テラーノベル
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第12話「王の視線」
梵天本拠地、最上階。
窓際のソファに座り、マイキーはぼんやりと夜景を眺めていた。
万「……」
手に持った缶コーヒーを揺らしながら、気の抜けたような表情。
だが、その瞳だけは鋭く、何かを考えている。
そこへ、静かな足音。
三「呼びましたか、マイキー♡」
万「んー……三途さ」
三「はい♡」
万「莉々、どう思う?」
三途は一瞬だけ言葉に詰まったが、すぐに答える。
三「危険人物、ですかね」
万「即答だね」
三「強すぎる。判断が早すぎる。感情が薄すぎる。あれは、普通の育ち方をしていないのかと」
万「・・・」
三「使い方を誤れば、組織そのものを壊しかねない存在です」
万「逆に言えば?」
三「……正しく扱えば、最強の駒になります」
マイキーは小さく笑った。
万「駒、」
三「はい」
万「俺は」
マイキーは、ふっと視線を窓から外し、三途を見る。
万「あれが“生き方を忘れた人間”に見える」
三「……」
万「強いのに、死にそう」
三途は何も答えなかった。
一方、その頃。
私は自室で、報告書の整理をしていた。
莉「……」
指は自然に動く。
だが、頭の奥が、ひどく静かだ。
――嫌な静けさ。
こういう時ほど、記憶は容赦なく蘇る。
白い部屋。
無機質な照明。
冷たい金属音。
莉「……」
思わず、手が止まる。
次の瞬間。
コンコン、と控えめなノック音。
莉「どうぞ」
扉が開き、ココが顔を出した。
コ「珍しいな。まだ起きてるとは」
莉「作業が残っておりまして」
コ「相変わらずだ」
ココは軽く肩をすくめ、部屋に入ってくる。
コ「マイキーが呼んでる。屋上だ」
莉「……承知しました」
立ち上がり、資料を整える。
廊下を歩きながら、胸の奥がざわついた。
――嫌な予感。
だが、拒否権はない。
屋上。
夜風が、冷たく頬を撫でた。
フェンスにもたれかかるマイキーの背中。
莉「お呼びでしょうか」
万「ちょっと 話させて」
振り返り、軽く手招き。
莉「失礼いたします」
数歩、距離を詰める。
マイキーは、じっと私を見た。
万「幹部になってどう?」
莉「……業務内容自体に、大きな変化はございません」
万「うん」
しばらく沈黙。
夜風と、遠くの車の音だけが響く。
万「なぁ、」
莉「はい」
万「生きるの、楽しいのか?」
一瞬、言葉が詰まる。
莉「……」
万「正直に答えていいよ」
しばらく考え、ゆっくりと口を開いた。
莉「……分かりません」
万「・・・」
莉「ですが、ここにいる理由はあります」
万「理由?」
莉「……生き残るためです」
マイキーは、少しだけ目を細めた。
万「なるほどね」
それ以上、踏み込んではこなかった。
だが、その視線は、どこか探るようで。
万「無理はすんな」
莉「……お心遣い、感謝いたします」
マイキーは、小さく笑った。
万「壊れたら、つまんないからさ」
莉「……」
その言葉に、胸の奥が、僅かに軋む。
部屋へ戻る途中。
無意識に、壁に手をついた。
息が、少しだけ荒い。
莉「……」
頭の奥に、また、あの光景。
押さえつけられる腕。
冷たい床。
注射針。
莉「……っ」
唇を噛み、耐える。
――思い出すな。
過去は、終わった。
そう、何度も言い聞かせてきた。
だが。
莉「……まだ、終わっていないのかもしれませんね」
誰にも聞こえない声で、呟いた。
あのすいませんマイキーのキャラ崩壊気味かもです
申し訳ないです、
すいません!
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