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『魅惑の相棒関係』上


都内の高級ゲイストリップショーは会員制でキャストにある一定数以上のチップを払うとショー後にビルの最上階にあるVIPルームでキャストと過ごせる。

客は必ず仮面をつけているから正体は分からないが、きっと俺と同じ汚い金稼ぎの殺し屋か変態趣味の政治家だろう。

今回の新人はなかなか珍しいタイプだった。初々しさもあり、色気もあるなか幼さも感じる少年だった。キャストは必ず成人しているから勿論彼も成人しているのは確かだろうが、不意に見せる表情は青年と呼ぶよりも少年が相応しい。

金髪のツン、とした表情に朧花色の着物姿の彼が金髪という派手な見た目とはかけ離れた初々しさで帯を解く瞬間を皆息を飲んで舌舐めずりしたに違いない。

ショーだけを楽しんでいた客たちも彼のストリップショーに釘付けでチップの数も今まで見て来たキャストの中でダントツだった。

──今日はこの子を食べたい。──

かつてないほどの巨額をチップに変えて払うと今夜のVIPルームは俺に決まって高揚感を剥き出しにしてショーを出て最上階の許された人間のみ踏み入れられるVIPルームに向かった。

高級ホテルのスイートルームのような大きな部屋に、あからさまな大きなベッド。値段の張るシャンパンとフルーツ盛りも注文して準備は万端だ。

部屋の扉が開いて煌めく舞台の、手を伸ばしても触れられなかった距離にいた彼が入ってきた。近くで見ると10代後半の特有の危うさを感じて、顔立ちも俺好みだ。

「お酒は飲めるかな?」

「はい。今日はありがとうございます。・・・ずっと俺のこと見てたから、直接会いたかったです」

「あはは。新人では有り得ないチップを払う皆んなに負けないように奮発してしまった」

こっそり注いだシャンパンに睡眠薬を入れてショーで着ていた質のいい着物姿の彼に渡すとニコリと微笑んでくれた。

──今日はこの生意気そうで無知なガキをめちゃくちゃにしてやるぞ〜♡和服姿を犯すの楽しみ♡睡眠姦無責任中出しレイプ♡動画も撮って脅して性処理奴隷確定〜♡──

「ところで、職業は何をしてるんですか?」

こちらの思惑なんて知らない愛らしい彼が可愛らしく小首を傾げて聞くから肩に手を回して抱き寄せると「おっと」と俺の胸元にさりげなく触れる。

「俺、殺し屋なんだよ」

「!・・・へぇ。殺し屋って、存在するんですね」

「ああ。俺は組織の中で幹部クラスで優秀な殺し屋なんだぞ」

だから下手な抵抗をしたらお前なんてすぐ殺せる、とでも言うように肩を掴む力を加えると彼は目を細めた。

「組織って・・・名前はあるのか?」

「ああ、もちろん。だけど君に話したところで分からないさ」

──アールグレルなんて組織を表の人間が知る訳、

「なんだよ。雑魚組織じゃん」

まるで夢から覚めたような気分だ。猫撫で声だった彼の声が地を這うような低い声に変わって「え」と驚く前に彼は緩やかに口角を上げる。

ショーで見てきたような色気のあるものではない。悪人のような、笑顔に俺はゾッとした。

「とりあえずハズレだな。お前、さっさと帰れよ」

「・・・は?」

人格が入れ替わったかのように彼は素っ気ない素振りでシャンパンのグラスをテーブルに置いた。

帰れだと?お前に幾ら貢いだと思っている?組織の金も横領して払ったチップだぞ?タダで帰る訳にはいかない。せめて彼をレイプして、その後いっそ殺してしまおうと考えると彼はクスッと笑った。

「お前に俺は殺せねーよ」

「っ、ンだと」

何故彼が俺の考えていることが分かるのか理解ができなかったが、そんなことより俺は今怒りで興奮している。スーツから銃を取り出して彼に構えると一般人なら泣いて媚びるのに彼は平然としていた。

