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モブ有
ぼんやりとしていたらいつの間にか時間が過ぎていて次は体育の授業だ。
「雲雀?ちゃんと授業聞いてた?」
「おん。レバーと弟切草やろ?泡泡になったやつ」
「ちがうよ。レバーとオキシドールね。」
「有機物?」
「たんぱく質。」
「そうやったな。」
「はぁ…。ほら、体育だよ。ひば楽しみにしてたもんね。」
「あー。おん。」
「今日は合同だから、四季凪と美園も一緒じゃん。」
「ま⁉」
何かが起きそうな予感…。
さっさと着替えて体育館に向かった。
「今日先生いないらしいぜ。」
「まじかよ、体育の授業で先生いないのは終わってるだろ。」
「なんか急激な腹痛に襲われたらしい。」
「それは…。医者に行った方がいいな。」
体育館につくと先に来ていた人たちがそんなことを話していた。
あーこれってもしかしなくても…。
『私の力です。』
だよなぁ。
『まぁまぁ。ストーリーに問題はありませんから。』
「今日はバレーやるぞー。」
体育委員の人が仕切っていく。
なんというリーダーシップ。
「すげぇな…。」
「え?ああ。まあこの学校は生徒のリーダーシップを育むみたいな目標あったし。」
「そんなんあんのかよ。」
体育委員の人の指示に従い、パス練やサービスの練習を行う。
「奏斗うまくね?」
「そこそこはね。ひばもいい線行ってんじゃない?」
「なんか上から目線やなぁ…。」
「www」
次は試合を行うらしい。
集合をかけられ、チームを分けられた。
「お、一緒じゃん。」
「あ、よろしくお願いします。」
アキラと同じチームで少し安心する。
知り合いいない体育って結構あれやからなぁ…。
「じゃあ、1と2の人たちは試合初めて。」
今度はバレー部の人たちも仕切り始めて感心する。
「俺ら5だからまだまだやね。」
「そうですね。あ、あなたのお友達は2っぽいですよ。」
「え、まじ!?」
2チームに奏斗を発見して手を振る。
「奏斗―‼がんば~!」
「おーう‼」
奏斗も手を振り返してくれる。
「…。二人は、付き合ってるんですか?」
「いやまったく。」
「そうですか。すいません、変なこと聞きました。」
「いいって。」
ホイッスルが鳴り試合が始まる。
奏斗うまいなぁ。
めっちゃスパイク打つやん。
そういやセラおはどこのチームなんやろ?
…あ、9?
誰とも当たらんとこやな。
「なあ、アキラ。」
「どうしたんです?」
「バレー得意?」
「人並ですね。」
「むずいよなぁ。ローテーションとか忘れがちやわ。」
「あー。たしかに。」
そうですね。と言ってアキラが微笑む。
なんか、楽しいな。
アキラと話すのは普通に楽しい。
だから、気づくのが遅れた。
「っ‼‼危ない‼‼」
「ひば‼‼‼」
「!?」
レシーブをミスったのか速い球がこちらに向かって飛んでくる。
俺がよければアキラに当たる。
だが、防御をする時間もない。
もう眼前に迫っている。
思わず目を瞑った。
「雲雀‼‼‼」
バシン‼‼とすごい音がする。
痛く…ない?
「っ⁉」
「大、丈夫?」
俺に覆いかぶさるようにしてセラおがいた。
「せら、セラお‼どうしよ、俺のせいで…。あきら、どう、したら…」
「落ち着いてください、」
「っでも、でも…」
「渡会‼」
「っ」
「美園、一回動くな。風楽は先生をだれでもいいので呼んできてください。」
「わかった。」
奏斗が走っていく。
「せらお、どこ打った?」
「?俺は美園聡だけど…。」
「あ、美園。どこうった?」
「頭?」
「先生が来るまでは横になっていてください。」
「アキラ、ありがと…。」
「いえ。ただやはり体育の授業に先生がいないとあれですね…。」
ざわざわとしている周りをアキラがなだめ、一回整列させる。
「あなたは美園のそばにいてください。」
「わかった。」
アキラが離れていき、指示を出す。
「美園、ごめんなぁ。」
「雲雀のせいじゃないよ。みんな一生懸命やってただけだし。俺は雲雀にけがしてほしくなかっただけ。雲雀も一瞬四季凪のことかばったでしょ?それと一緒だよ。」
「ひば‼美園‼」
奏斗と先生がやってくる。
ちょうど保健の先生がいなかったらしく、加賀美先生が来た。
「美園さん、どこ打ちましたか?」
「頭?です。」
「どういう状況だったか覚えてますか?」
「えーっと、ボールが飛んできたので雲雀をかばったらぶつかりました。」
「なるほど…。」
加賀美先生が氷を取り出す。
「いったんこれで冷やしてください。意識を失うようだったり、吐いてしまった場合はすぐに医者に行ってください。痛みがひどい場合もですよ。」
「わかりました。」
「教員は誰も来なかったんですか?」
「はい。」
「そうですか。…学校としてどうなんでしょう…?」
なんかごめんなさい。
胸が痛んだ。
そんな俺に気が付いたのか奏斗がやってくる。
「今回のことは雲雀が悪いわけじゃないからあんま気にすんなよ。僕らが試合に夢中になりすぎてただけだし…。」
「奏斗も悪くないやろ。」
「でもさ、」
「お二人とも。これは学校側に非が全面的にありますので、自分を責めないでください。」
「「はい」」
「ねぇ、俺次試合なんだけどやっていい?」
「「「「だめに決まってるだろ(でしょ)!?」」」」