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(株)姫神V
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生成された画像:夕焼けの港でのひととき
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生成された画像:港の食堂でのひととき
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生成された画像:海辺の食堂でのひととき
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第五章 「初めてのお祭り」
夏が近づき、港町には活気が戻ってきていた。
海風に揺れる色とりどりの旗。
露店を組み立てる人々。
子どもたちは「早く祭りの日にならないかな」とはしゃいでいる。
家の縁側でその様子を見ていたセトは、不思議そうに首を傾げた。
「ルル。」
「ん?」
「みんな……何してるの?」
ルルは網を畳みながら振り返る。
「ああ、もうすぐ夏祭りだからな。」
「なつ……まつり?」
「町のみんなで遊んだり、美味しいもの食べたり、花火を見たりする日。」
「遊ぶ……?」
セトは聞き慣れない言葉を繰り返した。
研究所では「遊び」というものは存在しなかった。
あるのは実験と訓練だけ。
ルルはそんなセトを見て、にっと笑う。
「よし。」
「今年は一緒に行こう。」
「……僕も?」
「もちろん。」
「でも……。」
セトは自分の狼耳をそっと触る。
「耳……。」
「尻尾も。」
「見つかったら……。」
ルルは少し考え込むと、家の押し入れを開けた。
「そうだ。」
中から麦わら帽子を取り出す。
「これなら耳は隠せる。」
次に、少し大きめの紺色の羽織を肩へ掛ける。
ふわふわの尻尾も、ちょうど隠れた。
「……見えない?」
「うん、全然。」
鏡を見ると、本当に普通の青年に見える。
セトは少しだけ笑った。
「ありがとう。」
祭り当日。
町は朝から賑わっていた。
「すごい……。」
セトは目を丸くする。
提灯。
屋台。
笑い声。
焼きそばの香り。
甘い綿あめ。
すべてが初めてだった。
「迷子になるなよ。」
ルルが自然にセトの手を握る。
「……!」
セトは驚く。
「人多いからさ。」
「は、はい。」
ぎこちなく手を握り返す。
胸がどきどきする。
理由はよく分からない。
でも、嫌ではなかった。
「セト!」
「これ見ろ!」
ルルがりんご飴を差し出す。
真っ赤に光る飴。
「食べる?」
「これ……りんご?」
「そう。」
恐る恐る一口。
カリッ。
甘い。
「……!」
「甘い……!」
「だろ?」
ルルは声を上げて笑う。
次は焼きとうもろこし。
たこ焼き。
かき氷。
セトは一つ食べるたびに目を輝かせる。
「人間って……。」
「こんなに美味しいもの食べてるの?」
「毎日じゃないけどな。」
「……いいな。」
その呟きを聞き、ルルは少しだけ切ない顔をした。
日が暮れる頃。
「もうすぐ花火だ。」
二人は港の防波堤へ腰掛けた。
「花火?」
「空を見る。」
ドンッ。
夜空へ一発目が打ち上がる。
大輪の花が夜空に咲いた。
「……!」
セトの瞳に光が映る。
赤。
青。
金。
次々と咲いては消えていく。
「きれい……。」
その声は震えていた。
「こんなの……初めて。」
ルルは花火ではなく、セトを見ていた。
無邪気に笑うその横顔が、花火よりも眩しく見えた。
「セト。」
「?」
「来年も、一緒に見よう。」
セトは少し照れながら頷く。
「うん。」
「再来年も?」
「うん。」
「その次も。」
「……ずっと?」
ルルは笑う。
「ずっと。」
セトも、小さく笑い返した。
「約束。」
そう言って、小指を差し出す。
「これ、何?」
「約束するときにするんだ。」
「……。」
セトは見よう見まねで小指を絡めた。
「ゆびきり。」
「げんまん。」
二人は笑い合う。
その瞬間だった。
花火の音に紛れて、遠くの丘で何かが光る。
カシャ。
小さなシャッター音。
「博士。」
助手がカメラを下ろす。
「二人の様子を撮影しました。」
博士は写真を見つめる。
そこには、笑顔で花火を見上げるセトとルルの姿が写っていた。
「笑っている……。」
博士は静かに呟く。
「実験体No.0124には存在しなかった表情だ。」
その瞳には、研究者としての興味だけでなく、どこか複雑な感情も浮かんでいた。
「もう少しだ。」
「あと少しで、”完成”する。」
博士は意味深に微笑み、夜の闇へと姿を消した。
一方、そのことを知らないセトは、夜空に咲く最後の花火を見上げながら、心の中で静かに願っていた。
――この幸せな日々が、明日も続きますように。
コメント
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うわああ第五章「はじめての祭り」読み終えたよ〜〜!!😭💕 セトくんが初めてのお祭りではしゃぐ姿、もう尊すぎて胸がグッと来た…!! 麦わら帽子と羽織で耳と尻尾隠すルルちゃんの優しさよ…! あと手繋ぐシーンのどきどき感、完全に青春エモじゃん?! 花火の下で「ずっと一緒にいよう」って小指絡める約束… もうその瞬間が永遠であってくれ!って思ったよ…✨ でも最後の博士の影… あの意味深な「完成」ってなに?! 幸せな時間の裏で何かが動いてる感じがして、続きが気になって仕方ない!! ルルちゃ、次話も早く読みたいです!!🌸