テラーノベル
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【七番視点】
ずっと目の前のパソコンから、カタカタ、という音が聞こえる。
俺は、会長が帰った後、1人で生徒会室でパソコンをいじっていた。
「やっぱり、さっきの裂け目は怪異か……じゃあなんで直ったんだ…?」
目の前にあるのは、昨日から今日にかけての怪異専用の監視カメラの映像と、過去のデータ。やっぱり、過去のデータにはさっきの出来事はないし、似たようなものもない。それに、俺が過去のことを忘れていたとしても、絶対にこのデータには保存される。ということは、この裂け目は今、初めてできた出来事で、原因は分かっていても、解決の仕方がわからないと、何もできない。
「てか、最初からその怪異倒せればもう解決なのにさぁ……こいつ、逃げ足早いね」
監視カメラの映像には、真っ黒な色の、大きな目玉が一つついている怪異。そいつは生えてるたくさんの腕で、結界を攻撃して、やがて裂け目ができた。これが会長とみつけた裂け目だ。その後、多分俺らが生徒会室を出たことに気づき、すぐに逃げたんだろう。
「あー……めんどくさい……正面からかかってきてくれたら一番手っ取り早いのにさ」
それに、目の前に現れてくれれば、俺の目的にも近づく。
「……ま、神の命令は絶対だからね、俺は怪異には手を出せないしなぁ……てか、偽の神様になんか従わなくてもいいだろ……早くあいつ帰ってきてくんないかな」
この世界に、神は存在する。てか、俺が実際に会ってんだから確定でいる。
じゃ、この物語を読んでる君に、ちょっとお話をしてあげる。
物語は「バベルの塔」。これは有名だし、みんな知ってるよね。じゃ、旧約聖書?の話!
大昔、この世界に住んでいた人たちは、同じ言葉を使っていたんだって。その人たちは、自分たちの名を後世に残そうと考えて、力を合わせて天まで届く塔をつくろうとしたんだ。
でもね、塔を建ててるのを見てた神様は、怒った。
神の意思に逆らうようなことをしたから。
そして、神様はその人達にバラバラの言葉を使わせて、言葉を通じなくしたんだ。その後、その人達は言葉がわかる人同士で、世界各地にバラバラに散り、過ごした。
でも、その物語にはまだ続きがある。
バラバラに人々を散らせた神様は、また反抗しないように人々を監視した。でも、神様だけでは世界各地に散った人達を見れないし、神様は「監視者」を作ったんだ。
監視者は、全部で3人。1人は、疫病をもたらすとともに、治療も施す太陽と癒しの神、「アポローン」。1人は、戦略、知恵、正義を合わせ持つ、人々から敬愛された神、「アテナ」。1人は、死を司り、穏やかな死、苦しい死を人々に届けた神、「タナトス」。
3人は神様に従い、世界の人々を監視した。
3人は、もっと詳しく人々を監視するために、人の形をして、降りた。3人は別々のところに降りたが、もともと仲が良く、時間があればそれぞれのところに会いに行ったりと過ごしていた。
その後年月が過ぎ、その3人はまだ監視者として人の形をして降りているが、その正体は不明らしい。
これで、昔話は終わり!てか今思ったんだけどさぁ、あの3人が力を合わせたら最強すぎない?後方支援がアポローン、アテナで、戦線がタナトスだったら、もう何もできないじゃん。
俺は、目を閉じて、昔ずっと仲が良かった親友を思い出す。
「俺が、早く情報を集めないと」
閉じていた目をもう一度開けて、パソコンに向かい合った。
コメント
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うわ、第11話、めっちゃ面白かったです!バベルの塔の神話を物語の世界観に取り込んでるのがまず好みどストライクでした。七番が「偽の神様」って吐き捨てるところ、それってつまりこの世界には“本物”の神も別にいるってことですよね…?しかも監視者3人の名前(アポローン、アテナ、タナトス)がギリシャ神話由来なのも気になる。この神話パート、単なる挿話じゃなくて本筋に繋がってきそうな予感がしてゾクゾクしました。続きめっちゃ楽しみです!