次の日、俺はもう太宰から
病室に遊びに来る事は無いだろうと思い
悲しみながらもベットの上で本を開くと
自分の病室の扉が勢い良く開いた
其処には太宰が立っていた
俺は驚きのあまり
中也「何で此処に居るんだ?」
と失礼な事を言ってしまった
当然ながら其の質問に対し太宰から
太宰「何言ってるの?」
と返された
一度冷静になり今度は言葉を整理して太宰に質問をした
中也「勉強しろって昨日言われたのに何で此処に居るんだ…?」
太宰「あんな言葉従うわけないじゃん」
太宰「私が今したい事は中也話す事」
太宰「…どうせ退院したら勉強なんだから」
太宰「今くらいはサボってもいいでしょ?」
中也「大丈夫なのかよ」
太宰「…多分ね」
太宰「さっき連絡が来て12時頃に見に行くって言われたから其の時は一度帰るよ」
中也「そうか」
太宰「ふふ、びっくりした?笑」
そう言って笑う太宰の顔は
昨日の泣き顔を思い出させないくらいに輝いていた
中也「びっくりするに決まってるだろ笑」
太宰「やっぱり中也と話すの楽しい!」
中也「…俺もだよ」
太宰「あ!照れてるの~?笑」
中也「五月蝿ぇ!//」
そんな楽しい会話をしていると
アナウンスが病院中に鳴り響いた
アナウンス「太宰治くん、太宰治くん、居ましたら一階、受付に来てください」
太宰「え、私?」
中也「何かしたのか?」
太宰「いや、何もしてないけど」
太宰「…もしかしてお母さんかな」
中也「でも12時頃に来るって連絡来たんだろ?」
太宰「罠かもしれないじゃない」
太宰「私がちゃんと勉強してるかどうか確かめる為の」
中也「おい、マジか」
中也「早く行った方が良いんじゃねぇか?」
太宰「…このまま此処に居る」
中也「流石にやばいんじゃね?」
太宰「…行きたくないな」
中也「…わかった」
そう言って俺は部屋についてるアナウンスを消音するスイッチを押した
中也「聞こえなかったふりして此処に居ろ」
中也「責任は俺が取るから」
太宰「え、でも…」
中也「大丈夫だ」
太宰は困った顔をして下を向き考え込んだ後
嬉しそうな顔をして顔を上げた
太宰「ありがと!」
中也「おう」
アナウンスが鳴ってから数分後
俺の病室の扉が開いた
扉の前に一人の女性と看護師さんが立ってた
太宰「…お母さん、」
太宰母「こんな処で何やってるの!?」
太宰母「勉強はどうしたの!?」
太宰「え、と、」
太宰「丁度休憩中だったから…」
太宰母「貴方に休憩何て要らないでしょう!?」
太宰母「やっぱり私が見てないと駄目ね」
そう言って太宰の手を思いっきり引っ張った
太宰「ッ」
太宰母「家に帰るよ!」
看護師「奥様、辞めてくださいッ」
看護師の人が太宰の母さんに辞めるように言ったが辞める気は無さそうだった
太宰母「こんな緩い場所に居たら勉強が捗らないでしょう!?」
太宰「いたいよッ」
太宰母「甘ったれた事言ってないで勉強しなさい!」
俺はただ見ている事しか出来なかった
騒ぎを聞いて病院の偉い人などが部屋に来た
院長「落ち着いて下さい」
太宰母「落ち着いてなんて居られません!」
太宰母「友達何て余計な物作って…ッ」
太宰母「貴方は勉強だけしていればいいのッ」
太宰母「院長先生ッ」
太宰母「この子を早く退院させて下さいッ」
院長「太宰君はまだ怪我が治りきっていません」
院長「まだ悪化する可能性もあるんです」
院長「そんな状態では退院はさせられません」
太宰母「ッだったら監視用のこの子だけの看護師をつけさせてください!」
太宰母「お金はいくらでも払います!」
太宰母「出来ないというなら無理矢理にでも家に帰させますッ」
院長「…確認致しますのでお待ち下さい」
そう言って何人かの看護師の人と院長は
俺の部屋から一時的に出て行った
太宰母「何で一々手間を掛けさせるの…」
太宰母「貴方が初めから勉強していればこんな事しなくて済んだのに…」
太宰「…ごめんなさい」
太宰母「謝って済むと思わないで!」
太宰母「申し訳無いと思うなら勉強してよ…」
太宰母「貴方は高校受験に失敗しているんだからねッ!」
太宰母「次も失敗何て許さないから」
太宰母「お母さん言ったよね?」
太宰母「友達何て要らないって」
太宰母「友達何て作っても邪魔になるだけって」
太宰「…..」
太宰母「どうしてお母さんの言う事聞かないの…?」
俺の病室には地獄の雰囲気が漂っていた
太宰は下を向いたまま動かないし
