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気まずい空気の中無言でハンドルを握った。あそこのパン屋さん美味しくて話題になってるらしいよ?せっかくだからよってく?私はこの空気を挽回するべく、新たな提案をした。
「ほんとだ…美味しそうだね。お腹も空いたところだし、寄ってくれる?」私はハザードランプを鳴らし,車を止めた。
「あぁこんにちは!」針田くんがたまたま会った会社の同僚の葉山さんに声をかけた。
「おぉ針田くんじゃないか奇遇だね!」
「早速だが、新しい資料について少し話さないかね?君に頼みたいのだが。」
妻がいる中でなぜ会社の話をするんだ。せめて挨拶ぐらいしてからだろう。
見ての通り僕はブラックな会社に勤めている。
だから、頭に湧いてくる大量の疑問を口に出すことはできない。だが、それを妻に話すわけにも行かないのでその面でも会社の話はしないで欲しい。そんな中妻が口を開いた。
「あの,こんにちは、あのいきなりですみませんが、私たちは今出かけるついでにパン屋によってるだけです。いきなり仕事の話をこの場でするのは、プライベートの侵害では?」
急な真波美のパンチラインに僕は驚き,同時に大きな心配が押し寄せてきた。
「真波美、、、すみません!うちの妻が、、」
何で謝るのかと不思議そうな目でこちらを見つめてくる真波美の視線は頭を下げたままでも十分伝わる。
「いやいや、こちらこそすまなかった💦デート楽しんでこいよ?笑」煽るように葉山は言う。
「わっっっデートだなんて」僕は焦ったように口走るが、確実に僕の顔は熱を帯びていた。
「ハハっありがとうございます!笑デート楽しんできます!笑」彼女があまりにも振り切った発言をするもんで僕はなにか今すぐこの場から離れたくなった。
ひと段落すると走ったように針田くんはパン屋に向かい,大袈裟にパンを選ぶそぶりを見せた。私も葉山さんに軽く挨拶し、すぐにパン屋に向かった。