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学校が再開した朝、私はいつもより早く教室に入った。これで神風が来る前に準備できるし、あいつと顔を合わせなくて済む。昨日の「ドッキリ」で神風を散々振り回してやったけど、今日ももう少し遊んでやろうと思ってる。
「……さあ、どう出るかな。」
私が机に座り、何気なくスマホをいじっていると、騒がしい声が廊下から聞こえてきた。
「千秋ー! 千秋ー!」
案の定、神風だ。あいつ、まだ懲りてないのか。それとも昨日のことを本気にしていないのか、どっちだろう。どっちでもいいけど、今日はもっと冷たくして、しばらくは距離を置こう。
「……。」
神風が教室に入ってきたけど、私は顔を上げずに無視した。わざと冷たい態度を取って、あいつを困らせようって思ってたから。
「おい、千秋ー! 昨日はお前からのドッキリかよ?まじで焦ったんだけど!」神風が楽しげに言ってくる。けど、私はちらっと見ただけで何も言わなかった。
「お前、まさか本気じゃないよな?え、千秋?」
声に明るさはあるけど、少しだけ不安そうな感じが混じってる。そんなところを見ると、やっぱり昨日の「好き」ってメッセージには驚いたみたいね。でも、今はそんな神風に優しくしてやるつもりはない。
「……。」
無言のまま、さらに冷たい視線を送る。神風が隣に座り込んできたけど、私は完全にスルーしている。
「え、ちょっと待てよ。なんでそんなに冷たいんだよ?」神風はいつもの調子で笑ってるけど、だんだん困惑の色が濃くなってきてるのがわかる。
「別に、何もないけど?」私は冷たく言い放って、再びスマホに集中したふりをした。ドキドキしている自分を隠すためにも、徹底的に冷たい態度を続ける必要がある。
「お前、ほんとになんか怒ってる?」
神風の声に、少し戸惑いが混ざり始めてる。いつもは明るくてうるさいあいつが、ここまで動揺するのは珍しい。ドッキリだとは分かっていても、これだけ冷たくされると不安になるのかもしれない。
「うるさい、黙って。」そう言って、私はまた無視する。それでも神風はめげずに何か言おうとしていたけど、すぐに他のクラスメイトが教室に入ってきて、あいつは諦めたみたいだ。
私はこっそりため息をついて、窓の外を眺めた。少しやりすぎたかな? でも、今日はこれくらいで終わりにしよう。しばらくして、神風も気づいてくれるはずだ。私が本気で怒ってるわけじゃないってことを。
「ふぅ……。やれやれ、手間のかかる奴。」
心の中でそう呟きながら、私は次の展開を楽しみにしていた。神風がどう動くか、少しだけ期待している自分がいる。