「なんか俺生まれ変わってね?」
エゴイストは困惑した。メロスを凌駕する勢いで走り出したくなった。しかもなんかとっても見覚えあるし、でも我が家ではないこの家に居ることで、とても泣き出したくなっていた。
「とりあえず状況を把握しよう」
俺はみんなと遊んだ後、家に帰ろうとしたら吉良くんにさされた
で、なんか小さくなって今ここにいる
「はぁ????」
なんか手小さいし声高いし、そのくせ頭の双葉はご健在。意味がわからない助けて黒名
頭の中でモヤモヤしてたらドアがノックされた
「ど、どうぞ!」
「失礼します」
「え!?」
「坊ちゃん!?どうかしましたか!?」
「い、いえなんでも無いです帝襟さん」
帝襟アンリさん、ぽやっとしているがブルーロックを作ったバリバリのエゴイストだ。
俺は元々困惑していたが、帝襟さんがメイド服を着て俺を坊ちゃんと呼んでいる事実に叫び出したくなるほど困惑した。
だが適応能力のバケモノだけはあるくらいすぐ冷静になった
「あら坊ちゃん、どうかしましたか?」
「え?」
「いつもは名前で呼ぶではないですか」
「え…あ、アンリさん?」
「あ…うちの坊ちゃん尊い」
帝襟さんが突然倒れてしまった。どうしよう…とりあえず俺が寝ていたふっかふかのベッドに寝かせておく。
とりあえず着替え、部屋を出る
「うせやん…」
思わず宇宙猫を背負ってしまったが、許して欲しい。来たことは無いのに、凄く見たことがあるのだ。なんでかって?俺の前世(?)の時に読んでいたライトノベルで見たことあるやつだからだ
「俺…魔法使いになっちゃったぁ…」
そう、俺が読んでいたのは「異世界に転生されて魔法使いにさせられたけど俺魔力ありませんから!!」ってやつ。
俺は多分主人公が1番最初に友達になるやつで、当て馬ポジの奴
「なにこれぇ…」
生まれ変わったな〜って思ったら転生?え??くっそふざけんなおままごとサッカー野郎が一生地獄で燻ってろ
「よっちゃ〜ん」
「うぇ?????」
え??我が偉大なる母の声が聞こえたんだが??しかもよっちゃん??え??俺当て馬と同姓同名なの??なんちゅう奇跡だよ
「よっちゃん?どうかしたの?」
「な、なんでもない!!です」
「あら、敬語を使うなんてどうしたの?」
「お風邪引いちゃった?」
「い、いや!!なんでもないよ!!」
とりあえず散策をしよう
まず着いたのは馬鹿みてぇにでけぇご飯食べるところ。デッケェな〜って思ってたら名前を呼ばれた
「坊ちゃ〜ん!」
「ひゃ、ひゃい!!」
「きゃわ…んん!!」
「朝食の用意が出来ましたよ」
「あ、ありがとうございます!!」
なんかよく分からん言語が聞こえたが知らないフリをしておこう。
そう思ってとんでもなくでかいテーブルがあり、驚きながら椅子に座る。天井にばかでけぇシャンデリアがありそれを眺めながらぼーっとしていると、なんか高級レストランとかで出てきそうなお料理が出てきた。俺テーブルマナーとかちゃんと覚えてねぇんだけど
こういう時は冴がやってた感じの真似すりゃいっか(冴とフレンチ行ってる男)
「はぁ…疲れたぁ〜」
さすがの適応能力の天才でも、異世界だと疲れる。そんな俺を見たアンリさんが心配してくれたが…俺の前世のことは伝えた方が良いのだろうか…?
「坊ちゃん?」
「あの…アンリさん!!」
「へ??は、はい!!」
「実は俺、この人生2回目なんです!!」
その後、しばらくアンリさんの困惑の悲鳴で館は満たされた
「なるほど…ストーカーに殺されてしまった…と」
「ストーカーっていうか分かんないですけどね…」
「とりあえず坊ちゃんはこの世界の事をよく知りませんよね?」
「教科書があるので、それで一緒に勉強しましょう!!」
「うぅ…勉強は苦手なんです…」
「慣れなきゃずっと疲れっぱなしですよ」
「…やります…」(・ε・` )
さて、それからアンリさんによる「お坊ちゃん育成計画!!」はスタートした
まずはこの世界での基礎となる知識
ぽや〜っとしながら読んでいたが意外と設定は作り込まれているみたいで、元素から魔法が出来る。それが全ての魔法の大元となる元素魔法、これは大元だからこそ使いこなせる人は少ないらしい
大元なのに??
