コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
この世界には能力がある。この能力には、歳なんて関係ない。
0歳の頃から能力を持っている者、逆に死ぬまで能力に目覚めなかったもの、様々だ。しかし、この能力を使えるのは適合した者しか扱えない。適合できなかった者は、その能力に耐えられず、自我を忘れて暴れまわる。これを不合者と呼ぶ。
__________________________________________________________
ここは、沖縄。望花はずっとそこをさまよっていた。
しかし、とうとう限界を迎えてしまい、倒れてしまった。そこへ…
杏耶「おい…おい!!。おめぇ大丈夫か!?。」
杏耶がきて、必死に声を掛ける。しかし、応える様子を見せない。
杏耶「クソ。一回こいつを詰め所に!!。」
杏耶は息を荒くしながらも望花を抱いて必死に走り、やっとの思いで詰め所に来た。
杏耶「はぁはぁ。おい。広斗!!、遥花!!すまねぇが来てくれ。」
杏耶は叫んだ。自分、一人じゃ何もできないと思ったんだろう。
遥花「なんですか。杏耶兄さん。」
広斗「どこ行ってたんだ。杏、急にどっか行きやがって。」
広斗はそう言って来た杏(キョウ)とは杏耶のあだ名だ。広斗はそう言いながら杏耶に目を向けると幼い女の子を連れていることに気がついた。
広斗「ってその嬢ちゃんどうしたんだ。顔色が悪いじゃねぇか。」
遥花「私の部屋が一番近いので一旦私の部屋に。」
杏耶「あぁ。」
杏耶は望花を抱え廊下を走り、遥花の部屋に来た。広斗は、たらいに水をためて持ってきた。遥花の部屋で寝ている望花は、しんどそうな顔をしていた。杏耶はその望花を見つめ(しんどいだろうな。)と思いながら額を撫でていた。すると、望花が起きた。その後すぐ起き上がろうとしたが、ふらついてしまった。
杏耶「大丈夫か!?。まだ熱が下がってねぇんだ。まだ休んどけ。
そう言って杏耶は望花を布団に寝かせた。
杏耶「大丈夫だ俺らはおめぇに危害を加えるようなことをしない。約束する。」
広斗「あぁ。」
その事を聞いて少し落ち着いたようだが、杏耶は望花の不安そうな眼差しが気になりながらも聞いた。
杏耶「お前の名前はなんだ?。」
広斗「おいおい。杏、この子は、熱があるんだ。質問は熱が下がってからにしろよ。」
杏耶「そうだったな。悪い。」
そしたら、急に望花が起き上がり口を開いた。
望花「…望花。うちの名前は、福原望花。」
広斗「あぁ。そうか。今は、無理しないでいいんだぞ。」
遥花「そうですよ。」
望花「別に大丈夫です。答えられる限りは答えます。」
そして、広斗、杏耶、遥花は色々な質問をした。
広斗「じゃぁ。親御さんはどうした。」
望花「いないです。父は、私が生まれてきて数日後、殺され、母は、不合者になってしまい…。なのでどちらもいません。」
広斗「そうか。すまねぇな。嫌なこと思い出させてしまったろ。」
望花「大丈夫です。」
遥花「あの次は私から聞きたいことがあるんですが…。そのあざなんですか?。」
遥花が袖からはみ出ているあざを指差し聞いた。しかし、そのあざを逆の手でおさえ下を向いてしまった。
遥花「あ。すいません。嫌なら言わなくていいんです。ただ、あざ、とても広かったので……。」
望花のあざは、腕だけでなく腹部と背中、足にまで広がっている。
望花「大丈夫です。」
望花は、顔を上げ腕をおさえながら言った。
杏耶「おい。望花ほんとにおめぇは、大丈夫なのか。嫌なら言わねぇでいい。おめぇがつれぇ思いするんだったら俺らは聞きたくない。」
そう言って望花を肩に寄せ抱きしめた。
杏耶「安心しろ。別にお前が俺らが聞いたことを全部答えないといけないわけでもねぇ。」
そう言いながら望花を抱きしめながら撫でた。そして、望花は静かに泣いていた。
望花「ありが…とう…ございます。」
望花が泣き止んだ後、杏耶が言った。
杏耶「おめぇ行くとこねぇんだろ。ここに居てもいいぞ。なぁ広斗。」
広斗「あぁ。だが、部屋が準備できるまでは、誰かの部屋に居てもらわねぇとだぞ。」
遥花「なら。私の部屋でいいんじゃないですか。」
広斗「それもそうだな。」
杏耶「おいおい待て待て。部屋がどうこうじゃなくて、先に望花がどうするかだろ。」
広斗「あぁ。そうだったな。」
杏耶「はぁ。で、望花は、どうしたい?。」
望花「…少し、時間をください。」
広斗「あぁ。焦って決める必要もねぇからゆっくり決めろ。」
遥花「それなら、もう夕暮れ時なのでお風呂に行きましょう。近くには、温泉があるんですよ。」
広斗「そうだな。俺は、飯を作るとするか。」
杏耶「俺は、書類をまとめとくな。」
広斗「え!!。あ、あの勉強嫌いの杏が書類を!!。今日は、雨でも降るんか。」
杏耶「うっせぇな。最近、サボってたから溜まってんだよ。面倒くせぇ。」
そんな、会話をクスクス笑いながら見ていた遥花が口を開いた。
遥花「熱も下がってきたようなので望花さんも一緒にお風呂入りません?。服なら私が準備しますよ。今日くらいはここに泊まっていけばいいですし。」
望花「なら。お願いします。」
遥花「はい。わかりました。準備したらここに来るので待っててくださいね。」
望花「あ、あの。ここは何階ですか。外って、どうしたら見れますか。」
遥花「ここは、一階です。あと、その奥の襖を開けたら外を見ることができますよ。今日は、暑いですからね。好きな時に換気していいですよ。」
__________________________次回に続く___________________________