看護師の人は太宰の母さんが何かしないか心配でハラハラしてるし
太宰の母さんはヒステリックになってる
みんなどうしようもない状態だった
暫くしたら院長が帰って来た
俺は深く願った
どうか許可が降りますように、と
だって許可が降りなかったら太宰と会えなくなる
そんなの嫌だ
院長「今、確認をしたのですが…」
お願いだ
許可を降ろしてくれ
頼む…ッ
院長「…許可が降りました」
太宰「ッ」
中也「ッ」
俺は歓喜した
取り敢えず全く会えないという事は無くなった
そして太宰の母さんも喜んでいた
太宰母「本当ですか!?」
院長「はい、なのでいつでも看護師を手配する事が出来ますが…」
太宰母「今日からお願いしますッ!」
院長「…太宰君はどうかな?」
親だけでなく子供の意思もないと許諾できないと言った顔で太宰に問い掛けた
太宰が答える前に太宰の母さんが太宰に話し掛けた
太宰母「貴方はそれで良いよね?」
太宰「…..」
太宰母「良いよね?」
俺から見たら完全に圧を掛けているようにしか見えなかった。
いや、其の場に居た全員がそう思った筈だ
太宰「…私は其れで良いです」
院長「…そうかい」
院長「では、今すぐに太宰君の部屋に看護師をつけさせます」
太宰母「お願いしますッ!」
そう言って院長と看護師は部屋を出て行った
太宰母「ほら、早く部屋に戻るよ」
太宰「…うん」
太宰がチラリと俺の方を見た
何か言わなければ
何か言葉を掛けてあげないと、
そう思っても何て声を掛けたら良いか全くわからなかった
太宰の母さんが俺の方を見て言い放った
太宰母「もうこの子に関わらないで」
太宰母「この子は貴方とは違うの」
太宰母「特別なの」
太宰母「貴方みたいな底辺な子と関わるとこの子まで駄目になっていく」
俺の母さんを馬鹿にされた様な気がして
頭に血が上り怒ろうと思ったが
俺が声を上げる前に太宰が声を発した
太宰「良いから行こうッ」
太宰「早く勉強しなきゃ…ッ」
太宰母「…そうね、早く部屋に帰りましょう」
太宰母「やっとやる気になってくれたのね」
太宰母「お母さん嬉しいわ」
太宰は俺の方を見ないまま部屋を出て行った
俺はあの時、太宰を守るって決めたのに
又俺は太宰を守ってやれなかった
情けなさでギュッと締め付けられている様な痛みが心に走った
中也の病室の扉が開いて扉に目を向けると
扉の前にはお母さんと看護師さんが立っていた
太宰「…お母さん、」
何で中也の部屋に居るってわかったのか
疑問で仕方なかった
太宰母「こんな処で何やってるの!?」
太宰母「勉強はどうしたの!?」
太宰「え、と、」
太宰「丁度休憩中だったから…」
太宰母「貴方に休憩何て要らないでしょう!?」
太宰母「やっぱり私が見てないと駄目ね」
あ、やばい
ヒステリック起こす
そう分かったときにはもう遅かった
私は思いっきり手を引っ張られた
太宰「ッ」
引っ張られているので手が痛いのは当たり前だが事故の所為で怪我をした足にも負担が掛かり激痛が走った
太宰母「家に帰るよ!」
看護師「奥様、辞めてくださいッ」
看護師の人がお母さんを必死に止める姿を見て、とても申し訳なさを感じた
太宰母「こんな緩い場所に居たら勉強が捗らないでしょう!?」
太宰「いたいよッ」
太宰母「甘ったれた事言ってないで勉強しなさい!」
何時もそうだ
お母さんは私が怪我をしても変わらない
家に居るときは休憩何て与えて貰えなかった
騒ぎを聞いて病院の偉い人などが部屋に来た
院長「落ち着いて下さい」
太宰母「落ち着いてなんて居られません!」
太宰母「友達何て余計な物作って…ッ」
太宰母「貴方は勉強だけしていればいいのッ」
太宰母「院長先生ッ」
太宰母「この子を早く退院させて下さいッ」
あぁ、やっぱり私なんか視界にも入ってない
お母さんが心配してるのは私の成績だけ
院長「太宰君はまだ怪我が治りきっていません」
院長「まだ悪化する可能性もあるんです」
院長「そんな状態では退院はさせられません」
太宰母「ッだったら監視用のこの子だけの看護師をつけさせてください!」
太宰母「お金はいくらでも払います!」
太宰母「出来ないというなら無理矢理にでも家に帰させますッ」
此の言葉を聞いた瞬間
流石の私でも驚きを隠せなかった
何を言っているんだろう、と
呆れに似た感情が芽生えた
院長「…確認致しますのでお待ち下さい」
そう言って何人かの看護師の人と院長は
