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コメント
3件
なんか…なんて言うか…好きです。(?) なんか英語がかけるの凄いしなんか江戸時代の言葉遣いがほんとに再現されててまじで語彙力無くなるぐらい凄い。まじで。

大名行列の掟…はい。テストにでまーす。知らんけど、出たら私天才だわ
江戸
——1856
ヨコハマ
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ー「Hey! Apparently a child cut in line during a feudal lord’s procession and got beheaded!!」
(おいっ!大名行列に子供が割り込んで打ち首になったらしいぜ!!。)
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酷く生暖かい雨の中、
一人に男が言った。
アルフレッドは、それを見に行こうと 動き出す男たちを見て
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ー(、子供の死体なんて…… 趣味が悪いんだぞ…。)
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と思った。
数分前の出来事を思い出しながら。
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東洋の神秘の国。日本。
その存在は、欧州一帯では、マルコ・ポーロの東方見聞録から黄金の国として知られていた。
数百年の間、国を閉ざし、外部との接触を避けてきた物珍しい国でもある。
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自国ーアメリカとは似ても似つかない顔立ち。
考え方。価値観。掟(ルール)。
ペリーに連れられて日本に訪れることができた冒険好きの男たちからすれば、
未知の土地。未知の言語。未知に満ちた宝箱だ。
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しかし、異文化の異国でもあるため
万が一どれだけVIP対応をされていても許されないものもある。
そんな中でも大名行列は有名なものだった。
*異国人に限らず、現地の人間でも*厳しい掟を科せられていた。
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大名行列掟書
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掟一
行列の次第、先触の定めに従い、隊列を乱すべからず。
(行列の順番や並びを乱してはいけない。)
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掟二
各々定めの持物(槍・旗・挟箱・長持等)を違えるべからず。
(それぞれが持つと決められている道具(槍・旗・箱など)を間違えてはいけない。)
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掟三
行列中、私語・笑い・騒ぎすべからず。威儀を正すべし。
(行列の途中で私語や笑い、騒ぐことは禁止。きちんとした態度を保つこと。)
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掟四
主君の駕籠の前後において無礼の振る舞いすべからず。
(殿様の乗る駕籠の近くで無礼な行動をしてはいけない。)
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掟五
行列中、酒を飲むべからず。賭事またこれを禁ず。
(行列の途中で酒を飲んだり、賭け事をしてはいけない。)
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掟六
許しなく列を離るるべからず。用事ある者は役人に申し出るべし。
(勝手に行列を離れてはいけない。用事がある場合は役人に報告すること。)
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掟七
槍・旗・挟箱・駕籠等を粗末に扱うべからず。落失あらば咎む。
(槍・旗・箱・駕籠などの道具を粗末に扱ってはいけない。失くした場合は罰を受ける。)
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掟八
雨風・昼夜にかかわらず、役目を怠るべからず。
(雨でも夜でも、役目を怠ってはいけない。)
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掟九
道中にて他家の行列に出会う時は、定めの礼を守るべし。争うべからず。
(道中で他の大名の行列に出会ったときは、決められた礼儀に従うこと。争ってはいけない。)
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掟十
宿場において騒動を起こすべからず。町人百姓に無礼あるべからず。
(宿場町では騒ぎを起こしてはいけない。町人や農民に乱暴してはいけない。)
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掟十一
道行く百姓町人は、行列を見れば道端に退き、頭を低くすべし。
(道を歩いている人は、大名行列が来たら道の端に下がり、頭を低くすること。)
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掟十二
何人たりとも行列の間へ割り入るべからず。
(誰も行列の中に割り込んではいけない。)
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掟十三
行列を横切ること固くこれを禁ず。
(行列を横切ることは禁止。)
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掟十四
馬・駕籠・槍持の前後に近づくべからず。
(馬や駕籠、槍を持っている人の近くにむやみに近づいてはいけない。)
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掟十五
異国人といえども、この定めに従うべし。
(外国人であっても、この決まりに従わなければならない。)
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掟十六
違背の者あらば、役人これを取り押さえ、所払い又は吟味に及ぶべし。
(ルールを破った人がいた場合、役人が捕らえて処罰する。)
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掟十七
行列中に喧嘩・口論これあるべからず。
(行列の途中で喧嘩や言い争いをしてはいけない。)
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掟十八
道中の橋・坂・狭き道にては、先触の指図に従うべし。
(橋や坂、狭い道では、先に案内する役人の指示に従うこと。)
