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『マネキン』
俺は最近、美容院で働き始めた。
子供の頃からの夢だった。
でも新人なので掃除などが仕事のメインだ。
そんな俺に先輩が話しかけてくれた。
それから、その先輩とは仲良くしてもらっている。
仕事は雑用だけど、やりがいは感じている。
ある日、その先輩が姿を見せなくなった。
連絡しても返ってくることはなかった。
先輩は無断欠勤なんてするような人ではないので、みんなが心配している。
先輩がいなくなってから1週間が経っただろうか。
俺は店長に呼び出された。
「そろそろ雑用はいいかな。少しずつ髪を切る練習を始めようか」
俺はすごく嬉しかった。
「練習する頭のマネキンは店の奥の部屋にあるから店の開店前や閉店後に練習しときな」
「はい! 」
俺は早速、今日の閉店後に練習することにした。
閉店後、俺は奥の部屋へと向かった。
奥の部屋は薄暗く、シャンプー剤の匂いがほんのり残っていた。
その部屋にはいくつかの頭のマネキンが置いてあった。
その中にある一つのマネキンと目が合った気がした。
よく見るとそれは……先輩の顔だった。
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解説
語り手は髪を切る練習をしようとお店の奥の部屋に向かった。しかしそこには最近、姿を見せない先輩の顔があった。なぜ、先輩の頭があったのだろうか。そして誰がこんなことを……
この美容院は夢を叶える場所であると同時に、誰かの夢を奪った場所だったのかもしれない。
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