「テメェぶっ殺──」

やけに落ち着いた様子の彼に俺は銃の引き金に手をかける。その瞬間、視界がブラックアウトしてその場から倒れた。



「またハズレだな〜」

平然と転がった死体を眺めながらボヤくシンくんに僕は呆れたように溜め息を溢す。

「結構殺し屋多いしターゲット来ないね」

「しらみ潰しに地味にやるしかねぇか〜」

素面に戻ったシンくんはストリップショーで見せていた艶やかな表情もなく、気怠げで粗暴だ。

殺連の最高機関『ORDER』のメンバーである僕とシンくんはバディ関係で二人で一つの仕事をする。今回のターゲットは殺連を裏切って闇オークションで稼いだ金をこの高級ゲイストリップショーに使う殺し屋組織のリーダーの抹殺だ。

顔写真は裏切った男が殺連のデータをハッキングして防犯カメラなどの映像も全て抹消したから僕らに与えられた情報は組織の名前と男の名前のみだ。

「着物疲れた〜・・・着替えて下のラウンジでビール飲まね?」

「期待の新人ゲイストリッパーが真下のラウンジで酒飲んだら怒られるよ。それに今日はこの後集会だ。ほら、さっさとフローターに連絡してホワイトタワーに行くよ」

シンくんがゲイストリッパーとして潜入して誘き寄せた男からターゲットを探す、という案を出したのは僕だ。最近のシンくんは人に魅せる仕草をショーで覚えて殺し屋の潜入なんてなければ間違いなく売れっ子ストリッパーになっているだろう。

血がベッタリついた六徳ナイフをそこらへんの布で拭いてからケースにしまうとシンくんは早々と着物の帯を解く。

ストリップショーでもないのに自然と視線を追ってしまう指先、ショーの為に体重を落としたと話していた通りに以前よりも細身のシンくんの体は見ていて心配になる。

「この仕事終わったら体力戻せるの?」

「は?ナメんな、余裕」

ジトリと睨む僕に対してシンくんが中指を立てながらクローゼットからクリーニングされた黒スーツ一式を手に取った。

スーツに着替えたシンくんとタクシーでホワイトタワーの最上階に向かうと既にORDERのメンバーは揃っていた。

「なんや、朝倉ほんまにゲイストリッパーの潜入捜査しとるんか」

「はい」

今回の仕事は長期になりそうだから、ある程度他のメンバーも仕事内容を把握している。神々廻が前菜のカルパッチョをフォークで突きながら驚いているとシンくんはどこか誇らしげに笑う。

「俺って潜入捜査向いてるのかも。な、南雲」

「・・・どうだか」

最近、どうもシンくんが他の人と話しているのを見ると無性にイライラすることがある。シンくんを犯そうとする男たちを毎日見てるからかもしれないけど、癖で殺しそうになることが増えた。

「客は全て汚い金をチップに変えてる変態かぁ。エスパー使って本物かどうか見極めるの、大変そうやなぁ」

「そんなことないっすよ。ちょっと演技すればすぐ本音を考えてくれるからラクっす」

「演技?」

ペラペラと余計なことを喋ってしまうのはシンくんの悪い癖だ。椅子から立ち上がったかと思えば神々廻に近付いて皆んながいる前で神々廻の膝上に跨る。髪を耳にかけて小首を傾げる姿は数秒前までに見せていたシンくんではなく、色気のあるストリッパーに変わって神々廻も三白眼を丸くして驚く。

「コラ朝倉ァ!テメェこんな場所で変なことすんじゃねェ!殺すぞ!!」

「わっ!す、すみませんっ」

大声を張り上げて怒鳴ったのは豹で、シンくんは慌てて離れて「すみませんでした」と神々廻に頭を下げて自分の席に戻る。

「あっぶなー・・・。そんな気ぃないのに客やったらころっと騙されそうや」

未だに驚きを隠せずに感嘆の声を上げる神々廻にシンくんは「へへ」と照れ笑いをするから僕は内心苛立ちに駆られながらそっぽを向いた。







殺連が用意したタクシーに乗り込むと隣にいたシンくんが僕をジッと見るから「なに」とぶっきらぼうに聞く。

「お前、機嫌悪くね?」

「別に?」

「・・・あんなん演技だし、この前も別の客としてんのお前見てたじゃん」

あれは仕事中だったから黙って見ていたし、結局ターゲットではなかったから殺した。だけど今回はノリノリで神々廻に媚びるように、ストリッパーのようにしたのが僕は気に入らなかった。

