推しに監禁されたんですけど!!??(常識人)
セ)可愛いなぁ…本当…
真っ白で、無機質な部屋に目の前には大好きな推し。
セ)大好きやよ~♡
そう言って、優しく頭を撫でる。
雲)…
わたしは ピクッ と体を動かした。
セ)そんなに怯えやんで良いのに…
怖いという気持ちと、大好きな推しにという気持ちと、ごちゃごちゃになっている。 どうしてこんなったんだ…
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わたしはごくごく普通の田舎 JC。
今日も疲れた。早く帰って、寝たい。
そう、いつものように思いながら、帰っていた。
今日も歌を歌って帰っている。
雲)決して熄えない、私のフランマ。貴女のしあわせ、燃やしてあげようか?
本当にいつものように。
?)爛れた炎 (おんな) にさせたのは、あの夜の貴方の言葉。「君だけ、愛してる」
誰かが続きを歌った。
ものすごく聞き覚えのある声。
びっくりしてふと振り返った。
?)雲ちゃん…やんな?
雲)は、い…そうです…
そこには、大好きな推し。
センラさんがいた。
セ)やんなぁ!!!よかったよかった!!!
雲)????
…???なんで私なんかを探してるんだろ…
セ)ちょっとこっちついてきてくれん?
雲)はい…
どこに連れてかれんだろ。
何のようなんだろう。
私なんかに。
と、いう思いが頭に浮かんだ。
だけど、
「推しだから大丈夫」
という理由で、なんとなくついていった。
セ)乗って?
と言われ、車に乗せられた。
センラさんの車だと思うと、色々やばかった。
匂いも、初めて知ったし。
運転上手だったし。
私は車の中でど緊張していたら、
セ)んふふ w そないに緊張せんでもええよ w
雲)…
黙ってしまった。
申し訳ない。
セ)申し訳ないとか思わんでええよ w
雲)?!?!
セ)なんでわかったん?!って思ったやろ w
雲)え…?!
セ)顔に出てんで w あと、リラックスしてな。
雲)…はい…
とある家に着いた。
センラさんの家なのだろうか。
そう思いながら、入った。
雲)お邪魔します…
セ)いらっしゃい。
部屋に案内される。
ぱっと見、無機質な部屋だ。
何か変だ。
何もないこと自体がそもそも変だ。
だけど、もっと重要な…あるの がない気がする…あ、窓だ…この部屋窓がないんだ。
壁に天井に近い位置に着いている、丸い何かよくわからない、見たことがない物、機械?が付いている。廊下に繋がっているのかな?あとは、真ん中に柱が一本立 っているだけだ。
セ)ちょっとこの部屋で待っとってくれへん? 雲)はい…
そう言って、
…ガチャン
雲)?!?!
鍵を閉められた。
雲)なんで鍵かけたんですか?!
流石の推しでもやばい。そう本能は言った気がした。
セ)ん~、ちょっとな。大人しく待っとき~。
雲)ぇ…
senra side
ご近所さんの JC の雲ちゃん。俺は一目惚れだった。それから色々調べて、やっとここまで来た。センラーだ と知ってからは簡単だった。俺の罠にまんまと引っ掛かってくれた。
セ)お母さんに教わらんかったんかな…まぁ、あいつじゃ逆に言わんか…
しばらく経って雲ちゃんのところに戻る。
セ)どう?調子は。
あの後、密室になっているこの部屋に睡眠ガスを入れ、眠ってもらい、寝ている間に手錠はつけさせてもら った。正直、寝ている雲ちゃんはめちゃめちゃに可愛かった。天使だった。まつ毛長いし、髪サラサラで… ね…
雲)センラさん…返して…ください…家に…帰りたいです…
セ)なんでなん?家、嫌いやんか。
俺のこの言葉からわかる様に(?)雲ちゃんは虐待を受けている。
雲)ペットが…ふゆが…待ってるんです…
あぁ、そうやった。この子にはこの世で一番好きなこがいるんやった。
生きがいと言っても過言ではない、この子にとって、世界一で、一番の理解者が。
セ)はぁ…わかった。帰ってええよ。あ、あと、いくら推しでも、信じきったらあかんで。推し以前に知らん 人なんやから。
雲)帰らせてくれるんですか…?
【セ)え?逆になんで帰らさんの?帰らせろ言われてんのやから帰らせるやろ。普通。俺、ヤンデレちゃう
んやけど。
雲)え。ヤンデレラさんじゃないんだ。よかったよかった。
セ)え?
雲)え?
セ)ヤンデレラさんってなんやねん。ツンデレラみたいにいうなや。
雲)名作くん知ってるんですか?!?!
セ)知ってるわ。バカにすんなよ。30 代。】
セ)うん。ええよ。帰って。また、準備して、ここきて、住みな。事情知っとるし。
セ)なんなら、俺が引き取ったろか?俺やったらこんなええ子、虐待なんかしいへんし、ふゆちゃんだって、雲ちゃんと一緒ぐらい可愛がったる。
セ)だから、一旦帰って、準備して、明日、下校の時、また来たらええよ。雲ちゃん。記憶力ええからわかるやろ?
