テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第二十七章
決戦への道
―唯一の討伐法―
重苦しい沈黙を破ったのは、琥珀だった。
「……あの。話は、とりあえず分かりました……」
小さく零れた声は、わずかに震えていた。
「……納得は、できないけど」
俯いたまま唇を噛み締める。
「それで……邪神は、どうすれば……」
言葉はそこで途切れた。
封印することもできない。
滅ぼすことすら叶わない神。
その存在を前に、答えなど思い浮かぶはずもなかった。
煉華はそっと琥珀の背中に手を添え、静かに前へと歩み出る。
「……封印ができないのなら、倒すしかありません」
真紅の瞳で、神父を真っ直ぐ見据える。
「その方法は……あるんですよね?」
神父は静かに頷いた。
「……あります」
四人の視線が、一斉に神父へ集まる。
神父は静かに息を吸い、厳かな声で告げた。
「邪神を滅ぼす唯一の方法――それは、四神の力を一つに重ね、皆さま四人の最終奥義を同時に邪神へ撃ち込むことです」
その言葉は、神殿の静寂に重く響いた。
誰一人として口を開くことはできない。
ただ、その重みだけが、四人の胸に深くのしかかった。
◇ ◇ ◇
神父との話を終えた四人は、それぞれ用意された個室で静かに休んでいた。
煉華は窓辺に立ち、夜空を見上げる。
「……力を使えば、五感の一つを失う」
改めて口にした瞬間、指先が小さく震えた。
何を失うのだろう。
その恐怖は、胸の奥を静かに締めつける。
怖い。
それでも――。
「……護らなきゃ」
その想いだけは、恐怖を上回っていた。
煉華はぎゅっと拳を握り締める。
そして静かに目を閉じ、大き
く息を吸った。
ゆっくりと吐き出す。
その瞳には、恐怖を抱えながらも、揺るがぬ決意が宿っていた。
コメント
1件
決戦への道、重い一歩でしたね。煉華が恐怖を抱えながらも「護らなきゃ」で踏みとどまる場面、胸にきました。邪神を倒す唯一の方法と代償の設定が丁寧で、これからの展開がますます気になります。四神の力がどう重なるのか、続きを楽しみにしています。