?」
?「お!いいよ、話してみ。」
目の前の人は、そう言って笑った。何故かその笑顔に見覚えがあって、少しだけ胸が苦しくなった。