こんばんは。
この短編集のいいねが100を超えました!
本当にありがとうございます✨
嬉しいです。
今回のお話は転生の要素が含まれています。
注意事項
地雷さんや苦手な方はそっと閉じてください
この作品はご本人様と何一つ関係ありません
コメントをする際には批判ではなくアドバイスをしてください。
それでは楽しんでいってください!
叶さん視点。
《お兄ちゃんありがとう!》
笑顔で手を振っている女の子。
大きな麦わら帽子に白いワンピース。
小さな手で抱えたひまわりの花。
絵に書いた用な夏の格好だ。微笑ましい。
僕は今月からこの花屋で働いている。
記憶がない僕に優しくしてくれたおじいさんのお店だ。おじいさんは足が悪くお店を続けられないという相談を受け引き継いだのだ。
お店の名前は「ロトの花束」で黒い猫がモチーフになっている。お客さんも優しく仕事も僕に合っていてとても居心地が良い。天職だ
花に水をやっていると後ろから声をかけられた。
「あの、この花束ください。」
『大切な人へのプレゼントですか?』
「いや、そういうわけじゃ…」
『あっすみません。気にしないでください』
「はい、すんません、、」
なんだか気まずくなって花束をさっと渡す。
その人もそそくさとお店を出ていった。空気を悪くしてしまった。もっと気をつけて話さないとな。
その人は綺麗な黒髪で赤黒い目の男の人だった。恋人へのプレゼントなのか?でもそれにしては重い花言葉もある。亡くなってしまったのかな。
花束の花は、
赤いバラ一本…私にはあなたしか居ない。愛しています。
白いチューリップ四本…失われた愛。あなたを一生愛し続ける。
紫のアネモネ一本…あなたを信じて待つ。
黒いユリ一本…呪い。
なんだか複雑そうだ。でもきっとあの人にとってはまっすぐな思いで大切な人だったんだろうな。
それから1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と時が流れた
あの人は決まった日に来る。
恋人の月命日だと前に教えてもらった。
名前は葛葉さんと言ってすごく話しやすいいい人だった。可愛くて面白くてどこか懐かしい。僕は葛葉さんに惚れんでいった。でも関係はただの店員と客の1人で住んでいる場所も年齢も何1つ知らない。でも距離を縮めてはいけない気がした。前の恋人を思っている葛葉さんを傷つけることになるから。失礼なことだから。そう思って自分の気持ちに蓋をした。
葛葉さん視点。
今日はカナエの月命日だ。
そしていつも行く花屋で今の叶に会って4ヶ月
最初は心臓が止まるかと思った。
覚えてるか?久しぶりだと声をかけそうになった。でも叶は俺を覚えていなかった。当たり前だ。昔のカナエと今の叶は別人で俺のことは知らなくて。悲しくなって視界がぼやける。 このままだといきなり泣き出した不審者になってしまう。そう思い足ばやに店を出た
あの時の約束を覚えていたのは信じていたのは俺だけだった。150年前のあの約束を。
馬鹿みたいだ。必死になって探して、勝手に傷ついて。俺は泣き叫びながらカナエの墓にすがりつくことしか出来なかった。
それでも俺はあの花屋に通った。
覚えてなくてもそばに居たいの一心で。
その後は、墓で泣くの繰り返し。
俺は何してんだろうな、、、、、、
叶さん視点。
今日は仕事終わりに海へ散歩に行くことにした。涼しくて冷たい風が気持ちいい。
しばらく歩いて帰ろうとした時にかすかに声が聞こえた。僕の大切な人の泣き声が。
気の所為かもしれない。でも急に不安になって会いに行かなきゃいけない気がして声のする方にひたすら走った。
そこには泣きながらお墓にすがりつく葛葉さんがいた。日本らしくないおそらく海外のお墓に。慌てて声をかけるが振り返った人は僕の知っている葛葉さんではなかった。
白が混じった腰まである長い銀髪。
赤くて宝石のような目。
尖った耳に八重歯。
ポロポロと涙をこぼしていて今にも消えてしまいそうで儚くて気づけば僕も涙を流していた。
白いユリ、教会、2人の少年、そして僕の隣にいる人が葛葉さんの姿と重なる。
「何見てんだよ、カナエ。」
『いいえ。なんでも無いですよサーシャ。』
バチバチと目の前が弾ける感覚がして正気に戻る。あぁそうかそうだったのか。
『忘れててごめん。ただいまサーシャ。』
僕は泣きながら微笑んだ。
はい!
ここまで読んでくれてありがとうございます
こういう感動系のお話が大好きです。
以上きい。でした(*‘ω‘ *)
コメント
2件
まじで泣ける🥲🥲🥲主さんの作品全部大好きです😭😭