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わんくっしょん💮この作品は、ご本人様とは一切関係ありません。💮ご本人様の目に届くようなことはしません。💮作者の完全なる妄想物語です。
お久しぶりですm(_ _)m
今回は、pixivとTERRORで結末を変えて載せてみました(どちらも駄作ですが)。
長文だしやっぱり駄作だし、自己満足感MAXですが、誰かの暇つぶしになれたらいいな。
「ソロデビューする気はない?」
某スタジオでレコーディングを終えたあと、メンバーと帰宅しようとしたところ1人呼び出されてそう聞かれた。
ソロデビュー……俺が?
いれいすに入り、活動を認められとうとうメジャーデビューしたのはほんの少し前。
そして今度は自分の歌が、「悠佑」が認められた…じわじわと胸の中に染み込んできた嬉しさに、自然と顔が赤くなった。悠佑のそんな顔を見て肯定と受け取ったのだろう、相手は満足げに頷いた。
「前からその見た目と歌のギャップは受けると思ってた。これからはどんどんメディアにでて顔を売っていこう。」
「顔、出すんですか…?」
「もちろん。むしろ出さない方が勿体ない。」
「でも、メンバーに迷惑かからないかな……。」
「何言ってるの?メジャーデビューするためには事務所移籍してもらうよ?」
「え……。」
「当たり前でしょ。いれいすは脱退。これからはうちの事務所でソロとして活躍してもらう。」
いれいすを脱退?あいつらと、離れる?
「じゃあ、早速手続きを…。」
「待ってください!……ちょっと、考えさせてください……。」
書類を用意しようとパソコンを操作しはじめた相手を、悠佑は自分でも驚く位の大声で止めた。
「………ないこ?」
ちょっと話がしたい、と呼び出されて来てみたらドアをノックしても返事はなく、居ないのかと思いつつも部屋に入ってみると椅子に座ってぼうっと一点を見つめているないこがいた。
「ないこたーん?」
「……おわっ、まろ!いつから……わっ!」
近くまで寄って目の前で手をふると慌てて立ち上がり、その弾みでないこは机の上にあった書類を盛大に下に落とした。
「あーあー、何やってんねん、ないこ。」
「ごめん……。」
しゅんとなって、書類を拾うないこ。そのいつもと明らかに違うないこの様子にいふは首を傾げた。
「なんか、あったん?」
「………。」
書類を拾うのを手伝いながら、軽い調子で聞いてみる。するとないこは手を止めて黙り込んだ。
「…?ないこ……?」
「……なあ、まろはさ、メンバーの事、好き?」
「は?」
「りうらとか、ほとけとか、初兎とか………悠佑とか。」「当たり前やん?ずっと一緒に頑張ってきた仲間やし。」
「…アイツらの大事なことが自分とは違ったら、まろならどうする?」
ないこは何を言いたいのだろう?いまいち理解できないまま、いふはちょっと考えて慎重に答えた。
「よく分からんけど……、話し合って、本当に大事なことなら応援する、かな。」
「そっか……。」
また、黙り込むないこ。
「なあ、どうしたん?誰かになんか、相談された?」「あのさ、実は………。」
ないこの話にいふは目を見開いた。
定期ミーティングの日。いつものように悠佑は集合時間の15分前についた。
「……あれ?」
ドアを開けて戸惑う。いつもならまだ誰も来ていないその場に、今日はもう全員揃っていた。
「今日って、集合時間違った?俺、遅刻やった?」
「ううん、あにき。あってる。大丈夫だよ。」
笑顔で返事をするないこ。なんだか、様子が変だ。いつもは賑やかなほとけと初兎も今日はずいぶんと大人しい。それどころか、何故か全員こちらと目を合わせようとしない。
「………?みんな、どうしたん?」
「いや……、じゃあみんな揃ったし始めようか。」
それぞれがその言葉に席についた。そのまま始まるミーティング。それも普段なら脱線しがちでないこが毎回怒鳴ることになるのに今日は一切そんなことなく淡々と進められていく。
結局今までにないくらいスムーズに終わることとなった。
「じゃあ、今日のミーティングはこれで。」
ないこのその言葉で、終了となった。なのに、誰1人その場から動かない。
「………、今日、これで終わりやんな?お疲れ。」
居心地の悪さに耐えきれなくなり、悠佑が立ち上がろうとした時。
「悠佑。」
突然ないこに名前呼びされた。
「お前さ、俺たちに言う事ない?」
「え……?」
「この前のレコーディングの時。ソロデビューの打診されたんでしょ?」
「っ!?」
ずばりと言われて、悠佑の体は固まった。
「移籍するようすすめられたんでしょ?何で言ってくれないの?」
「それ、は……。」
「…メジャーデビューは、悠くんの長年の夢やもんな。それも今度はソロで。」
「良かったじゃん。おめでとう、あにき。」
ちっともそんな事思ってないような声で、りうらと初兎。やはりこちらを見ようとはしない。
「いやそれは……断る、つもりで……。」
「は!?」
悠佑の一言で、今まで目を合わせようとしなかったくせに全員が一斉に悠佑のほうを向いた。
「なんで!?せっかくのチャンスなのに!」
「ソロデビューだよ?あにきの歌が、みとめられたんだよ?」
「いや、やって……俺はいれいすのメンバーやし……。みんなで武道館行く、っていう目標があるし。」
「悠佑。」
再び、名前呼びされた。静かに、そして僅かに震える声で。怒っている……?
「俺が最初にいれいすに誘った時、悠佑は自分1人の歌の力で頑張りたいからって断ったよね。諦められなかったから何回も誘って入ってもらった俺が言うのもなんだけど、何年も頑張ってきた悠佑が本当に望んでいたのは、そっちなんじゃないの?」
「………。」
「自分が決めた事を曲げるのが嫌?それとも、残される俺たちへの罪悪感?」
「っ違う……!」
「……あにきは、もっとデカくなれる男や。俺たちに遠慮なんてしないで行くべきやろ。」
「まろ……。」
「心配しないで、あにき!」
いふの方へ一歩近づいた悠佑に、取り繕ったような明るい声で、ほとけが言った。
「僕達なら、あにきがいなくてももう大丈夫!あにきに頼らなくても……何とかやって行けるから!」
ほとけの言葉を聞いた瞬間、大きく心臓が跳ねた。
俺がいなくてももう大丈夫
俺がいなくてもいれいすは
「…………。」
「…あにき?」
「……わかった。」
段々と下がっていく視線。急速に冷えていく体を何とか奮い立たたせ、悠佑はやっとのことで言葉を絞り出した。
「今まで…ありがとう。」
そう一言残し、部屋を出た。