俺はいつの間にか家の前に立っていた。
俺は役立たずなんだから心配かけないようにしないと
とくに咲希には
そう思いドアノブに手を掛けた。
「ただいま〜」
「お兄ちゃん!おかえり!心配したんだよ?結構遅かったから…。」
「そうか…。すまない!咲希。」
「お兄ちゃん。何かあったの?」
「?!いや?なにもないぞ!」
「嘘!ぜ〜ったい何か隠してる!!」
「…ねぇ。お兄ちゃん。強がらなくていいんだよ?ちゃんと辛いことは吐き出さないとダメ!」
「…ありがとう。咲希。」
あぁ。暖かいな。こんなことを言われるなんて。でも、俺はお兄ちゃんだから…。
「お兄ちゃん。いつも頑張らなくていいの。たまには妹に頼って欲しいな。」
頼っても…いいのか?嬉しいな…
「咲希…ありがとう。実はな…」
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咲希side
「えー!!なにそれ!信じられない!」
「だからやめてきたんだ。」
「辞めて正解だよ!あんなところ!」
「ふふ。咲希は優しいな。」
お兄ちゃん…。辛かったよね。気づかなくてごめんね。
お兄ちゃん…笑顔じゃないな…。酷いよ…
「お兄ちゃん。教えてくれてありがとう!みんなに相談してみる!」
「へ?相談って?」
「ふふ、なーいしょ!!」
「そ、そうか…。」
やっぱり、笑顔じゃない。
笑顔だけど、本当に嬉しい時の笑顔じゃない。
アタシには分かる。だって兄妹だもん。
「お兄ちゃん。少し休憩してくれば?夜ご飯まだ食べれないでしょ?」
「あぁ…ありがとう!俺は本当に幸せだな!優しい妹をもって!」
「も〜う!お兄ちゃんってば!」
許せない。許さない。お兄ちゃんから笑顔を奪った人達。
コメント
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いやー良いですね最高です! 続き待ってます!