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「まあ皆さん、これでなんとなく現在消息不明の4人のことは分かった……というか話せることがなくなったんで、分かったことにしてほしいんですけど。皆さん的に今後何したらいいか意味不明な現状ですよね」
「そこまで教えて下さるとありがたいのですが」
「じゃあ教えますけど、てか教えろってあのクソ尼から言われたので教えますけど。とりあえず、皆さんの目標はここから脱出することだと思います。でも、そのためには黒幕である”上”をなんとかして無力化しなきゃいけない。ここまでは流石に平気だと思います」
「めっちゃなんとなくだけどね……小指とかで意味不すぎて脳の整理が追いついてないし」
「いいですよ別に、俺以外で現状をしっかり理解してる人いないと思うんで。でまあ、何すればいいんだろうって話なんですけど、ちょっとリークすると上は今貴方達を完全に殺すために動いてます。つまり、今から三週間後の第三ゲームで参加者+裏切者を殺すつもりなんです」
「つ、つまり誰を殺しに来てる?」
「あんたら三人と、実は生きてる天神大台、そしておそらくネームドを殺せる能力を保持するmessiah。ambitionは現状不明ですね」
「神視点でも分かんねえの?」
「あの人、上を裏切る行為も協力する行為も両方してましてね。殺したいけど殺したらまずい、みたいにどっちつかずな感じなんですよ」
「もしかしてこっから誰をどうするためにみたいなのは教えて」
「あげませんよーだ。そこをなんとか考えてもらうのが面白いんでしょうが。今ただでさえhappy様観察日記の更新が滞ってるから、娯楽がなくて困ってるんです。さっさと俺の酒のつまみになってください」
「じゃあ俺はこれにておさらばー」
blossomは風のように去っていった。
「いなくなっちゃいましたね」
「今後について会議でもするか?」
「何話せばいいんだろ……」
「やはり今後戦闘は避けられないでしょう。なので、それの対策と、誰と戦うかとかも話したいですよね」
「天神たちは探しに行かねえの?」
「生きてはいるらしいけど、実際どこにいるのか……見当もつかなくない?」
「案外見当はつきますよ。例えば、今私たちがいるフロアって、私たちはかなり探索しましたし、全く知らない部屋はなさそうですよね」
「まあそうだよね。一応二人の部屋も見てきたけどいなかったし、なんか手掛かりになりそうなやつもなかったよ」
「ですので、私達がいる階にはいなさそうですね」
「後は、第一ゲーム終わった時あいつら居たよな、だから第一ゲームの会場にはいないか」
「だとすると、第三ゲームの会場か最下層か……それともネームド専用の部屋的なところにいるかも。生きてるのに飛ばされてきてないってことだし、なんか特殊なところにいるのかもよ?」
「一応、最下層には本来ネームドしか入れず、我々参加者は入れないところなのですが、おそらく上の誰か、または特定のネームドに出会っていれば最下層に行けるのかもしれません」
「俺は第一ゲーム終わってから最下層にずっといたからなんとも言えないが、一時期体乗っ取られてたことあったし、それ関連だと思う」
「私がなぜ最下層に行ったかはわかると思いますが」
「私もそれだよね」
「つまり、あいつらも最下層にいるって可能性が一番高いか」
「え、でも壁壊したんじゃないの?」
「俺は多分第二ゲームで言うとB、つまり、真ん中からAに向かって撃った。だからCの方は壊れてない」
「天神さんと大台さんはおそらくCの方に配属されていると考えられますから、最下層にそのまま落ちてきていても無傷な可能性はあります」
「じゃあ探すなら最下層?」
「てかさ、お前たち二人は第二から最下層に落ちてきたんだろ?そん時第三ゲームの会場っぽいところに着いたか?」
「言われてみれば、私たちが落ちていく最中に発見できませんでしたね」
「じゃあ第三ゲームの会場って」
「最下層……ってことかもな」
「ではなおさら最下層に行きたくなりましたが、今は封鎖されてそうですね」
「……いや、待って。Cの方は壊れてないんだし、なんとかしてCに行けたら、天神たちの所に行けそうじゃない?」
「確かに、Cだけ通ればネームド達もいないかもな」
「その肝心の方法が分からないのでは?」
「うーーーーーーむ……ここから下になんとかして降りれないかにゃあ……」「猫であることを思い出してるな」
「下に俺のレーザーぶっぱしたらだめなのか?」
「それだー!てかそれ以外思いつかない!」
「あの、おそらくですがCを狙って撃つとなると、丁度私たちの部屋がある廊下を破壊しないといけなくなるでしょう。ですから、下に撃つと部屋が壊れる可能性が高く、危険性が高いです」
「えー、いい案だと思ったんだけどな」「ちょっと脳みそ筋肉すぎましたね」
