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結局、じゃぱぱ、どぬく、ヒロの三人、そしてサポート役としてなおきり、るなちゃん、えとさんの3人が付き添い、計6人でハウスの近所へ繰り出すことになりました。他のメンバーはハウスで情報収集を続けることに。
「みんな、いってらっしゃーい!」
ゆあんくんが、手を振って見送ります。
ハウスを出て、まず向かったのは近所のコンビニです。短い距離とはいえ、三人は普段以上に周りの視線が気になる様子。特に、男性だった頃の自分を知っている近所の人とすれ違うたびに、ドキドキしてしまいます。
「大丈夫だよ、みんなこっち見てないから」
るなちゃんが、そっとどぬくの腕を掴み、安心させようとします。
コンビニの中では、飲み物やお菓子を選ぶ三人。しかし、ふと生理用品のコーナーが目に入り、ヒロがそっと目をそらしました。その様子に気づいたえとさんが、何も言わずにさりげなく商品棚の陰に立つなど、細やかな気遣いを見せます。
レジで会計を済ませ、コンビニを出た三人には、小さな達成感が芽生えていました。
「なんか、ちょっと疲れたけど…でも、行けてよかったかも」
じゃぱぱが、少しだけホッとした表情で言いました。
ハウスに戻ると、他のメンバーが「おかえりー!」「どうだった!?」と出迎えてくれました。
「ちょっと緊張したけど、無事に行ってこれたよ!」
なおきりが報告すると、みんなから拍手が起こります。
この日の午後の「お出かけ」は、大きな出来事ではありませんでしたが、じゃぱぱ、どぬく、ヒロにとっては、女性の体として外の世界に触れる、初めての小さな一歩となりました。少しずつでも慣れていくこと、そして仲間がそばにいてくれる安心感が、彼らの「全うする」道程を確かに進めていくはずです。
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