テラーノベル
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戦闘が始まる数分前
「…でも、本当にそれでいいのぉ?」
「うん。」
「俺を信じて欲しい。俺も咲を信じるから」
(だとしても…1人で突っ走るのをサポートしてくれってのは、無茶苦茶な気がするけどねぇ)
(もはや作戦がどうかも怪しいし)
「そんなに異理くんと戦いたいのぉ?」
「能力ありのバトルは初めてだしな!楽しみなんだー!」
「ふふ。そっかぁ。じゃあ任せるわぁ」
「任せとけ!」
「それじゃあ…手、だして?」
「?なんで?」
「だして?」
「あっはい」
豪力が差し出した手に咲が種を乗せる
「…なにこれ?」
「お守りみたいなものよぉ。大事に持っておいてねぇ」
「言われなくても、お守りなら大事にするよ」
「それもそうねぇ」
(信じてくれる人もいるし…)
「私も頑張らないとねぇ」
お互いに油断はない
豪力を守るため咲壁を使った咲と、ビルに叩きつけられた水
どちらも体力を消耗してている状態だが、お互いの疲れを感じさせないほどの緊張感がある
お互いにどう攻めるか考えている中、咲が動く
「花千領域」
咲の周りから、花々が建物の壁面や地面を覆うように咲いていく
花が咲く範囲は広く、辺り一面が花景色しなった
(美しく、きれいな花だ。心が安らいでいくのが自分でもわかる)
(ところで…この花にはなんの意味があるんだ?)
「この花たちには攻撃性がまだ無いから、警戒しなくていいわよぉ。これは準備しているだけ」
「…ん?まだ?準備?」
「食虫花葬」
地面に咲いている花が、一軒家ほどの大きさを持つ食虫植物に豹変した
「…嘘でしょ」
食虫花葬が水へと襲いかかる
「ッッ!!」
爆発を起こし素早くかわす
「想像してたより恐ろしい技を使うんですね!」
「ふふ。楽しんでくれてうれしいわぁ」
(楽しんでないが!?)
さっきと同じように食虫花葬が水を襲う
(これはもう慣れた!)
水は食虫花葬の攻撃を予測し、回避した
その勢いで反撃しようとするがーー
水の背後から、新しく生えた食虫花葬が噛みついてきた
(何本も生やせるのか!?)
噛みつかれたところから爆破を起こし、脱出するが体勢を崩してしまった
咲はこの隙を見逃さなかった
体勢を崩した水にツタで打撃を与える
「くっ…」
(花千領域…おそらく技の発動範囲を広げるのかな?)
(咲さんと自分の距離が離れているのに、正確に技を使ってるのがその証拠だ)
(距離を取られ続けるとこっちが不利になるだけだ!)
(あんま使いたくない手段だけど、やるしかない!)
「疾風迅爆」
爆発の出力を上げ、 速度と攻撃力を増加させる
水は咲へ一直線に進む
水の素早さに食虫花葬は反応することができなかった
「はや!?」
爆発の勢いを乗せ咲のことを蹴り飛ばす
しかし蹴られる直前に花を咲かせ、衝撃を緩和させた
空に蹴り飛ばされた咲の背後に回り込み
「凝爆」
(これ…豪力くんに使ってた技!)
「咲壁!」
(防がれた…けど畳み掛ける!)
「咲縛」
地面に咲いてた花が巨大化し水を縛り付ける
(…!?この技、前に縛られた時と同じやつだよな…?それにしては…)
「縛り付ける速度が上がってますね」
「気づいた?花千領域は技の範囲を広げるだけじゃなく、技自体の強化もしてくれるのぉ」
(完全に油断してた…!)
食虫花葬が近くに寄ってきた
「え…まさかこのまま食べさせるつもりですか!?」
「調理でもした方がいいかしらぁ?」
「このままってそういう意味じゃないです!」
「嫌なら今のうちに降参した方がいいわよぉ」
「降参するのも嫌なんですけど!」
抜け出そうと全力で体を動かす水だが、とあることに気づく
(…?これは…縛り付ける力が前より弱まっている…。これなら!)
爆発を起こし何とか脱出することができた
これは、前よりも縛り付ける力が弱まった影響もあるが何より、疾風迅爆の恩恵だろう
「あらぁ、脱出されちゃったわぁ」
そう言いながら水の方へ視線を向けると
なにか閃いたような顔をした水が目に映った
「咲さんの咲壁って、かなり体力を使うんじゃないんですか?」
「…水ちゃんって、本当に勘が鋭いのねぇ」
「さっきの攻撃だけじゃ説明できないほど、体力が削れている様子でしたから」
(この様子だともう咲壁は使えないはず…このまま押し切る…!)
