テラーノベル
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「なんで僕…?」
僕は疑問が口から出てしまったことに気づき、咄嗟に言い訳を考えたが、冷静な彼女は気にした風もなく…
「高橋先輩の文化祭前日のスピーチを見て一目惚れしました。」
一切感情のこもってない言葉に圧倒されつつも頭の中で繰り返した。「スピーチを見て…」ってことは完全に真白のせいだろ!?真白は何か勘違いをしたように見ていたが確実に真白の責任ではないか!?それに…噂によると夜桜さんには婚約者がいたような…
「あ…あの、夜桜さん。」
「香澄で結構です。」
呼びづらっ!その上告白した相手に結構ですは確実に罰ゲームか何かで無理に告白しましたみたいな感じでしょ…まぁ、彼女の『心の声』を聞いてしまえば楽だ。その前に聞きたいことは聞いておこう。
「夜桜さんには婚約者がいるんじゃないの?」
夜桜さんの肩がピクリと震えた。これは…厄介なパターンだ。絶対嫌な展開になるに決まっている。『心の声』は…
(婚約者のこと知ってたんだ…)
そこに驚くのか…だが僕は更に驚くことになる。
(婚約者が宝泉潤也様というのもご存知かしら…?)
(え!?)
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