「大昔は全ての人が使いこなせたんですが、今ではどの血を引き継いでいるのかや身体能力、知力など、自身にあった魔法を使うことが多くなったので元素を使うことは少なくなり、さらに元素魔法は大元なだけあって少々性格に難アリ、と言いますか…」
「魔法に性格?」
「と、言うかハ○ーポッターで言う杖の選び方みたいなものです」
「魔法がその人を気に入ると、魔法の主人となる、みたいな」
「ほへ〜」
よく分からんが魔法があるってことだけわかった。
あれ?そもそも元素ってなんだ?
「あぁ、元素は火、水、風、花、大地です」
「へ〜…そうなんですね〜」
「元素と言ってますけどそれにも元はあるらしいですよ」
「へ?元素なんだから全ての大元何じゃないですか?」
「そうなんですが…唯一元素を生み出したとされるのが日、つまり太陽です」
何故日??どっちかと言うと大地が全ての始まりのように感じるが…
「そうなんですけども、太陽がないと火は起こらない、水は溢れない、風は生まれない、花は咲かない、大地は潤わないみたいなことが言われてるんです」
よく分からない…
「まぁ私もです…」
「さっきからなんでアンリさん俺の心読んでるの!?!?」
「顔に出てるんすよ!!坊ちゃん!!」
なんてことだ…俺はそんなに顔面に出るタイプの人間なのか…
「勉強の息抜きとして少しお散歩に行きません?」
お散歩!!この小説の庭はかなり作り込まれているようだから少し気になる…行きたい!
「行きましょう!!」
「うっ…うちの坊ちゃん尊い…」
またまたよく分からない言葉が聞こえたので知らないフリをしておく
「わぁぁあ!!!」
凄く広い!!しかもなんか俺の大好きな花とか、小説で出てきた魔法の木がある!!
魔法の木は確か3万年以上は存在する木で、魔力に溢れているらしい…?
あと、この木はどの魔法の使い手かで葉っぱの色が変わるらしい…凄い!!
あとなんか妖精飛んでる
「凄いでしょう?」
「はい!!こんなにすごい景色久しぶりに見ました!!」
「あら、これくらいのものを前世で見たことがあるんですか?」
「ん〜…なんて言うか…俺にだけキラキラして見えてたのかも知れません…」
俺は前世で、W杯で優勝したのだ。
その瞬間の歓声は、今でも忘れられない。
いや、忘れたくないんだ。
長年の俺の夢がやっとかなった。そのすぐ後に俺は死んでしまったんだ
俺は…サッカーが無いなら…
どう生きれば良いんだ?
「坊ちゃん?」
「へ?あ、アンリさん!?」
「ぼーっとしてますがおねつがあるんですか?」
「いや、だ、大丈夫です!!」
いけないいけない…心配させないようにしないと…
「お坊ちゃんにはとりあえず、この家のことを把握して貰いますね」
「はぁい…」
俺はサッカーIQは高くても普段のIQは平均…くらいだと思いたいので勉強は無理かもしれない…
「まずお坊ちゃんの家はイサギ家というすんげぇ家です」
「すんげぇ家」
小説だとイサギ家の子は主人公の友達兼当て馬ポジなんだよな???すんげぇ家なのに???
「イサギ家は代々風の精霊のご加護を受けています」
「ゴカゴ」
ご加護???んなもん小説で言ってたか???やべぇなちゃんと読んでおけばよかった
そうだ、そんな時は烏の言葉を思い出そう。
(烏烏〜)
(なんや凡)
(烏って誕生日いつなの〜?)
(8月15日)
(はっ…つまり…)
(そう…)
((盆や!!))
「すいませんご加護ってなんでっしゃろ」
「あぁ、ご加護はなんか精霊この家守ってるで〜的な」
「的な!?!?」
「ちゃんとは分かってないんですよ!!!」
大丈夫かこの世界…
と、まぁ何となくでアンリさんの説明を受けながら頑張って1日を過ごした訳で
なう私室!!!!
今日は随分と濃い1日だった…特濃ミ○クより濃かった…
さて、アンリさんによれば明日から魔法学校らしい
いや無理だが??????転生して2日目で学校は無理だわ
「ほんとにマジ無理…」
「もぅむり…まぢりすかしょ…」
とまぁ変なこと言えるくらいにはこの状況に慣れた訳で
さすが俺、適応能力の天才だ。
自分で何言ってんだと思われるかもしれないが言わせてくれ、これくらい自分で言えないと俺もうやっていけない。アドレナリン全開じゃなきゃ今「もぅむり…まぢりすかしょ」とか言えてない
「あいついないとちょっと寂しいな…」
「なんてな…」
コメント
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初コメ失礼します。 いや、面白かったです! 続き楽しみにしてます!
見るの遅くなってごめんね(*_ _) 花は面白くて良いと思うよ!!