そう考え爆発で移動しようとするが…
水は呼吸を荒くし、地面に膝をついた
(くっそ…ここで疾風迅爆の反動が…)
疾風迅爆は己の力を底上げするが、その分効果時間は短く反動が強いのだ
「…!」
咲の花千領域が解除される
これは体力の消耗が原因だろう
疾風迅爆のように大きな力を得るには代償が必要だ
その代償が体力の消耗と考えたら納得がいく
「お互いにもう限界って感じねぇ」
「そうですね…」
水がふらつきながらも立ち上がる
「でもまだ… 」
「そうねぇ、まだ…」
「「負けてない!」」
水は爆発で視界を塞いだ
咲はツタで爆煙を晴らす
「いない…?」
(花千領域がないのなら、今考慮すべきは咲さんの視界!)
建物を利用し、咲の死角から背後へ回り込んだ
「水ちゃんって戦い方が上手いわぁ!」
「花嵐!」
無数の花びらを嵐のように巻き起こし攻撃した
「範囲広!?」
爆発で何とか避けるが、全てを避けることはできず多少のダメージを喰らった
しかし、今の水には多少のダメージでも受けたくないものである
(自分の攻撃に反応した?さっき疾風迅爆を使った時も反応できてたし、反射神経が優れているのか…)
(だったら、それを利用しちゃおう)
「色々考えてるみたいだけど、水ちゃんの思いどうりにはさせないわぁ」
「食虫花葬」
「花嵐」
花嵐を爆発で相殺し、食虫花葬からは距離をとった
水は先程のように爆煙で咲の視界を塞いだ
しかし今回は一緒に地面を抉り、土埃も合わせてより視界を悪くした
「これは…」
咲は煙を晴らすことは諦め、攻撃に備え集中力を高めた
念を入れて食虫花葬を自身の近くに寄せた
「…」
「…」
少しの時間が経つと、煙の中から水が現れ攻撃をした
「…!!!」
水の攻撃を避ける
しかし、水の攻撃は近くにいた食虫花葬に当たった
水の攻撃した隙を見て、 反撃を狙った
水はその反撃を無駄のない動きで避けた
「うそ!?」
咲が攻撃したその隙に水は爆発を放つ
(かなりの手応えはあった…どうだ?)
「…これは、私の負けね」
「!!!」
「今の攻撃でもう体が動かない 。倒れてないだけで戦える状況じゃないわぁ」
「はぁ…」
水はほっと胸を撫で下ろし、勝利の喜びをを噛み締めていた
「それと…水ちゃん、最後ちょっと躊躇ったでしょ?」
「えーと…それはですね… 」
咲は優しく微笑んだ
「まぁ水ちゃんらしいけどね。この空間はゲームにしてはリアル過ぎるものぉ。」
水が言い訳をしようとしたところを遮りながらそう言った
(咲さんの言う通りだ。)
(この空間はリアルすぎて相手を倒し切るようなことはしづらかったんだ)
「もぉー考えて行動するのはいいことだけど、考えすぎはかえってダメなのよぉ」
「おっしゃる通りで…」
「でも…私の負けよ。水ちゃん戦い方、凄く上手だったわぁ」
「ありがとうございます。咲さんもかなり手強かったです。」
「そう言ってもらえると嬉しいわぁ。」
「あなたはこれから異理くんのところに行くのかしらぁ?」
「はい…あの人はまだ戦ってると思うので加勢しに」
「そっかぁ。頑張ってねぇ」
「敵のこと応援するんですか?」
「敵である以前に友達だもの。応援はするわぁ。」
「分かりました。頑張ってきます」
(あぁ…眩しいな)
(この学校には輝かしい人が沢山いるんだろうな)
(僕のお兄ちゃんみたいな…ね)
(いつか自分もなれるかな?)
(いや。違う。なれるか?じゃない)
( なるためにここに来たんだ)
春乃咲 戦闘不能のためゲーム退場
「お疲れ様でした。咲さん」
「負けると観客席に自動的に移動するんだぁーすっごい」
「でしょう?」
(ここ作ったの先生じゃないのに、なんでこんなに誇らしげなのかしらぁ?)
(私は負けちゃったけど、豪力くんはまだ負けてない。勝負はまだ決まってはいない。だから…)
「あとは頼んだわぁ。豪力くん 」
コメント
2件
こっから馬鹿力ことアホ力持った豪力と変態で強さのイメージ個人的にないしなんならあっさり負けそうない**イメージ**異理はどう戦うのだろうか
第4話読んだよー!咲vs水のバトル、めっちゃ熱かった🔥「花千領域」で強化される技の数々と、疾風迅爆の反動っていう代償のバランスがいいね。お互い限界まで削り合って、最後は水が勝ったけど、咲の「敵である前に友達」ってセリフにじわっときた。キャラの優しさが戦闘の重さを引き立ててるわ。次、豪力くんのとこ行くのか…続き楽しみ!
じゃがす
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