テラーノベル
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「…っ……ふっ……」滅多に泣かないふっかが俺の腕の中で泣いている。
それだけで俺は優越感に浸れる。
これは恋人である俺だけの特権。
いつも通り優しく抱きしめて、頭を撫でてから背中をポンポンと叩く。
そうすると、ふっかは安心したように力を抜いてくれる。
よいしょと抱き上げて寝室に連れて行くと、ベットに座らせて、俺も隣に座り、ふっかの顔を手で包み込むと涙を拭ってやる。
「今日は何があった?話し聞くから」
「空回りしちゃって……上手くできなかった……」
ああ、YouTubeの撮影か。
今日は久しぶりの9人での撮影だった。
みんな、嬉しくて、はしゃいでいたからな。
わちゃわちゃ感ががいつもより強めだったと思う。
でも、ちゃんとMCとして現場を回していたし、いつも通りだったと思う。
ふっかは割と完璧主義者に近いから、ちょっとしたことでも気になるんだと思う。
「ふっかはちゃんと出来てたよ!みんな、楽しそうだったじゃん。」
俺らはメンバーに良いことも悪いこともハッキリと伝えることにしている。
今日はメンバーが皆が口を揃えて、久しぶりに9人で楽しかったなと言っていた。
不満を口にする者はいなかった。
「そっかな……」
「ダメな時はちゃんと伝えてくれるだろ?みんな、楽しかったって言ってたし」
「ふっかは考え過ぎなんだよ」と頬を掴んでムニムニすると「あぅ……ひゃめて……」って可愛い声を出すから吹き出してしまった。
「ふぁらうな~ひゃなせ~」
ジタバタして睨み付けてくるけどちっとも怖くないし、ただただ可愛いだけ。
「ふっかはさ、いつも一生懸命頑張ってるよ。それは俺もメンバーもみんな解ってる。だからあまり気にし過ぎは良くないよ。」
ムニムニしていた頬を撫でて、おでこにキスをする。
そうするとさっきまで不安そうな顔をしていたふっかがふにゃっと笑ってくれた。
「……ありがとう……ひかる……」
「どーいたしまして。元気出た?大丈夫?」
「うん、元気出た!だいじょーぶ」とぎゅーっと抱きついて、俺の腹の辺りに顔をグリグリしてくる。
あー、可愛い過ぎる。
良かった……もう大丈夫だな。
「あの……ひかるさん?」
グリグリしていたふっかがピタッと止まり、急に上目遣いで見てくるからその表情に一瞬、ドキッとする。
「ん?どうした?」
「キスはおでこだけですか?」
ふっかがそう言って、自分の唇を指さすものだから、「ふはっ」と今度は盛大に吹き出してしまう。
本当に深澤辰哉という人は、何でこんなに可愛い生き物なんだろう。
「そこだけじゃなくて…他にもたくさんしてあげる…」
ふっかの唇を撫でてからチュッと軽くキスをし、耳元で囁くと途端に照れて顔を真っ赤にする。
照れなながらも見つめる瞳は熱っぽく色気を宿してる。
「お願いします……」
ふっかが、俺の首に手を回して引き寄せるように抱きつくから、2人してそのままベットに沈んだ。
END
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