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掟十九
一同、主君の威を損なう振る舞いすべからず。
(殿様の威厳を傷つけるような行動をしてはいけない。)
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掟二十
右の条々、堅く守るべきものなり。違背の者は厳しく咎む。
(以上の決まりを必ず守ること。破った場合は厳しく罰せられる。)
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最悪の場合は、打ち首。
ーつまり死ぬ。
どこに行っても自分の身が一番大事なのに変わりはないが、
自分でないならば、気になるのが人間というものだ。
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アルフレッドは、港から離れていく男たちの影を気にもせず
先ほどのことを気にしながら交換の品の入った木箱を船へと乗せていた。
すると、一人の船の中でもよくしてくれていた男が 肩を組んできて、
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ー「Hey Alfred, you’re not going?」
(おい、アルフレッド。お前行かないつもりか?。)
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と聞いた。
アルフレッドは、木箱を見つめながら
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ー「I don’t care. A dead child…」
(俺は、いいよ。子供の死体なんて…。)
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と言った。
しかし、向こうもそう簡単には引き下がってはくれず、
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ー「What are you talking about? You’re a man, right? Come on, let’s go.」
(何言ってんだ。男だろ?さっさと行くぞ。)
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と言って、男はアルフレッドを強制的に連れて行った。
やれやれ、と思いながらもアルフレッドはされるがままに連れて行かれた。
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先ほどまで、大名行列が通っていた道には人だかりができていた。
自分と同じ異国人もいれば、現地人の日本人もいた。
子供の首が刎ねられるのは珍しいことなのだろう。
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みんなの目線の先を見ると、
*そこには、*血だらけでもう息のない黒髪の子供を
抱きしめ泣いている長髪の男の姿があった。
アルフレッドは、思った。
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ー(かわいそうに…、兄弟.なのかな、?。)
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なんてことにない他人事のように、
雨のしぶきで、子供の赤い血が広がっていくのを眺めていた。
兄であろうか。長髪の男は、子供とは随分と
位が違う高貴な服装を着ていたが、汚れるのを気にせずに子供の死を悔やんだ。
近くにいた同じ国の男たちは、 口々に、
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ー「Oh, isn’t that a Chinese merchant? I think his name is Wan.」
(あれ、中国の商人じゃないか?確か名前は…王、)
ー「So the kid who died was his favorite kid.」
(じゃあ、死んじまった子供は、あいつのお気に入りだった子供か。)
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と言った。
王という中国の商人の名はよく聞いたことがあった。王耀。
なんでも、日本とよく取引をしている商人らしく、
日本を通してアメリカも彼のことを知り、今ではアメリカも彼と取引をしている。
男たちは、
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ー「This is going to put a dent in the deal.」
(こりゃ、取引にヒビが入るな。)
ー「He was a good merchant. Japan will suffer losses from now on.」
(お得意の商人だったしな。日本はこれから損になるぞ。)
ー「Well, for us Americans, anything is fine as long as it benefits us.」
(まぁ、アメリカ人の俺らからすれば、俺らの利益になれば何でもいいけどな。)
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と笑った。
まあ、所詮は赤の他人。ましてや、異国人。
気にする余地もないだろう。
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長髪の男が中国の商人だと気づいた武士たちは話かけた。
どんな言葉をかけたのか、王耀は怒った。
そして、武士が腰に据えていた刀を抜き取り、 近くにいた武士を斬った。
子供を抱えたまま。
次々に武士だけを斬った。
あたりは、あっというまに悲鳴に満ちた。
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しかし、アルフレッドの耳には届かなかった。
王耀がいきなり立ったことで隠れていた子供の顔や体が見えた。
黒髪、年齢よりも幼く見える顔立ち、細い体
そんな人間なんて日本中たくさんいる。
そう、自分に言ったが、子供の腕に光る紐を見て確信した。
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ーマムだ。
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——数時間ほど前
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アルフレッドは、いつものように
夜中、船を抜け出しては日本人の少年、マムの元へと通っていた。
大人にバレないようにフードを深く被って、
綺麗に輝く金の髪を隠し、海のように淡く青い瞳を隠し、
外すのがめんどくさくてマムの前でも外さなかった。
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通っていたと行っても、
