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今はまだ寒い、春になるちょっと前、カエルが顔を出す季節です。


ある小さな森に、小さくて、まんまるで、青っぽい色をした、不思議なミミズクがいました。

そのミミズクは、他のミミズクと全然違う見た目をしています。

そのためミミズクは、仲間のミミズクに、仲間はずれにされてしまっていました。


梅のつぼみが少し見えてきた日の朝、そのミミズクは、梅の木の枝で眠っています。


夜になって、ミミズクはやっと目を覚ましました。

お腹のすいたミミズクは、木からふわっとおりました。するとそこには、白いきのこが生えていました。

白いきのこ:おなかがすいているの?

ミミズク:うん、昨日からなんにも食べていないんだ

白いきのこ:それなら…

そう言って、白いきのこは菌糸を通じて、情報を駆け巡らせます。

白いきのこ:見つけた!今日の穴場は、遠いわよ。ここから西に向かってずっと進んでいくと、小さい池があるわ。

そこの近くに木の実が生えてて、ネズミがいっぱい群がってるわ!

ミミズク:ありがと!今日は、お腹いっぱいになれるかなあ


ミミズク:すっごく飛んだなあ… あ!あった!小っちゃい池!

ねずみ:美味しい木の実!もぐもぐ、おなかいっぱいだぁ

ミミズク:可哀そうだけど…、食べなきゃ死んじゃうからね…。よーし、いけーー!



ミミズク:美味しかった。おなかいっぱい、ねずみさん、きのこさん、ありがとう

…あれ、?あっちの方に、不思議な山みたいな所がある。


ミミズクは、ほとんど霧でおおわれている、不思議で綺麗な、山みたいな所へ、向かいました。


しばらくして、不思議で綺麗な、山みたいな所へ、つきました。


ミミズク:なんか、不思議な感じがする。

へんだな、不思議ないいにおい。それに不思議な色の霧で、よく見えないなあ

あれ、…うーん、なんだか眠くなってきちゃった、あそこの木の上で寝よう…


次の日の朝。

ミミズク:ふあー!よくねた。のどがかわいたな。

ぱたぱた、と木から降りる

ミミズク:あれ…?なにこれ、綺麗な泉だな、いろんな色に反射してる。夜は、なかったのに

ミミズクの前にあったのは、キラキラしていていろんな色に反射している、小さな小さな泉。

喉がかわいてしかたなかったミミズクは、ひとくち、泉の水をのんでみた。


ふわふわして、ぱちぱちして、身体にいきわたっていくかんじがする




あれから、どれくらい経ったのかな

気が付くとミミズクは、身体に違和感を感じました。

ミミズク:えっ、羽がいっぱいぬけてる、どうしよう、何かの毒?

ミミズクが驚いて体を動かすと、バサバサとたくさんの羽が体から落ちてしまいます。

怖くなったミミズクは、ぽろぽろ泣き出してしまいました。すると、


きれいなお花:わ…!綺麗な羽ねぇ

ミミズクはびっくりして、驚いて声のする方を振り向きました。綺麗なんて言われたのは初めてだったし、なにより自分は羽が抜け、無様な姿になっているとばかり思っていたからです。

ミミズク:えっ、綺麗…?えっと、ぼくの身体は、どんな風になってるの?

きれいなお花:えーっとねえ。

しっぽの先が群青色で、上の方はやさしい水色と、もっと上はほんの少し黄色っぽくて、きらきら輝いているし、羽の先の白もとってもきれい!まるで朝焼けみたいねぇ

びっくりしたミミズクは泉に駆け寄って、泉に映る、自分の姿を見てみました。

きれいなお花に言われたとおり、本当に綺麗な姿が映っています。光の加減で羽が三角みたいな形のキラキラが付いているようにも見えます。


けれど、そんな綺麗な姿なのにも関わらず、ミミズクはものすごく不安な気持ちになりました。


ミミズク:こんな姿じゃ、またみんなに仲間外れにされちゃうよ。悲しい…綺麗なのも素敵だけど、みんなに仲間外れにされるくらいなら、こんな姿じゃなくて、もっと普通になりたいよ!

きれいなお花:そんな風にいわないで。そんなにきれいな羽が嫌だなんて。その仲間外れにして来るほうがいけないのよ。

そういう子たちは、みんなあなたが羨ましいだけなのよ。

みんなそれぞれ、同じようで違うんだから違う見た目で、だめなわけないじゃない

ミミズクはその時、自分がこぼした涙の場所から、小さくてきれいな、群青色のお花が咲いていることに気がつきました。

ミミズクは思わず、

ミミズク:え、こんなところにこんな綺麗なお花、さっきは無かった。

とつぶやきました。

綺麗なお花:うふふ、そうよ。あの泉の水を飲んだでしょう?

その泉の水は、命の力をいっぱい含んでいるの。あなたの羽も、私の身体の色も、あなたの涙から生えた、そのお花も、

その泉のおかげなの。この世界は、この小さい泉が動かしてるって言ってもいいくらい。自然の摂理を、整えてるわ。

ここに来れたってことは、あなたも、それに選ばれたってことね。

ミミズク:えっ、てことはぼく、なんかすごい、良い感じってこと?

綺麗なお花:ええそうよ、自信をもってね。

ミミズク:そうなんだ、嬉しい!何をしたらいいのか分かんないけど、なんかかっこいいね!

綺麗なお花:ええ、そうね。あっ、アオイヌシメジさんからの伝言だわ。

…あなたは多分人間担当だから、特に大変な仕事になると思う。人間はそれぞれみんな良さが全然ちがうの。ほとんどが

危険な生き物って、考えておいた方がいいわ。

ミミズク:えっ、仕事…?不安だなあ…何をするんだろう。でも、少しわくわくする!

綺麗なお花:本当に、頑張ってね。人間の世界に行ってみたら分かるわ。私たちも、頑張るから!

ミミズク:わかった、、頑張る!バイバイ、本当にありがとうね!


ミミズクは、不思議な森のみんなに見送られながら、人間のすみかに、向かっていきました。

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