エスパーを使っても僕の思考は読めないようにしてるけど、シンくんは僕と一緒にいるうちに何となく考えていることが分かるのか「嫉妬深いバディだな」と小さく笑う。

「なぁ、このネクタイ、南雲がくれたやつなんだけど似合ってるか?」

「・・・」

「新調した革靴は似合うか?」

「・・・」

「どれも気に入らないか」

心配もしているのにシンくんはいつも無謀なことをして僕を不安にさせる。今日こそは簡単に許してやらないぞ、反省してもらうぞと決意を硬くしているとシンくんはなかなか絆されない僕に唇を尖らせた。

「仕方ない。・・・じゃあ思い切って着けてみた下着も気に入らないかもな」

「・・・下着?」

徐にネクタイを解いてシャツのボタンを外し出すシンくんの胸元に無意識に視線を移す。黒スーツの堅苦しい姿に反してシャツの下から見えたのはレースをあしらった透けているキャミソールだ。

「なっ・・・!」

一体いつ着替えたんだ、と驚いていると不機嫌そうだった僕の表情が崩れたのを見逃さなかったシンくんは僕に顔を近付ける。

「勿論下も・・・女の子仕様なんだけど、今の南雲には気に入らないか」

残念、とあからさまに溜め息を溢してシャツのボタンを付け直そうとするシンくんの腕を掴んだのはほぼ反射的だ。

顔を上げたシンくんの無防備な唇にキスをすると作戦通り、と意地悪な笑みを浮かべたシンくんが僕の背中に手を回す。バックミラーの運転手の視線なんて気にしないとでも言うように貪り合うようなキスをしてシンくんを押し倒した。



僕とシンくんがバディ関係になってセックスをするようになったのは最近だ。お互い殺し屋だし、下手に女性関係を作るくらいならシンくんとセックスした方がラクだし何より気持ちいい。

体の相性がいいのはシンくんも同じなのか頻繁に僕らはセックスする関係になった。最初はお互い性欲を満たすため、だったのに今の僕は完全にシンくんき恋をしている。

早く僕のものにしたいのに、今回の潜入捜査では見知らぬ男にハニートラップをするような仕事だから提案したのは僕だけどかなり複雑だ。

──さっさとこの仕事終わらせてシンくんに告白しよう。──

タクシーで一回、ホテルに着いて三回セックスをして疲れて眠るシンくんの寝顔を見れるのが日々の幸せだった。

「ん・・・」

「シンくん、もう朝だよ」

お互い朝は得意ではないけど寝起きのシンくんを見れるなら早起きも悪くない。頭を撫でてあげながら声をかけるとシンくんは溜め息を漏らす。

「今日もゲイストリップの仕事・・・」

「うん」

「・・・行きたくないな」

ポツリと呟いた言葉はシンくんの本音だろう。気丈に振る舞っているけど心身を擦り減らしているのは僕も気付いていたから「うん」と返した。

「ショーで俺を見る奴らの思考が気持ち悪くて毎回吐きそうになる」

「シンくんが嫌なら別の作戦を考えようよ。これ以上は変な客がつくだけかもしれない」

これ以上シンくんが他の客に接近するのを僕も見てられない。頭を撫でて提案をすればシンくんはゆっくりと体を起こして首を横に振った。

「ごめん、つい愚痴った」

「シンくん・・・」

「あとちょっとやってみようぜ。なんかあっても南雲が何とかしてくれるんだろ?信じてるぜ、相棒〜」

我慢して無理してしまうシンくんが心配で何か言わなきゃいけないのに僕から離れてシャワーを浴びに行ってしまう。

「相棒・・・か」

相棒とはセックスしないでしょ、と言いかけたけど僕は深い溜め息を溢してシンくんの温もりを探すようにベッドに寝転んだ。




『魅惑の相棒関係』下


恋なんて無縁だと思っていた俺は南雲与市という男に出会って全てが変わってしまった。



ストリップショーで着る着物はいつも南雲が選んでくれていた。仕事の時はいつも黒スーツだし、休みの日は殆ど家にいるからタンクトップにジャージ姿という壊滅的ファッションセンスの俺を見兼ねたらしい。

「今日、今まで以上の客の入りだって」

「へぇ。なんで?」

「噂の新人ストリッパーのおかげじゃない?・・・あ、ジッとしてて」

舞台から客席なんて距離があるから多少分からないのに南雲は念入りに俺に化粧を施す。

「化粧しなくていいだろ」

「スポットに当たると顔色とか結構分かるんだよ。キスマも隠さないとだし」

「それはお前が悪いだろ」

肩のキスマークはコンシーラーで隠してチークもされて頬が赤く見えるようになった。南雲が俺の顎を指で掬い、真剣な眼差しでティントを塗る姿は距離が近いせいかドキドキする。

