あれから年月が経ち、俺も学生から社会人へと変わった。
あれの事件で俺は「大森元貴」というキーワードを消した。
そして、その記憶を消すため俺は色んな子と付き合ったが満足いかなくて1ヶ月で別れた。
そして、また元貴への思いが強くなってきてしまっていた。
そんな夜、久々に1人で酒を飲んで酔っていると…
?:酒ぶっ掛けられてトラウマになってると思ったけど平気そうだねw
と煽り口調の奴が話しかけてきた。
聞き覚えのある声に俺は振り向くとあの頃とは別人のように変わった元貴が居た。
雰囲気などは変わっていないが性格は変わっており、しっかりとしていた。
そして何よりも初めて会った時の表情だった。
俺は驚き「ふえっ!」という変な声を出してしまった。
元貴はその声に笑い俺と向き合う感じに座ってきた。
そして一言俺に言う。
「僕ね、今一人暮らししてるんだ!」
俺は目を見開いた。
遠回しのお誘いか、それともただの報告か
そう考えていると目の前にメモをした紙を置いて来た。
「これ、僕の家の住所ね。気が向いたらきてよ」
その紙には元貴の住所が書かれていた。
俺は元貴の顔を見ないで紙に目線を送っていた。
緊張と嬉しさで俺はドキドキしていた。
この時、元貴はどんな表情をしていたんだろう
そう考えることも忘れて俺は席を立った。
元貴から渡された紙を握りしめ俺は店を出た。
久々の再開なのに、なんで…
悔しさで涙が零れる。
家に帰るまで、ずっと零れた。
コメント
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うはぁ…相変わらず天才だ…