「火災」
第二話
𖤣.𖥧.𖡼.⚘
「ねえあれ。。火事?大丈夫?」
スノーが不安そうに聞いた。それもそうだ。やばい。早くしないと炎がこっちまで来てしまう。
「スノー。急いで。絶対に逸れちゃだめだぞ!」
「え、リーフ、ちょっと待っー
僕は彼女の手首を掴んで、急いで逃げた。何で山火事が起きるんだ?事故か何かで火が広がってしまったのか?それともー
『誰か』が意図的にやったのか?
いや、今はこんな事考える暇はない。炎は簡単に広がっちゃうんだ。何せ、こんなに木が密集してるからな。僕は頭が真っ白になりながらも、大切な妹の手を握りながら走った。彼女を守る意思だけが僕の体を動かしていた。
「リーフ!と、止まってくれない?」
スノーが震えた声で僕に聞いてきた。こんな時にどうしたんだ?
「。。。何言ってるの?だめだよ!あの炎がこっちまで来ちゃうよ!」
その時、彼女が足を滑らせて転んでしまった。地面に顔を叩きつけ、そのまま動かない。
「なっ。。大丈夫!?」
僕は急いで彼女の手を取る。
「痛い。。」
しまった。僕が走るのが早すぎてペースに合わせられなかったんだ。。スノーの顔は土まみれになっていて、膝からは血が出ていた。彼女の目は涙が今にも出そうなほど潤っている。僕のせいだ。もっと遅く歩ければ良かったのに。
「スノー、ごめんー
「早く行こう!大丈夫、こんなの全然痛く無いもん!」
彼女は涙ぐんだ目を擦りながら必死に立ち上がり、僕の手を握った。その行為に僕は勇気を貰ったような気がした。
「ありがとう。」
僕は頷いて、今度はスノーが転ばないように気を付けながら森の中を走った。後ろを振り返ると煙がもうすぐそこまで来ている。この炎の広がり方、明らかにおかしい。さっきは向こうの山にいたのに。絶対に風のせいなだけじゃない。やはり誰かがやったって事なのか?
僕はハッとした。こんな事考えてる場合じゃない。今は逃げるのが優先だ。そう思って、僕はその怒りを胸にしまった。
僕は何回も木の根を足に取られそうになりながらも、速度を落とさずに駆けていった。しかしー
「ゴホッ。。。煙臭い!」
まるで白い霧のような煙が僕たちを包み込む。ついに追いつかれてしまった。辺り一面が真っ白だ。何も見えない。
「スノー!ちゃんと手繋いでるよね!?」
「うん。。。でも、全然前が見えない。。。」
どうしよう。ここで止まるわけにも行かない。でも障害物があったら転んでおしまいだ。
「わッ!!」
。。。ん?
スノーが叫んで、いきなり僕の手を離してしまった。
僕が後ろを振り向いても、やはり見えるのは煙だけ。
「スノー?」
返事が聞こえない。僕の声は煙で掻き消されてしまう。
「スノー!返事。。してくれよ!」
僕は震えた声で彼女の名を呼ぶ。クソッ。。!こんな時にはぐれるなんて。
𖤣.𖥧.𖡼.⚘
追記 本当は半分ぐらいの文章が保存されなかったので書き直しました泣 でも結構アレンジできたからまあいいですかね。。。
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