「でもさ、あくまで直感だけど、なんとかして下に行ける方法はありそうじゃない?」
「じゃあ隠し通路みたいなのがあるのか?」
「確かに、現に衣川さん辺りはネームドでしたし、ここから最下層に行くこともあったかもしれません。その時用の通路などがあってもおかしくはないですね」
「そしたら、衣川の部屋とかが怪しいかな?」
「個人的に気になっているのは、既に亡くなった方々の部屋。特に、輝煌グループが黒幕的な存在と仮定した場合、輝煌貴志さんの部屋はかなり怪しくないですか?」
「そういえば、CD内で輝煌グループがなんちゃらかんちゃらって話あったんだっけ。したら、もう死んでるけど黒幕みたいな貴志は怪しいかもしれないな」
「てか、もしかして小指の部屋もあるんじゃない?」
「あー、なんか存在してるらしい幽霊君か。そこはお前が見てくれないか、もしかしたら幽霊がそこにいるかもしんないし」
「そだね」
「私は貴志さんの部屋を見ておきます、木更津さんはそれ以外の怪しい方々の部屋を見ておいていただけませんか」
「おっけー、物探すのは下手だけど頑張るわ」
*
俺は衣川の部屋についた。
扉を開けてみて驚いたが、彼の部屋には何も置かれていなかった。
机やベットなどの初期からあった家具以外に、彼の私物とみられる物や服さえも見当たらなかった。
俺が探すのが下手すぎるせいか、なんて思って何度も探してみたが、残念ながら本当に一つも見つからなかった。
一旦誰かに報告しようと思い、若干信用に欠けるが何か協力を持ち掛けてきそうな指揮にそのことを報告した。
「衣川の部屋なんだけどさ、誇張なしで一つも物がなかった。初期からある家具を除けば、私物っぽいのは一個もなかったし」
「そうですか……かなり怪しそうではありましたけれども。ただ、もしかするとネームド達にも部屋があるのかもしれませんし、そちらに物を置いている可能性はありますね」
「そっか、何かと参加者とネームドって対比してるし、部屋があるかもっていうのはありそうだな」
「しかも、私たちはCの方に部屋がありますし、同じくCにネームドの部屋があるかも」
「そしたら、やっぱこの部屋がいっぱいある地帯が怪しいよな。……指揮の方は、何か収穫はあったか?」
「木更津さんが持っているCDのようなものを発見しましたよ。タイトルは『神化人育成プロジェクトに関するスピーチとその記録』……おそらく、今私たちが置かれている状況が神化人育成プロジェクトだと仮定すれば、これはかなり重要なCDになるでしょうね」
「そうだな、指揮はそれを見てくる感じだったのか?」
「ええ、それ以外に目ぼしいものは置かれておりませんでしたし、正直暇なので。木更津さんは、花芽さんの部屋とかも見といてください。彼女も、今思えば参加者同士で殺しを行った初の人物ですし、怪しいと言われれば怪しいので」
「分かった。なんか女子の部屋って緊張するなー」
*
ちょっと緊張しつつ花芽の部屋を開けた。
どうやら普通に物はあるが、小説とかの本で、あまり最下層と繋がってはいなさそうだった。
じゃあ報告しに行くか、そう思って部屋を出ようとした時、ほんの少しクローゼットが開いていることに気付いた。
クローゼット自体は支給されているもので、特に細工は施されていなさそうだったが、そのほんの少しの隙間がどうにも気になった。A型が発揮されている貴重な瞬間である。
久しぶりに好奇心が湧いてきて、少しそこからクローゼットを開けてみたいと思うようになった。
いやいや、女子のクローゼットを開けるのってヤバいだろ、と思う気持ちもあるが、死人に口なしだしよくね?という気持ちもあり、最終的に後者になった。
というわけで、そっとクローゼットを開けてみてかなり驚いたのだが、そこには服が一着もかかっておらず、クローゼットの壁紙が半分はがれていた。
しかも、普通クローゼットにある引き出し的なものも取っ払われていて、明らかにはがれかけの壁紙のための細工としか思えなかった。
壁紙もわざとはがれているのではと思うほど不自然で、明確な怪しさを誇る空間だった。
好きだった女子の部屋に入れたことで気持ちがハイになっていたので、思いっきり壁紙をはがすと、薄暗い空間にずっしりとそびえている階段が見えた。
そう、これはおそらく隠し通路だ。そう確信した俺は真っ先に指揮の元へ向かった。
「指揮!ビッグニュースだ。花芽の部屋のクローゼットから、下に続く階段を見つけたぞ!」
「え、本当ですか?そんなことがあるんですね、とても驚きました」
「……でもさ、普通に考えてなんで花芽の部屋から……?」
「まあ、少なからずネームドと繋がっていたのでは?貴志さんを殺したのも、それが関係しているかもしれません」
「でも、ネームドからしたら神化人育成プロジェクトを出したのは輝煌グループだろ?なんで貴志を殺せってなるんだろ」
「とにかく、今は隠し通路が見つかった、という事実だけを見ましょうか。猫手さんにも報告しましょう」