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「お兄ちゃん!!」
「「「えええぇぇぇ!!!」」」
その場にいた彼女以外が驚いていた。
全く身に覚えがない。僕はこの子の
兄じゃない。それは確実だ。
だが彼女は一向に離れない。
アーサーに助けを求めるが、思考が
停止していて役に立たん。
どうするべきか。
「ラーシャ!どこですか~!」
遠くから聞こえた声はとても通った
声だった。その声の主は高く結んだ
青髪の青年。
ラーシャ、この少女の名か。
彼は僕に抱きついている彼女を見るなり
引き剥がす。…修羅場か。
「ラーシャに近づかないで下さい」
いや、知るか。大体そっちから
抱きついてきたのに。
「そっちこそ、その娘を想うのなら
その扱いはどうかと思うぞ」
「貴方ごときが私に楯突くのですか」
面倒なヤツだ。このまま一発
殴ってやろうか。
「あの~….」
「「あぁ?!」」
「ヒッ….!」
話そうとしたアーサーを黙らせる。
「ジューダ、怖がらせたらダメだよ」
「す…すみません」
「お前らはどういう関係だ」
僕はジューダを睨みながら問う。
ラーシャは楽しそうに、
「ただの家族だよ」
と、答える。訳がわからない。
家族?なら何故敬語なんだ。まあ、
そういうこともあるか。
「ひとまず村に入れてくれ」
「うん!いいよ!!」
「ラ…ラーシャ?!」
ジューダがあからさまに困惑する。
何かあるのだろうか。
「良いじゃない。ね?」
この少女はずっと楽しそう だな。
「それじゃあ、案内するね!
そこの男の子もだよ」
「え…あ..うん」
ラーシャはアーサーに、 にっこり笑って
そう言うと スキップしながら
歩いていった。