──顔、いいな。こんなイケメンが何で俺とえっちする関係なんだろ。──

女性関係は殺し屋にとって面倒なものだからと以前話していたけど、それにしても殆ど毎日俺と体を交える南雲は飽きないのだろうかと疑問を抱く。

「よし、完璧。今日の顧客リストも目を通してね」

「ああ・・・って言っても殆ど偽名登録されてる名簿と今まで払ったチップの金額しか分からないんじゃ意味ねーよ」

「ターゲットはかなりここを気に入ってるからそろそろ見にくるよ」

そもそもターゲットが大量のチップを払ってVIPルームという完全個室に連れて行くほど俺を気に入るかも分からない。

渡されたタブレットで顧客リストを流し見していると南雲がジッと俺を見つめていることに気付く。

「?・・・ンだよ」

「いや?別に」

首を傾げると南雲はすぐに俺から目を逸らすから余計に不思議だ。

──ちょっと弱音吐いたから気にしてんのかな。──

好奇の目で裸体を見られて、エスパーで読み取る思考たちは俺を犯す妄想や陵辱する妄想ばかりで最初こそはトラウマになりかけた。だけど俺は殺し屋でORDERのメンバーのひとりなんだからこんなことで潜入捜査を失敗したくない。

何より、バディ関係である南雲に迷惑をかけたくない気持ちが強かった。

──決めた!今日仕事終わったら告白する。いつまでもエッチするだけの関係なんて嫌だ。──

セックスしていくうちに南雲に惹かれて恋をしてしまったなんて俺らしくない。だけどこのまま体の関係だけでズルズル引き摺っていくのは嫌だった。

──南雲はどう思ってんのかな?エスパー使っても全然読めないんだよな〜。俺のこと好き・・・だったら嬉しいな。──

「あれ?チーク濃すぎちゃったかな?頬がいつもより赤いね」

「っ」

悶々と考えていると突然南雲が顔を覗き込んだから体がビクッと震える。大きな手が俺の頬に触れるから心臓が更に煩く鳴って慌てて離れた。

「何でもない!控室が暑いだけだ!そろそろ行く!」

「?・・・そう」

──あっぶね〜・・・てか顔近かった。南雲はいつも通りだし、やっぱ俺の片思いなのかもなぁ。──

これから仕事なのにこんな浮ついた気持ちじゃいけない、気を引き締めようと自分に喝を入れる。舞台袖まで南雲が後ろについて来てくれたから「じゃあ、行ってくる」と言えば後ろから頭を撫でられた。

「うん、頑張って」

──そうだよ。俺が頑張らないと。──

ターゲットに気に入られるようにする、二人だけになれる完全個室のVIPルームまで連れ込んで殺す。俺はスイッチをオンにするように深呼吸をしてから舞台に立った。

男たちの視線が俺に集まる、薄化粧をしている艶やかな唇に釘付けの男や俺の体付きを舐めるように見つめる視線と思考を感じる。

帯を解く仕草、指先さえ淫靡に見えるようにすれば恍惚な溜め息を漏らす音が聞こえた。

『ほう、これが噂の新人か・・・。なかなかいいな。今夜はこの子と楽しもうか』

──来た。初めて見る客か?一番前のVIP席の男・・・コイツ怪しいな。──

着物を着崩したまま四つん這いになって男に目線を送ると目が合ったからか仮面の下でニヤリと笑うのが分かる。


最上階のVIPルームの扉を開けると仮面を外した40手前の男が待っていた。想像通り、あの時VIP席で俺を見ていた男は小柄でブランド物のスーツと高そうな時計を身に付けていて一般人ではないのが一目瞭然だ。

