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かれんの参加型に出したエーレンの過去ねりねりしてみました。
俺は特に苦労した事がなかった。
運動もまあ、平均よりは出来たし、勉強も授業聞いてるだけである程度の点は取れてたらしい。話も上手いらしく、周りには常に人が居た……らしい。中2になるまでは。
親と名乗る人の言うところによると、俺は記憶喪失になったらしい。
確かに、言語以外の記憶がぽっかり抜けていて今までどんな事が好きだったのか、誰が友達だったのか、そういうのがわからなくなっていた。
双子の妹が、居たことも、その子を守る為にトラックの前に飛び出したことも、
その子を守りきれなかった、ことも。
写真を見せてもらってもイマイチ思い出せなくて、親が冗談で言う「こんな時、もしあの子なら」にも全く共感ができなかった。
怪我も完治した後、記憶は戻らなかったけど学校に戻った。
「そーら!!記憶喪失大変だなー!」
「…?……あ、ああ、大変…だよ」
そう返した時、周りのどこか
『やっぱり変わってしまったな』
といった顔が、どうしようもなく怖く感じて、必死こいて前の自分を取り戻そうとした。また頭をぶつけてみたりだとか、部屋に何かしら、前の俺が書いた日記が無いか探したり、でも全ては失敗に終わった。
俺であって、俺じゃない。
なんだか自分自身が、前の俺を乗っ取った物のように思えてきてしまって仕方がない。それに、どんどん自分が分からなくなって言った。周りに合わせるうち、どんどんとみんなが理想とする俺に近付く反面、成り代わるうちに考えてしまうのだ。
所詮、今の俺は紛い物だと。
その日も友達と帰っていた。俺が俺で無くなってからも、色々と気にかけてくれる良い奴だった。そいつと、話すのは楽しかったんだ
確か、名前は___ 日和 凪、凪だ。
二人で歩いていた、ちゃんとした歩道はなく、車がすぐ横を通る様な道を、凪が車道側を歩いていた。
ふと、乱暴な運転のトラックが勢いよく曲がってきた。思考は追いつかなかったけど、身体は、ちゃんと動いた。
トラックの真ん中についたエンブレムが西日に照らされてキラ、キラ、と反射して、目の前の俺の目に入る。
俺は凪を庇ってトラックに轢かれた。
今度こそ、守れたって思えた。
目を覚ますとそこは暗い場所だった。
「……地獄?」
そう思うしかないぐらいにおぞましく不気味な場所。
ふと身体を見ると、トラックに轢かれたはずの俺の身体は綺麗なままだった。
やはり地獄か。いや、まさか、悪いことは多少はしてきたかもしれないが、なんだかんだで天国に行けると、漠然と、考えていた。浅はかだったんだなあとしみじみもする。少しだけ、頭が重たいような気もするが、状況把握の為に辺りを見渡した。
すると、奇怪な形をした化け物がこちらに、ゆっくりとやってくる。
「地獄に人型の悪魔とは珍しい……」
としわがれた声で化け物が喋るのだ。
他の異形を後ろに従えていて、しわがれた声を持っているあたり、おそらく長老のような立ち位置なのだろう。
しかし、俺が気になるのはそこではない。
「……は?悪魔?」
何故。幽霊ならわかるが悪魔?そんな物になった覚えは無い。
「悪魔じゃろう?その角に…魔力だってお主から感じる。嘘は付けんよ。」
角…頭に生えている…?そう思って頭に手を当てると、たしかにゴツゴツとした固くて、うずまいた物が頭にある。
だから頭が重かったのか。
「…俺が……?」
「…ふむ、少し着いてきなさい」
言われた通りに着いていく。不思議と、その老魔から危険は感じなかった。
とある古ぼけた家に到着する。
そこで彼から多くの魔界のルールについて教えてもらった。
魔界でも、俺の運の良さのおかげとでもいおうか、なんとなく上手くいった。
……いや、上手く行き過ぎたのかもしれない。気付けば魔王になっていた。
あまりに上手く事が運びすぎたせいか、身体はその魔王としての魔力量に耐え切れていなかった。
ふと、溢れるそれはとめどなく、制御しきれずに意識さえも持っていこうとする。
たった一瞬の頂点を迎えてすぐ、最期を迎えようとする意識の中で思ったことは一つ。
妹の顔を見てみたかった。
どうせ足掻いたところで最期なことには変わりない。どこか人形を作るような気分で人を形成してみた。
温い。潰えかけていた光がまた取り戻されるような気がした。
人形になるはずだった魔力の塊は、何が起こったのやら、命が吹き込まれたかのように動き出した。
「……は?」
霧が晴れたかのように 体が軽くなった。
「……お兄ちゃん?」
「…お兄ちゃんって、なんで…喋って…」
ああ、また、まただ、また上手くいってしまった。
「……?顔青いよ?大丈夫…?」
目の前のそれは、親に見せて貰った妹という人物の顔とそっくりだった。
いや、そっくりどころの話ではない。
同一人物。そう直感した。
「…誰…だ…」
「え!??酷いなぁ……ベルク・アストロだよ…忘れたの?」
そう言って掴まれた手はあまりに細く、頼りなく、それでいて微睡みの様な温もりを併せ持っていた。
そして微かに感じる同じ魔力の気配、先程作った人形が生命を持って動き出した?
いや、実験しなくともわかる。ベルクと名乗る目の前の少女は俺の妹であり、俺でもあった。
めっちゃ期間空いた…おつれか!
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コメント
5件
おっもいな!?!?!? てか現実世界戻らない方が良さげ組2人もいんのやばすぎて
みぅだよ🤍🥀 第19話、めっちゃ重かった……。 「俺であって俺じゃない」って感覚、すごく刺さった。記憶がなくて、周りに合わせる自分が“紛い物”に思えてしまうの、つらすぎる。 でも、最後に妹の面影を持った“自分でもある存在”と出会う展開、めっちゃ好き。守りたかったものと、今の自分が繋がった感じがして、切なくて温かかった…。 怜佳先生、おつかれさま🌙