ずっと、窓の外見てたからな。
雲)はい…ありがとうございます…
セ)なんなら、夜中に来てもええしな w
雲)それはセンラさんの迷惑になるので…
こんな事した俺にまで、迷惑とか考えてくれる。そういうところがすごく好きだ。
セ)あ!!そうや!!
雲)ビクッ
びっくりさせてしまった。そりゃ、急におっきい声出したらびっくりするわな。
セ)あ、びっくりした?ごめんな…
雲)大丈夫です…なんですか?
セ)夜中に引っ越しの準備したらええんちゃうん?!?!
雲ちゃんは少し考えてこう言った。
雲)…良い案かもしれませんね…
どういう意味かわかるか?そう、OK って事や。うっしゃぁ!!!!!!!!ほれぇ!!!!!!み ぃ!!!!!!!
セ)俺も準備手伝ったるよ?てか、警察に言いに行きなよ。虐待のこと。
雲)でも…
セ)手伝ったんで。いや、手伝わせて?
セ)裁判して、勝と?10:0 で向こうが悪いんやから。ほんで、俺と暮らそ? その方が、俺も。雲ちゃんも。幸せになれるよ?
kumo side
幸せ。推しのその言葉に心が揺らいだ。
大好きで、生き甲斐な推しが幸せになれる。
そして、私も幸せになれる。もちろん、ふゆも。 私は、センラさんが幸せになれることをずっと望んでいた。その願いが、今、私が「はい」ということで、 叶おうとしている。 でも、もしセンラさんが、私のストーカーだと警察にバレたら?センラさんは刑務所?センラさんの活動 は…?会社は…?センラーさんは…?浦島坂田船は…?私は行く宛がなくなる?孤児院に行く?ふゆは?殺処 分…?
それだけは嫌だ…誰も幸せになれない。
そんな私の気持ちを見抜いたというようにこう言った。
セ)別に、掛けやんでもええんやで?裁判するには色々大変やし、「私を探さないでください」ってメモ置いとけば親が警察に捜索願い出しても探さないって聞いたことあるし。
セ)そんなリスクばっか考えとってもキリないよ?
雲)…
セ)雲ちゃん次第やで。じっくり考えたらええよ。俺ん家来るんやったら来たらええし。来たくなかったら来んかったらええし。
私は覚悟を決めた。
雲)…ます…
セ)え…?なんて?ごめん、もっかいいってくれん?
雲)…行きます…
セ)ん。ええこ。よく頑張りました。
視界がぼやけて、あまりセンラさんが見えない。なんでだろ。「ぽんぽん」と頭を撫でてくれるセンラさ ん。
目頭が熱くなってきた。頬を伝う冷たいもの。
「ひっく」と、しゃくり上げる自分の声。
あぁ…泣いてる んだ。
動揺しているセンラさんの顔がぼやぁっと見える。
そういや、頭なんて撫でられたの、小 3 の時のテ ストで 100 点取った以来だな…なんて思い出す。
セ)え?!俺なんかした?!もしかして、頭撫でられるん、泣くほど嫌やった…???
雲)…違い…ます…ヒック…久し…ぶり…グズッ…だった グスッから…ヒック
セ)なるほどなぁ…大変やったなぁ…お疲れさん。
ぎゅーとセンラさんがハグしてくれる。
推しにハグされている感動と、嬉しさと、色々混じって、センラさんの胸をしばらく貸してもらった。
セ)気が済むまでないとってええよ。
申し訳な))セ)申し訳ないとか思わんでええでな。
ほんと、この人、よくわかってるな…そういうところがすごく好きだ。
生憎、涙は乾きやすいタイプなので、泣いたとはあんまりわからない。
こういう時良かったと思う。
そして、家に帰る。
雲)ただいま…
小さい声で呟く。
リビングから聞こえる ガシャン と、いう食器やガラスが割れる音。
聞こえてくる、ドタドタという大きな足音。
あぁ。
帰ってくるんじゃなかった。
怒られる、殴られる、蹴られる。
そういう考えが頭をよぎり、怖くなる。
そして、ぎゅっと目を瞑る。
“バチン”と、音がしたと共に、じんじんする痛みがくる。
頬を叩かれたんだ…
母)今までとどこいってたの?!?!
あのお母さんが心配してくれてる、そう思うと、涙が溢れてくる。
でも、その期待は次の母の言葉で一瞬にして、崩れ去った。
母)泣けばいいって思わないで!!早く、夕飯準備して!!私、もうお腹が空いて、頭がおかしくなるわ!
あぁ…やっぱり、心配なんかしてないんだ…いつもと同じで自分のことしか考えてない。
私のことなんか考え てないんだ。
こんなことなら、センラさんと一緒に居たほうがよかったな。
なんて、考える。
雲)私は…私はお母さんの使用人じゃない!!!!だから、夕飯ぐらい自分で作ってよ!!!!!
母)…は?何様のつもり?あんたをここまで育てたの誰のおかげだ
と思ってるの?!?!
私は、限界だった。
だから、親に初めて、刃向かった。
母)あ、ちょっと!!!!!待ちなさい!!!!!