『近くで見てもアリだな。金をたんまり貢いだから何でもしてもらうぞ』

上から下まで俺を品定めするように見つめる男は「やぁ」とやらしい妄想をしながら平然を装うから俺も笑みを貼り付ける。

「今日はありがとうございます」

「僕はここの常連なんだけどね、オーナーに今までで一番可愛い子がいるから観てくれって言われたんだ」

──まっ、そのオーナーは俺たちが脅して買収したけどな。──

潜入捜査に関わる以上邪魔はされたくないから多少強引な手を使って常連客を呼び込むように脅した。

「軽く食事をするかい?それとも、もう始めていい?」

「あ・・・っ、えっと・・・ちょっとお話ししたいです」

腰に手を回して俺をベッドに座らせる男はこの先のことしか考えていない様子で舌舐めずりしながらスーツのジャケットを脱ぐ。

「いいぞ。俺の何が聞きたい?」

「じゃあ・・・普段何してる人なんですか?」

程良いスキンシップも忘れずに男の手を握りながら聞くと男は口角を上げて「殺し屋だ」と答える。そして人差しと中指を立てて銃に見立てて俺の額に当てるから反射的に素面に戻りかけた。

「わぁ、怖いですね」

「ふっ。安心しろ、こんな可愛い子殺さないよ」

わざとらしく戯けて見せると男は満足そうに笑って俺の隣に触って背中の帯に触れてくる。

「実は今怖い連中に狙われててね。ストレス溜まってたから君みたいな子に癒してもらいたいんだ」

「怖い連中?」

「ああ。殺連って知ってるかい?少し離れた場所に大きな建物があるだろ」

何も知らない無垢な性格を装うと男はペラペラと身の上話しをしてきた。「そういえばありますね」と曖昧に、それでいて大した興味もなかったから気付かなかったと言うような素振りをする。

「アイツら、つまんねぇんだよ。アイツらと契約しなければ金はたんまり手に入るし何をしていい。近いうちに仲間と海外に行くんだ、さすがの殺連も追いかけないだろ」

「・・・へぇ。ところで仲間ってことは組織でもあるんですか?」

ドラマや映画みたい、と俺が興味を示せば男は喜んで「ああ」と頷いて顔を近付けた。

香水とタバコの匂いが混じって気分が悪くなりそうだ。思えば何故南雲は香水もつけていないのに抱き締められるとあんなにいい匂いがするんだろうと頭の中でぼんやりと考えた。

「あるぞ。ロイズって名前の悪〜い組織だ」

『こんなガキに俺たちの組織なんて分かる訳ない。さっさとハメてぇ〜』

「・・・最後に名前教えてください。その、する時に名前を呼びたくて」

資料通りの組織の名前に高揚感を抱きながら恥じらう素振りを見せると男着物の帯を解いてきた。

「いいぜ。俺の名前は────だ」

「ビンゴだ、南雲」

男が名乗った瞬間、俺は素面に戻って南雲の名前を呼んだ。「え」と男が何か言う前に南雲が背後に回って六徳ナイフで男の首を切る。

いつ見ても完璧な殺し方で惚れ惚れしてしまう。首を落とされた男の体がフローリングに転がるから俺は構わず男のスーツジャケットからスマホを取り出した。

「殺連に連絡してスマホの中身を解析して仲間たちも芋づるで引き摺り出すぞ」

「うん。やっと潜入捜査も終わったね」

一先ず俺たちの仕事はこれで終わって俺もこれ以上ストリップショーに出なくていいことの安堵感で溜め息を漏らす。

「おつかれ、シンくん」

「ああ。南雲もいろいろサンキューな」

演技は元々苦手だったけど南雲のお陰で何とか様になったしストリッパーなんて本当はしたくなかったけど南雲が舞台袖で見守ってくれているから何とかやり過ごせた。

「久しぶりに飲みに行く?」

──南雲からのお誘い!──

少し照れながら、目を逸らして誘う仕草は南雲らしくないけど俺は嬉しくて「行く」とベッドから出た。

「じゃあ下のラウンジで飲もうぜ」

「え〜?まぁもう辞めるからいいか」

「決まりだな。着替えるから先に下で待っててくれ」

「分かった」

高揚した気持ちが顔に出ているのか南雲が苦笑しながら「なんか楽しそうだね」と俺の頭を撫でてから部屋を出ようとした。

「南雲」

「ん?」

「後でその・・・話ある。大事な、話」

髪を耳にかけながら熱くなった顔のまま言えば振り返った南雲はポカン、とした後に「うん」と頷いて部屋を出る。

──告白するんだ!も、もし南雲も俺が好きだったら付き合うのか・・・?相棒でもあって恋人でもある南雲・・・最高かも。──

想像すると口元がニヤけてしまうから俺は手早く着替えることにした。フローターにも連絡したからベッド下に転がっている死体はすぐに処分されるだろう。

クローゼットを開けてクリーニング済みのスーツを取り出していると部屋の扉が開く音がした。南雲が何か伝え忘れたのだろうか、と俺はクローゼットを閉じて「南雲?」と声をかける。



