テラーノベル
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右足を前に左足も大きく前に動き出す。息を思いっきり吐く。味が悶えたとしても私は走るのをやめられない。どうして彼に追いかけられるんだよ…何もしてないよね…そんな事を脳内で流されていく。すると海に浮かぶように僕の身体は浮かんだ。ふらりふらりと逃げたい相手から近付いてしまう。マジカルペンを仕舞う姿は獲物を捕らえ終えた肉食魚のようだ。
「ジェイド先輩…」
息が荒い。転んだかのように少しでも先輩から離れようとする。しかし、巻き付く腕は離れられない。
「やっと落ち着きましたね」
海中の闇から姿を現した。
にこにこと不敵な笑みを浮かべる。
「この追いかけっこ、僕は好きですよ。貴方が僕の事しか考えられないじゃありませんか?ふふ、今も瞳は僕しか映し出されてませんね」
愉快に高笑いするように彼は話し出した。彼の動向の意味を捉えようと聞く耳を傾けるもますます意味が分からないまま。
「…あの…ジェイド先輩。なぜ、僕を追いかけるんですか?僕が何をしたと言うんですか?」
「…はぁ…気付いていないんですね。僕がそんな監督生さんの周囲にいる海藻のような存在だとは…しくしく」
「しかし、それなら分からせないといけませんね」
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おほほほほ