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〈ななっし~視点〉
「なっ、ななっし~しゃん!さもしゃん、さもしゃんが!」
雨の日、彼女は泣きながら俺にすがってきた。
「さもしゃんが…死んじゃいそう…」
〈おどろく視点〉
「おはよう、なのだ」
おどろくの挨拶に、誰も返事しなかった。
席とか教室の隅で、ひそひそと何かを話されている。
[あいつ、左門先輩のこと好きだったらしいぞ?]
[は?あいつなんか無理だろ]
[あいつがいたせいで、先輩虐められちゃったらしいよ?]
[え、やば、近づきたくない…]
もうやめて
私が悪くて良いから
守れなかったのは事実だから
私が邪魔だったから
「あ、おどろくちゃんじゃん、久しぶり。」
帰り道、何故か懐かしいその声が聞こえた。
凸先輩?
凸先輩は一年前、家庭内のトラブルとかなんとかで、二ヶ月だけ私の中学校に転校していた人だ。
「もう三年生だっけ?受験勉強とかどう?」
「うーん…まあ、ぼちぼちなのだ」
「…なんか元気なくない?」
…凸先輩は変なところで勘が良い。
「全然元気なのだ!先輩こそ最近どうなのだ?」
こうなったら無理矢理話題を変えるのだ。
「と言われても…あ、俺じゃないけど、さもさん今度俺たちの学校転校してくるんだよね。」
その言葉に、おどろくは内心ドキッとする。
ななっしさんにさもさんのことを教えたのはおどろく。ななっし~さんが連絡くれたからもちろん知ってる。
「そ、そうなんだ!」
「おどろくちゃんも久しぶりにさもさんに会いたくない?」
その言葉に心臓が冷える。
「………あ、あー…おどろく、しばらく忙しいから無理なのだ。」
「そっか、まあ受験生だし、仕方ないよな。行けそうだったら教えてね。」
「じゃ」と、連絡先を交換した後、先輩は手を振って去って行った。
もちろんおどろくも手を振り返した。