最近殺連が手回ししてストリップショーに潜入していることを知った俺は影武者を雇うことにした。

殺連にはORDERという他の殺し屋よりも強い殺し屋がいる組織があるらしく、そいつらが俺を探しているらしい。

まさかストリッパーとして潜入しているとは思っていなかったが結果は大当たりだ。

黒髪長身のイケメンが部屋を出たのを確認してから別部屋で待機していた俺と幹部が部屋の鍵を壊して侵入すると「南雲?」と呼びながら金髪の青年が顔を出してきた。

幹部の男と二人がかりで彼を抑えて暴れる彼の口元に予め仕込んでおいた睡眠薬がたっぷり染みた布を押し付ける。

すぐに危険だと感じた青年は焦燥するも次第に力が抜けて気を失った。横抱きにして影武者の死体を蹴りながらベッドに放ると幹部がカメラを用意する。

「へぇ、こんなガキがORDERねぇ。こりゃ騙されるわ」

「おいちゃんと撮影しておけよ?コイツは今からヤク漬けで性奴隷になるオモチャなんだから」

組織を嗅ぎ回る面倒な殺し屋たちだと思っていたが彼は少年のような幼さもあって、そして顔立ちも可愛らしい。このまま殺すのも勿体ないし薬物なしじゃ生きていけないほど壊してしまおうと考えて体に跨る。

「その可愛い顔で何人を誑かして殺してきたんだ〜?ン?」

陶器のような滑らかな頬を軽く叩きながら聞くと幹部が笑うから俺も声を出して笑う。

着崩れた着物姿で非常に犯しやすい姿に俺は興奮して体を丸めて細身の彼の上半身を舐める。程良く鍛えられているが体の線が細く、ストリップショーで見ていた淫靡な姿が目の前で俺が触っていることに優越感を覚えた。

薄紅色の乳房にしゃぶりつくと彼の肩がピクンと震えて初々しい。上半身を舐め回して下着を脱がすと陰毛が生えていない綺麗な下半身だった。

「こりゃノンケも勃つわ」

履いていたズボンと下着を脱いで彼の眼前にグロテスクな陰茎を晒す。陰茎が眼前にあって、尚且つ撮られているなんて知らずに眠る彼が可愛らしくて薄く開いた口に陰茎を捩じ込む。

