※小説「文豪ストレイドッグス STORM BRINGER」のネタバレ要素を含みます。
「…ヴェルレエヌさんに、君との婚姻許可を貰いに行って来た。」
突如俺の執務室に無言で這入って来たと思ったら、謎発言をするヤツの名は太宰治。
十五歳からずっと一緒に居る、恨ましく大嫌いな相棒だった。
「否、何云ッてンだ手前。」
「聞こえなかった?ヴェルレエヌさんに、私たちの結婚の許可を…
「それは分かってる。抑の話、何で俺と手前が結婚する前提で話してンだ?」
堪らず問うてやると、太宰は驚いた様に目を見開く。
「え、私達、付き合っているじゃない。そしたら次は結婚でしょ?何当たり前の事訊いてるの。」
待て待て待て待て。
そんな話は聞かされていない。先ず付き合ってすらいないぞ。
「は?気持ち悪ぃ事云ッてンじゃ無ェよ。付き合ってなんか無ェだろ。いつ何方が告白したんだよ?」
顔を顰めて問うてやると、太宰は 心底何を云っているのか分からない、と云いたげな表情をする。
「はああ???荒覇吐事件で、蘭堂さんを斃す時に恋人繋ぎをしただろう。そしてあの時から付き合い始めた、そうでしょう?」
マジで何云ってンだ此奴。
「手前あれを恋人繋ぎだと認知してたのか。」
「え、違うの?」
少しの静寂が降りる。
先に声を出したのは太宰だった。
「付き合って無い、なら今から付き合ってみる?あー、でも付き合わずに其の儘結婚しちゃう?」
この男はよくもまぁペラペラと喋るものだ。
否それより、付き合うだの結婚するだの、此奴は一体何を云っている?
俺達は嫌悪し合っている…相克であったが故、それを文字って双黒と呼ばれるようになったのだ。首領や部下達もそれを良く判っている。
な、の、に、此奴は嫌悪し合っている心算は無いのか?
否、十五歳の時から付き合っていたとしても、此奴から愛の言葉なんぞ聞いた事が無い。
「…手前、俺の事嫌いなんじゃなかったのかよ。」
「はあ?嫌いに決まってる。大嫌いだよ。でもその分、愛おしさがそれを上回ってしまうんだよ。」
この男は全く……。簡単に恥ずかしい事を云うなよな。
「否、結婚も何も、俺…人間じゃ
「中也は人間だよ。私がこんなにも嫌悪する相手が人間じゃないだなんて、有り得ないね。」
「只の2383行のプログラムならば、何れ程良かった事か。」
奴は俺の言葉を遮り、謎に納得させようとしてくるのを云い終え、フッ、と鼻で嗤った。
が、とんでもない事に気が付いてしまった。
「……は、おい待て。先刻ヴェルレエヌって云ッたか?」
「…そうだけど、すごく今更だね。」
ヴェルレエヌ?彼奴は未だ生きているのか?
何処で何をしている?
如何して太宰はそんな簡単に彼奴と会える?
脳裏を次々と ヴェルレエヌに関する疑問で埋めて行く。
「…未だ、生きてるンだな……。」
「はあ?君のお兄さんでしょうが。何でそのくらい知らないの。」
「…って、おい!婚姻云々に関して、ヴェルレエヌは何て云ッてた!」
「ちょ、落ち着いて。何なの急に食い付いてきて。ヴェルレエヌさんは勿論断っていたよ。断られるとは思っていたけれどね。」
奴は云い終えると舌打ちしたげな表情をする。
だが、一先ず安心した。
此奴はヴェルレエヌか姐さん、首領が許可したら全てやっていいと思っている、と思う。勿論許可して無くともやる事ァやるが。
「…まぁ、例え中也が怪物だったとしても、私は君が好きだったと思うよ。」
「…あ?何か云ッたか?」
「……何でも無いよ。あーあ、こんなチビの相手をしていたら私まで身長が縮んでしまう。」
「あぁ!?ンだとコラ!」
太宰が何か云ッた様な気もするが、そんな事は気にせず、一度怒鳴ってから書類に集中する。
「あぁ、そうそう。私達この後壊滅任務に行くから、疾っとと準備して。」
「はぁ!?ンなの聞いて無ェぞ!」
「だろうね。この間、一緒に報告行った時に云われたのだけど、君、うとうとしていたからね。」
何徹目だったの、と付け足す太宰を少し睨む。
気付いてンなら起こせよな。眠気に襲われてる間に話す首領も首領だが。
だが、久々の壊滅任務で腕が鳴る。
この男に因って溜まった鬱屈を発散するとしよう。
いやぁお久しぶりです。
しゅーせーです。
暫くサボってて書いてなかった所為で、語彙力鈍った気がします。
まぁ元からそんなの無いんですけど()
これ実は書き溜めてあったんですけど、未完で放置してたんですよね。
続きが思い付かなかったんですよ。
未完でどうしたらいいか分からず、友人に「これ続きどうしよ~~、かと云って消すのは勿体ないんよなあ」って見せたところ、「えいいじゃん、俺は好きだぞ」って云われたので、なんとなくで思いつく限り続きを書いて、やっと投稿できました。
そう云えば俺、三月の頭に卒業したんですよお。
祝ってくださいお願いします。
あとドス太リクエストされてるんですよね、友人に。
でもムズいのよな。あの色気ダダ漏れの二人はムズいて。
シチュも悩んでるし…🤔💭
結構先になるかもしれない()
今作は、恋人と勘違いしてた太宰と、人間じゃない事に劣等感を持つ中也、二人のお話です。いつもに増してシリアスにしまてみました。
ゆーて今回2000文字ちょっとなんですよ。う~~~ん少ない。もっと書き込みたいんですけど、あんまり長すぎるのもなぁ…と。本当は6000字くらい書きたいんですよねえ。
では、読んでくれてありがとうございました。
是非また覗きに来てくださいね〜。
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