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黒炎の瞳に隠れた獣

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黒炎の瞳に隠れた獣

6 - 先の未来は獣次第(前編)

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2024年10月05日

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「・・・・・・・・。」


全ての事後処理を終えたカルドが、ソファに座りながら、向かいのソファで意識を失い眠っているオーターを見つめていた。

見つめているその目には、先程のようなオーターの身体を貪っていた時のギラギラした凶暴さはなく、静かで憂いを帯びていた。


(どんな手を使ってでも君を手に入れる、そう決めた。だからそうした。なのに何故満たされないんだろう。・・・いや、そんなものはとっくに分かっている。ただ一方的な行為だったからだ。)


「・・・はは。」


力なく笑いながら、カルドは自身の髪をクシャリとかき乱した。


(『体だけなんて虚しい』なんて言葉があるけれど本当だな。)


「好きなんだ、オーター。君のことが。」


カルドが苦しそうに呟く。

すると、


「・・・・・ですから、何故それを初めに言わないんですか、バカルド。」

「!?・・・オーター。」


いつの間にか目を覚ましていたオーターが思いにふけっていたカルドに言った。

そして、薬の効力が切れたらしい体をなんとか動かしながら身を起こした。

が、その拍子に、


「いっ!」


と短い悲鳴を上げ腰をおさえた。カルドに無理矢理開かれた身体が悲鳴を上げたのだ。


「オーター!」


カルドが慌てて痛みに顔を歪めるオーターの元へと駆け寄る。

そして手を伸ばし触れようとしたが、それより速く、



パン!




オーターがカルドの頬を平手打ちした。







黒炎の瞳に隠れた獣

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