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まぁ、過去なんて振り返るだけ無駄だし。
スマホの着信音が流れる。
電話…?誰だろう、…みことちゃん以外ブロックしてたと思うけど。
「…!」
“いるまちゃん”…。
高校に行った時話した人。あんまり人に連絡するとかそういうタイプじゃないと思ってたのに。
まぁいいや、今はみこちゃんにらんらん任せてて暇だし。
『はい、もしもし』
『あっ、すち。久しぶり』
『用件は?』
『お前まじで淡々としてるな…。普通ちょっと世間話とかするもんだろ』
『そんなの無駄な時間じゃん』
『こんなでも俺より頭良いから腹立つわー…』
『俺より頭良い人なんて高校に居ないんだから大丈夫。』
『うわ…。それで用件なんだけどさ。』
『今度中間テストあるじゃん?それの勉強教えてくんね?』
…まじか。俺他人に勉強教えるのとか得意じゃないんだけど。
ここは断ろうか…、いや。
いるまちゃんってらんらんの____。
『…いいよ。その代わりにお願いがあるんだけど』
『せんきゅ、お願いって何だ?』
『それは当日になってから話す。』
『なんだお前1番怖いやつじゃんそれ』
『で、日にちは?』
『あー…明後日とかどう?』
『分かったぁ。誘ってくれてありがとう』
『絶対思ってねぇわ…。』
『じゃあねぇ。』
ブチッ
「…っはぁ…」
いるまちゃんと話すのあんま好きじゃないんだよな…。
…現実が分かっちゃうから。
いくら権力や金で塗りつぶしたって、「そうだった」という事実は残る訳だし。
でも、今回の機会はなかなか無い。
きっと優しいいるまちゃんなら話してくれるでしょう。
過去の話を。
( …落ち着け、すち。)
らんらんと俺は、血が…繋がってるんだから。兄弟なんだから、今までずっとそう思ってきたから。
だって、!らんらんが生まれてから俺はずっと一緒にいた。こんなの、血が繋がってる以外なんて言うの?
らんらんと繋がってるのは俺だ。
**___**いるまちゃんなんかじゃない。
「…らんらん、楽になった方がいいんやない?」
「、、、。」
「あれっ、聞こえとるかなぁ?らんらーん?大丈夫?」
そうやって俺の頬をぺちぺち叩いてくる。
ふざけんな。この爪誰のせいだと思ってるんだよ。
( なんて言えないけど…。 )
…みことはなんでこんな人になっちゃったんだろう。昔はいつも俺の味方になってくれたのに…!やっぱり…、俺と居たから?
みことまで頭がおかしくなっちゃったの?
「…っ、、、。」
そうだ、みことの両親がいくらおかしくても。みことが優しすぎたから。
俺と仲良くなんてしたから。もっと普通に暮らせていたら…。みんなに愛される優しくて暖かい人になれたかもしれないのに。
「っ…? らんらんのその顔…あんまり好きじゃない。」
_____。
『俺はらんらんの今の顔好きじゃないっ!』
『俺はらんらんにずーっと笑っといて欲しいもん!』
『らんらんの笑顔が1番やよ! ( 微笑』
『…らんらんは、俺じゃダメなんやね。』
『そっか、!』
_____。
「ごめんね、みこと…。」
「…は?」
「何それ、っ?らんらんまで俺を可哀想にする気なん?」
…あのみことが取り乱してる…?
こんなの初めて見た。
「俺が関わっちゃったから…、みことは」
「やめて!!!それ以上言わんといて、!』
みことが耳を塞ぐ。その瞬間、やっとみことの顔が見えた気がした。
今まで怖くて見れなかった。
ご機嫌そうな声。調子の良い性格。
それが全部嫌いで…。
…昔のみことに重ねていたんだ。
不安そうな声で、周りの人の頼みは断れないお人好し。本当は俺より、よっぽど__。
そんなみことが大好きだったなぁ。
「ねぇ、戻ってきてよ。」
一緒にいたら、安心できた人。
「…っ、違う!こんなはずじゃなかった、!」
「そんなこと、言わせるつもりじゃっ!」
「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違うっ!!!!!!」
そう叫ぶとみことは、俺の首を絞めてくる。
「っう、…は、、!…みこ、と。」
『これだけは忘れないで。』
『今のみことが、過去の俺を殺したこと。』
「…。」
この事実は絶対にらんらんには言わない。
もう彼奴らも居ないし、いるまちゃんだってきっと知らないだろう。
…ただ、みことちゃんが不安だけど。
あの人は頭がおかしいから。例え自分に利益が無くても、人が傷つくことをする気がする。
あの…、自分が傷ついても人を道連れにする感じが好きじゃない。昔っから。
全然理論的じゃないし、根拠もない言い分が嫌い。ただ、らんらんからの信頼が俺より高かった。その事実が有るから。
あの人はもう俺らの敷地に入ってこれてしまう。
『らんらんっ、! ( 微笑』
「らんらん ( 笑」
どうして?
昔のあの人みたいに、常に笑顔で接してるつもりなのに。
らんらんが俺を好いてくれない。
…そんなことを考えてる時点で、無理なんだろうな。
俺があの人に敵うわけ無かった。
過去のみことちゃんは、沢山の人を殺すんだから。