「あ〜♡最高♡」

暖かい口内で陰茎を奥まで挿れると眠っていた彼が悩ましげに眉を寄せる。頭を掴んで前後に揺らすと喉奥でヒクついて先端が刺激されて気持ちいい。

「コイツの口、ケツマンコすぎる。お前も後でやれ」

「あ、いいんすか。実はこういう奴をグチャグチャにするの趣味なんだよ」

幹部も悪どい趣味を持っているみたいで口角が歪む。何度か前後に揺すって射精する寸前に陰茎を抜き取って顔射した。

「おー久しぶりだからいっぱい出た〜♡やっぱレイプが一番興奮するわ」

用意していた媚薬入りローションを手に取って彼の反応してない陰茎と秘部に擦りつけると彼の頬が紅潮して可愛らしい声が漏れ出る。

「ん・・・」

「寝ながら感じてるとかヤラシー♡」

ローションで濡れた指を無遠慮に秘部に押し込むと即効性の媚薬が効いているからか、敏感に彼が反応した。

「薬も追加してやる」

途中で起きられても面倒だから意識を混濁させる薬を彼に飲ませて秘部に指を入れて掻き回す。

「あ゛っ♡ぁっ、〜〜ッ♡」

「ナカで気持ち良くなってイッたか。随分とヤラシービッチだな。ちゃんと教育してやる」

勃起した彼自身を空いた手で擦るとすぐに絶頂を迎えて彼の体が痙攣する。彼自身を擦りながら足を開かせると秘部からトロトロとローションが垂れて俺を誘っているみたいだ。

「たーくさん可愛がってやるからな♡」

昂った陰茎を挿入して善がる彼を想像するだけでまた射精しそうになるのを堪えて濡れた秘部に陰茎を当てがう。

挿入する寸前、パッと部屋中の電気が消えて真っ暗になった。停電か、と声を出そうとしたら撮影していた幹部の叫び声と血の匂いが鼻を掠める。

「──お前が本物か」

「ヒッ」

背後から刃先を当てられて殺気だけで気絶しそうになる。地を這うような低い声の男に俺は反射的に両手を上げた。

「金か・・・?それともコイツが欲しいのか?組織が管理してる金庫に金は幾らでもある!お前らに全てくれてやる!だから俺を──」

「黙れ」

左胸がじんわりと熱くなるのを感じる。手探りで触れると刃物が刺さっていて俺は暗がりの部屋で倒れた。




電気が点いて目を開けると南雲が俺に覆い被さって銃を額に当てている。最悪な目覚めだ、と冷静に考えていると「君はさ」と南雲が切り出した。

「出会った頃から早死にしそうなタイプだった」

「失礼だな」

「今回も、枕の下に銃を隠していたとは言えレイプされそうになったんだよ?あまりにも自分を大切にしてなさすぎる危険な行動だ」

静かに怒りを露わにする南雲を見るのは初めてで、俺はぼんやりと南雲を見ながら「うん」と相槌を打つ。

「君はもう、ひとりじゃないんだよ。ORDERの一員で、僕の相棒なんだから」

「うん」

手を伸ばして伸びた黒髪に触れると南雲の大きな瞳と目が合う。その表情だけで、なんだか南雲の本心が痛いくらい伝わって胸の奥が締め付けられた。

「俺の代わりに南雲が俺を大切にしてくれるじゃん」

「そんなこと言って僕の機嫌が直るとでも?」

「本当のことだ。なぁ、俺たちって本当に相棒だけの関係かな?」

自然と声が震えてしまうのは今になって犯されそうになっても寝たフリをした記憶が蘇ったからだ。早く南雲に上書きしてもらいたい、南雲がいなきゃ俺はもう生きていけない体になっているんだ。

「・・・どういうこと?」

「俺は南雲が好きだよ。南雲は?俺のこと・・・きら──」

言いかけて、南雲の唇で言葉が塞がれてしまった。背中に手を回すと啄むようなキスをされて体がジンジンと熱くなる。

「好き、大好き」

「っ」

「もう2度と、あんな危険なことさせないから」

耳元で南雲が囁くたびに体が熱くなって、両思いだと知った嬉しさもあって俺は更に興奮する。息が荒い俺の背中を撫でて抱き上げた南雲に「今ここで抱いて」と懇願するも早足で部屋を出た。