言葉が通じないと思ったアルフレッドは、初めて会ったときから 絵を描いてマムと話していた。
マムも、何も問わずに
ただ、黒曜石のように黒く美しい目を時折細めて笑っていた。
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マムとは他愛もないことをして遊んでいた。
どんぐりを探したり、動物の絵を土の上に描いたり、
ただ、船の中に同い年の子供がいなかったアルフレッドには嬉しいほどの遊び友達だった。
声を出さずに遊ぶので大人にバレたことはなかった。
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マムとどこで出会ったのかは、
もう覚えていない。すごく、どうでもいい出会い方だった気がする。
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ただ、出会った日に道端に咲いていたクリサンセマムの黄色の花をとって
自分の名前かのように自分自身に指を差していたので自国にアメリカでは、
クリサンセマムのことをマムと呼んでいたので、その子供のことをマムと呼び始めた。
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そんな出会いもわからない異国の子供に
アルフレッドは徐々に胸が苦しくなり始めた。
なんだろう?と思った。
そして、船員の男の話を思い出した。
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ー「Love is something that falls.」
(恋っていうのは落ちるものなんだよ。)
ー「Right. Before you know it, it’s happening.」
(そう。気づいたらなってるもんさ。)
ー「If you feel a tightness in your heart when you’re in front of a cute girl, that’s love.」
(可愛こちゃんの前で、胸が苦しくなったら、そりゃ、恋だ。)
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確かそんなことを言っていた。
マムは、可愛い。
年齢を聞いたことはないが、おそらく自分よりは下だろう。
可愛い。可愛い。可愛い。かわ、い…い、?
意識すればするほどおかしくなっていく。
恋だ。
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そう自覚したのは数日前のことで、
アルフレッドは、自国ーアメリカから 持ってきた金のブレスレットをマムにプレゼントした。
マムは、目を輝かせて自分の手首につけた。
大きかったので4回ほど巻きつけた後に、枝で土の上にグッドのマークを描いた。
マムは絵が上手だったので、それがグッドのマークを手で作ってる絵だというのはすぐにわかった。
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アルフレッドは、船員の男に聞いた。
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ー「If I like a girl and give her a present, what should I do next?」
(好きな子にプレゼントをあげたあとは、何するんだい?。)
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男は一度驚いたような顔をしてから
他にも数人男を集めた。
数人の男たちは、アルフレッドを囲って笑いながら言った。
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ー「Well, you have sex.」
(そりゃ、お前。セックスだろ。)
ー「what fack⁉︎」
(はぁ!?。)
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男たちは、アルフレッドを見て
アルフレッドが成長したと感じたのかしみじみとした。
男のうちに一人が、出てきた。
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ー「You guys, Alfred is still a kid, you know? There’s no way he could do that.」
(お前ら、アルフレッドはまだ子供なんだぞ?できるわけないだろ。)
ー「Yes, you can! But I want to be gentler.」
(なっ!?俺だってできるんだぞ!でも、優しくしたいんだぞ。)
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アルフレッドの言葉に男たちは、目を丸くした。
紳士的じゃねぇかと笑う奴もいた。
しかし、一人の男は知っていたのか、ただの勘か。
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ー「Isn’t it important to be accepted for who you really are?」
(本当の自分を受け入れてもらうことが大事じゃないのか?。)
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と言った。
アルフレッドは、めんどくさいという建前でマムに
日本人とは似ても似つかない自分の顔や髪を隠していた。
本当は怖かったからだ。
少し迷った。
でも、決心がついた。
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ー「thank you!」
(ありがとう!。)
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男に礼を言って
その日は、
雨が降ると聞いていたので
いつもより早く約束の場所に訪れていた。
約束の場所とは、山奥のことだ。
山の中なら土がたくさんあるから絵がいっぱい描ける。
つけば、マムはもういて、土の上に絵を描いていた。
アルフレッドに気がつくと、ニコリと微笑んだ。
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(可愛いんだぞ、。)
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そう思いながらも、
フードを外すことを決めたのを思い返す。
大丈夫。マムなら信じてくれる。わかってくれる。
そう信じて、フードを外した。
露わになるマムの黒い目とは似ても似つかない青い目
黒髪とは対照的に白く輝く金色の髪
アルフレッドは、目線を下向けながら反応を待った。
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しかし、あまりに反応がないので
マムの方を向き、初めて話しかけた。
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ー「H,hi! My name is Alfred.」