母の声を無視し、その場から逃げるように走る。
雨が降っているがお構いなしに走る。
行く宛なんかないのに。
しばらく泣きながら走り、
ドンッ
と誰かとぶつかる。
雲)…すみ ッ ま…せん…
?)大丈夫…?
声の主はセンラさんだった。
雲)…せ ッ…らさ…ッ…グスッ…助け…て…
セ)…分かった。助ける。
センラさんはそう言い、ギューッ としながら、頭を優しく撫でてくれた。
そして、暫くセンラさんの胸を借り、泣かせてもらった。
セ)とりあえず、俺ん家行こか。
雲)はい…
戻ってきた。
セ)明日、休みやで色んなとこ、行こか。どこ行きたい?
雲)えっと…とりあえず、生活用品買いに行きたいです…
セ)ん。分かった。じゃあ、今日は早よ寝よか!
雲)はい!
軽快な音楽が流れる。 “お風呂が沸きました”
セ)お、湧いたか。行っといで。
雲)はい!
チャプン…
雲)はぁ…
ガチャ 誰かが入ってきた。センラさんかな?
セ)着替え、ここ置いとくよ~
雲)ありがとうございます…
ここはセンラさんのお風呂。
そう思うと、ドキドキする。
なんか、付き合ってるみたい…
雲)キャッ…
そろそろ洗わないと… そして、洗い終わり、
雲)お先に失礼しました。
ぺこりと頭を下げる。
セ)はーい
~senra side ~
本当、かわいい。
無自覚っぽかったな。
エロかったな。
誤解されへんように言っとくけど、ロリコンちゃうからな?
そして、礼儀正しい!いいこ!好き!愛す!てか、愛しとる!
てか、寝るとこどうしよ…ソファで寝るか。
セ)じゃあ、俺も風呂行ってくるわ~、テレビ、見とってええよ~
雲)はい!ありがとうございます!
いいえ~と言いながら風呂場へ向かう。
そして、風呂から上がった後、リビングに戻ると、雲ちゃんがテレビをつけっぱなしで寝ていた。
セ)あ、そういやご飯食べてへんな。雲ちゃん、お腹すいとるやろなぁ…何か作ってあげよ。
そう思い、ちょー簡単に作れる、なんちゃってオムライスを作り、雲ちゃんを起こすためにソファへ向かう。
…ほんまにかわええなぁ。
規則正しく呼吸をしている。可愛い。
雲)…
セ)ちょっとぐらい、ええよな。
そう呟き、カメラで「パシャッ」と一枚だけ撮る。うん。かわいい。その後に、雲ちゃんを起こす。
セ)雲ちゃん、起きて
そう言いながら、雲ちゃんの腕をポンポン叩き、起こす。
雲)…ん…
と、いい、目を擦りながら起きる。かわいい。
セ)雲ちゃん、ご飯。出来てんで。一緒に食べよ?
雲)え?!用意してくれたんですか?!わざわざすみませ
雲ちゃんの口を手で塞いだ。
セ)雲ちゃん。そこは「すみません」や、あらへんやろ?なんていうん?
雲)…?
セ)…「ありがとう」じゃない?
雲)…!!ありがとうございます!
セ)いえいえ!じゃ、食べよっか!
雲)はい!いただきます!
セ)いただきます。
そう言い、オムライスを口に運ぶ。
ん。まぁまぁやな。
そう思っていると、雲ちゃんが目をきゅるきゅるに光らせて
雲)ふぇんらふぁん…ゴックン…めっちゃくっちゃ美味しいです!
と、言ってくれた。めっちゃ嬉しい。
セ)んふふwありがとうwふぇんらふぁんも嬉しいわw
雲)あ!真似しないでください!!
セ)んふふふwww
うん。平和。ほんとかわええ。
その日の夜。
雲)…
雲ちゃんが無言で俺の部屋に入ってきて、無言で布団に入ってきた。
え、なにこれ。めっちゃかわいい。
俺の背中に向かっておるわ。
めっちゃかわいいやん。え?
雲)センラさん…好きです…
って、雲ちゃんが言うもんやから、それはそれは可愛くって、可愛くって、ぎゅーってしたくなったけど、寝返りを打ったフリをして、雲ちゃんの方を向く。
多分、今、雲ちゃんは俺の顔面を見とる。
だって視線感じるもん。
雲)かっこいい…
そう聞こえてきた頃には手を伸ばして居た。
パッと目を見て、
セ)雲ちゃんの方がかっこいいし、可愛いよ♡
そう言ったら、雲ちゃんは顔を赤くして、恥ずかしがった。
めっちゃ可愛いやん。えぇ、可愛い…
そう思ってる頃には、手を頭の後ろに持っていって、俺の胸に寄らせて居た。
めっちゃ可愛くて、ぎゅっとしたくなった。
いや、ぎゅっだけじゃ足りん。
ぎゅーーーーーーってしたくなった。
セ)ほんまにかわええ、大好き。愛しとる。
そんな言葉を言うと、雲ちゃんは嬉しそうに、恥ずかしそうに、俺の胸に顔を埋める。
続く
コメント
1件
え、これこんな前からあるの?!?!