中也の部屋から一時的に出て行った
太宰母「何で一々手間を掛けさせるの…」
太宰母「貴方が初めから勉強していればこんな事しなくて済んだのに…」
太宰「…ごめんなさい」
太宰母「謝って済むと思わないで!」
太宰母「申し訳無いと思うなら勉強してよ…」
太宰母「貴方は高校受験に失敗しているんだからねッ!」
太宰母「次も失敗何て許さないから」
高校受験の話を持ち出されると
私は何時も何も言えなくなる
太宰母「お母さん言ったよね?」
太宰母「友達何て要らないって」
太宰母「友達何て作っても邪魔になるだけって」
うん、何度も聞いたよ
耳が腐る程、聞いた
暗示の様に毎日、私に其の話をしたよね
太宰「…..」
太宰母「どうしてお母さんの言う事聞かないの…?」
お母さんへのほんの少しの罪悪感と
中也への申し訳無さに私の心は押し潰されそうだった
暫くしたら院長が帰って来た
私は深く願った
どうか許可が降りますように、と
だって許可が降りなかったら中也と会えなくなる
そんなの絶対に嫌だ
院長「今、確認をしたのですが…」
お願い
許可を降ろして、
お願い…ッ
院長「…許可が降りました」
太宰「ッ」
中也「ッ」
私は心の底から喜んだ
中也と全く会えないという事は無くなった
お母さんも喜んでいた
太宰母「本当ですか!?」
院長「はい、なのでいつでも看護師を手配する事が出来ますが…」
太宰母「今日からお願いしますッ!」
院長「…太宰君はどうかな?」
急に私に話が振られ心臓が跳ねた
親だけでなく子供の意思もないと許諾できないと言った顔で院長が私に問いかける
答えようとしたけど其の前にお母さんが私に話し掛けて来た
太宰母「貴方はそれで良いよね?」
太宰「…..」
太宰母「良いよね?」
お母さんのお得意のやつだ
私の意思を聞こうとせず、
いや、聞く耳を持たずに自分の意思を通そうとする視線、声色
私は何時も此の行動に対して大きなストレスを感じていた
どうせ私の意見を言ったってお母さんに言いくるめられてお終い
結局、何時も通りの結果になるだけ
其れなら最初からお母さんの気に触れない様にお母さんが考えている事を復読すれば良い
其れが一番平和に終わる
太宰「…私は其れで良いです」
院長「…そうかい」
院長「では、今すぐに太宰君の部屋に看護師をつけさせます」
太宰母「お願いしますッ!」
そう言って院長と看護師は部屋を出て行った
太宰母「ほら、早く部屋に戻るよ」
太宰「…うん」
私は中也をチラリと見た
中也は動揺している様に見て取れた
そりゃそうだ
急に知らない女の人が自分の病室で怒り散らかしているのだ
中也に謝らないと、
そう思っても声が中々出せなかった
沈黙が少し続くとお母さんが中也に向けて言い放った
其れは決して良い言葉では無かった
太宰母「もうこの子に関わらないで」
太宰母「この子は貴方とは違うの」
太宰母「特別なの」
太宰母「貴方みたいな底辺な子と関わるとこの子まで駄目になっていく」
そんな事ない
そう否定しようとして中也を見ると
今にも怒りそうな雰囲気を漂わせていたので
今は取り敢えずお母さんと中也を離す事を優先すべきだと考え、
私はお母さんに何時もより大きな声で話を遮る様に話し掛けた
太宰「良いから行こうッ」
太宰「早く勉強しなきゃ…ッ」
太宰母「…そうね、早く部屋に帰りましょう」
太宰母「やっとやる気になってくれたのね」
太宰母「お母さん嬉しいわ」
やっと落ち着いてくれた
其の安堵感が強かった
中也に謝って部屋を出ようと思ったけど
恥ずかしくて、申し訳無くて
見せる顔が無くて
中也の顔は最後まで見られなかった
どうでしたか?
このストーリーはちょっと投稿の間隔開けすぎましたね…💦
いまいちわからなかったら見直してください💦
私も間違えてしまってるところがあるかもしれません…間違えてたらすみません💦
前回の投稿で忘れられちゃってるかもっていうことを言ったんですけど
コメントで「忘れてませんよッ」って言ってくれた方がいて本当に嬉しかったです✨
でも確実に忘れられている気がする…
これから挽回するぞ…!!
次回は❤️1000で投稿します!
❤️・コメントしてくれると嬉しいです!
ではまた次回!
コメント
2件
うううう…!! めっちゃいい…!! 太宰さんと中也、この2人は永遠に一緒に居てくれって思いましたぁあ!! 雲さんが書く二次創作私大好きで、応援してます!!✨