(や、やあ!俺の名前は、アルフレッドって言うんだぞ。)
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マムの顔が見えた瞬間に背筋が凍った。
怯えられていた。
マムの顔には、青筋が浮かび、
顔を青白くして汗を頬につたらせ、目を見開いていた。
まるで怪物でも見るかのように。
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ー「M,mum?」
(マ、マム?。)
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と声をかけて近づこうとすれば、
マムは、さらに目を見開いて
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ー「、ッヒ!。鬼っ!!」
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と言いながら尻餅をついて後退した。
拒絶だった。
一番恐れていたことが、それが、起こってしまった。
アルフレッドは、自身も驚いたような顔をして、
少し悲しそうに寂しそうにフードを深く被って逃げるようにその場を去った。
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時は戻り
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アルフレッドは、無心で
ぼーっと突っ立っていた。
雨が降っていたが、フードのおかげで顔は濡れていなかった。
でも、自分がどんな顔をしているのか分からなかった。
周りにいた野次馬ともいえる人たちは
もう、いなかった。
アルフレッドを無理やり連れてきた男は、
固まっているアルフレッドの肩を掴んだ。
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ー「What are you doing, Alfred? Let’s get out of here!」
(何やってんだ。アルフレッド。さっさと逃げるぞ!。)
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しかし、アルフレッドは動かずに
ただ、目の前で次々と武士を斬り殺していく王耀とその腕に中にいる子供を見ていた。
体が石像のように動かなかった。
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気がつけば、目の前に返り血を大量に浴びた王耀が立っていた。
紙紐は解け、長い髪は雨のせいで顔にくっついている。
顔は、わからない。なんと言えばいいのかわじゃらないほど怒っていた。
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腕の中の子供は、もう息をしていない。
冷たく抱えられている。
王耀は、言った。
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ー「你就是菊说的那个外国小鬼。」
(オメェが菊の言ってた異国人のガキあるか。)
ー「…。」
ー「回答我!你就是今天下午遇到菊子的那个孩子吗?」
(答えるある!オメェ、昼間菊と会ってたガキあるか?。)
ー「…。」
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アルフレッドは、何も言わずにただ怒り
自身に問う王耀を見つめていた。
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(ジュウ、ファ…?。何、言ってる.んだい?。)
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王耀のいきなりの中国語の問に
アルフレッドは、ただ茫然としていた。
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ー「够了,我要杀了你。」
(もういいある。オメェを殺すね。)
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王耀が何を言ったかと思えば、
刀を振り翳してきた。
何も言わずに動くこともできずに、 ただそれを眺めていた。
ふと、視界の端に入った子供ーマムの影に。
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(来世では、君と一緒に過ごせる国に生まれたいんだぞ。)
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そう思い目を閉じた。
しかし、想像していたような痛みは襲ってこなかった。
顔に冷たい液体が垂れてきたのがわかった。
目を開けると、目の前にいた王耀が後ろから武士によって別の刀で心臓を刺されていた。
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王耀は、そのまま刀を地面に落として倒れた。
そのまま、腕の中にいたマムを抱き寄せた。
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ー「来世我们做真正的兄弟吧。」
(来世では、本当の兄弟にな、る…あ.る……よ。)
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王耀が最後に何を言ったのかは分からなかった。
ただ、この人もマムを大切に思っていたんだということはわかった。
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数日もせずに
出航前日にアルフレッドは、処刑された。
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理由は、上の許可なく、自身の判断で現地人の子供に自国の品を贈ったからだった。
許可なく渡してはいけないこと。
現地の人間に何でもかんでもあげてはいけないこと。
その処罰が重いこと。
それを幼いアルフレッドは、まだ知らなかった。
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日本人にとって異国人は珍しく
まして、山奥に住む子供からすれば金の髪は、
昔話に出てくる鬼を連想させることも
何も知らなかった。
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彼にとってのマム。
王耀にとって菊が、アルフレッドを追おうとして
誤って大名行列を横切ってしまったことも
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そのとき、子供でも許してもらえなかったのが
ボロボロの服に見合わず、異国品の金でできたブレスレットを
腕につけていてスパイと疑われたから ということも
何も知らなかった。
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知らないが故に起こった悲劇。
知らないが重なった結果。