「なぐも」

「媚薬でしんどいのも分かるけど、流石に死体が3体転がってる部屋で両思いだと知って初めてするエッチはやだよ」

──た、確かに。──

直通のエレベーターに乗り込んで降りていくなか、俺はとあることを思いついて「じゃあさ」と南雲の耳元に顔を寄せる。

「──車のなかでえっちしたい」

1秒たりとも待てないから普段言わないようなことを呟くと南雲が若干動揺した表情に変わるも小さく笑って俺の唇にキスをする。

「ん」

「・・・また殺連タクシーの運転手を気まずくさせちゃうね」

特段運転手に申し訳ない気持ちなんて微塵も感じさせない南雲の言葉に俺は心臓が張り裂けてしまいそうなほど興奮した。




タクシーで一回セックスをしてから南雲に半分引き摺られるような形でホテルのスイートルームに着いた。

シャワーを浴びよう、と提案する南雲に俺は媚薬のせいで火照った体で嫌だと泣いて扉を閉めてすぐ南雲自身をズボン越しから咥える。

「んむ・・・♡」

ズボンが唾液で濡れるのも構わずにズボン越しから南雲を喰むように咥えると、こんな俺を見るのが初めてだから南雲は肩を落とした。

「早く・・・なぐもで上書きして・・・♡」

反応した南雲自身を奉仕するようにズボン越しから舐め続けていると観念したのかベルトを外してズボンと下着を下ろしてくる。

「分かった。沢山上書きしてあげる」

「っ♡」

さっきまで俺の中に入っていた南雲自身は既に反応していて舌を這わせて上目遣いで南雲を見れば頭を撫でてくれた。

「せっかくスイートルームにしたのにここでするの?」

「ん・・・だって我慢できない・・・♡」

両手で南雲自身を包んで先端を舐めて裏筋や玉袋も舐めてから咥えると口内で南雲自身が更に大きくなる。

「エッチなシンくん可愛い・・・おっと、危ないから喉奥まで入れちゃダメだよ」

「あ゛・・・♡」

頑張って喉奥まで南雲自身を入れようとしたら南雲はすぐに気付いて俺の頭を掴んで止めてきた。「これで気持ちいいから」と半分も入ってない状態で俺の顔を前後に揺らす。

「っ、挿れていい?」

先端を軽く吸って奉仕すると南雲が珍しく余裕なさげに息を詰めるから俺は南雲自身から溢れる先走りを舐めながら頷く。

「ここで挿れて」

「ベッドまで待てないの?仕方ないなぁ」

普段ならお互いベッドの上でセックスするけど今日はベッドまで待てない。

既に着崩れた着物を脱いで俺が南雲自身から口を離して扉に手をついて腰を突き上げると南雲が覆い被さる。

「大好き」

「っ、俺も・・・大好き」

──南雲の声ヤバい♡声だけでイきそう♡──

大きな手が俺の手に被さってきてゆっくり立ちバックの体位で南雲自身が中に入ってきた。

「あ・・・♡ぃく・・・っ、〜〜ッ♡!」

「まだ先っちょしか挿れてないよ?媚薬が相当強いんだね」

きっと南雲が来なかったら、ひとりで潜入捜査していたら俺の人生は終わっていただろう。

膝をガクガク震わせて絶頂を迎えると「腰、ちゃんと上げて」と言われて背伸びするも南雲との身長差での立ちバックは爪先立ちしてもなかなか奥まで入らない。

「ちゃんと手をついててね」

「へ・・・?ぁ゛っ」

覆い被さっていた南雲の手が離れて泣きそうになると両手で腰を掴まれて持ち上げられた途端、足の爪先が浮く。

「あ゛っ、あっ、あっ♡」

「シンくんやっぱ軽くなったな〜。潜入捜査終わったからちゃんと苦手な肉も食べて体重増やそうね」

「ひっ、ぁ♡」

「って、聞いてないか♡」

平然と軽々しく俺を持ち上げながら腰を揺すってくるから不安定な体勢で落ち着かないのに奥までズンズン南雲自身が攻めてきて涙を流しながら喘ぐ。

「やっぱこの体位だとシンくん辛そうだね。体位変えようか、こっち向いて」

「ん・・・っ」

一度下ろされて南雲自身が抜かれて正面を向くように言われる首に手を回してキスをすると南雲はキスに答えながら床に座らせる。

対面座位で挿れるのか、と思った俺は南雲の膝上に跨って自分で南雲自身を掴んで秘部に挿れた。

「あ゛・・・♡」

「自分から挿れちゃうシンくん可愛い♡上手にヘコヘコできるかな?」

汗ばんだ前髪を撫でながら南雲が笑うから「うん」と頷いて覚束ない動きで腰を前後に揺らす。上下に腰を揺らすのは得意じゃないし、前後に揺れた方が南雲自身がずっと入ってて気持ちいい。

「上手〜♡こんな早くイきそうなの初めてだよ」

「ぁ、あ゛っ♡なぐも好きぃ・・・♡」

「理性飛ばしてるシン可愛すぎる」

腰を揺らしながら南雲にキスをすると嬉しそうに目を細めるのが好きで腰を淫らに揺らしながら南雲とディープキスをした。

「ねぇ、ナカに出していい?」

「ん、ぁ・・・♡いいぞ、ナカ・・・いっぱい出して♡」

「〜っ、何その顔エロくてやばぁ♡」

トロンと蕩けた笑顔で頷くと南雲も俺につられるように赤面する。媚薬で理性なんてほとんど残っていないのに南雲と繋がっていると幸福感で満たされる。

「──っ」

「ぁ、っ、〜〜ッ♡」

大きな手が俺の背中に回って奥まで突いて固定されると南雲は息を詰めて絶頂を迎えたから体を痙攣させて俺も絶頂を迎えた。

汗と涎塗れの顔なのに南雲は息を荒げながらキスを繰り返すのが愛おしくて中に注がれる南雲の精液も気持ち良くてすぐに興奮する。

「汗だくになっちゃったね。シャワー浴びよっか」

「・・・・・・ああ」

お互いの熱はまだ孕んだまま、冷め切らないのが分かっていながら南雲が提案するから浴室でもセックスのを想像しながら俺は南雲に手を引かれて立ち上がった。








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