テラーノベル
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結局、一人じゃ何もできなくて、救急車を呼んだ。
赤と青の光が窓から差し込み、サイレンの音はやけに大きく聞こえた。
医者や看護師からも虐待を疑われた。
容赦のない取り調べだった。
医者は若干キレ気味で。
「玄関の前に捨てられていた」なんて御伽話みたいな言い訳も通用しなくて。
あいつのせいだ。
あいつが俺の所に捨てられてなければ。
あいつのせいで、あいつのせいで。
あいつが全て悪いんだ。
憎しみが沸々と湧いてくる。
取り調べ室の椅子で俯いたまま拳を握り締めた。
「あの子は人工呼吸器で繋がれてギリギリの命なんだぞ。殺すつもりだったのか?」
目の前の警察官は冷たい眼差しで問い詰めてくる。
「殺すつもりだったら救急車なんて呼ばねーよ。」
その横では冷静に手帳を持って記録をしている。
本当に最悪だ。
その時。
取り調べ室の扉が開いた。
ガチャンという重い音が部屋に響き渡る。
「失礼します。」
礼儀正しく入ってきたのは、別の警察官だった。
目の前にいる警察官は、気分が悪そうに返事をする。
「どうした」
そう言いながら、入ってきた警察官の方を向いた。
「午前4時の早朝、近くの建物にあった監視カメラの映像に、玄関前に段ボールが置かれたのが確認されました。」
目の前の警察官は一瞬目を丸くした後、すぐ険しい表情に戻った。
「…そうか。」
一呼吸置いた後、またこちらに視線が向けられる。
「本当なのはわかったが、何か与える時はちゃんと丁寧に、調べてから与えろよ。」
そのまま警察官はバツが悪そうに出ていった。
立ち去っていく警察官の背中を睨み、パイプ椅子から立ち上がる。
早く自宅へ帰らねば。
そう思い、足早に家路に着いた。
帰宅すると、まだ家に異臭がこびりついていた。
換気しとけばよかった。
なんて後悔する以前に、これをどう処理するかだ。
汚れているのはどうせ段ボールと段ボールに敷かれている布だけなので、段ボールごと外に放り捨てた。
その後、窓を全開にして、換気を始める。
あいつのせいで最っ高に気分が悪い。
よくもこんなことを。
憎悪のままに床を睨み、舌打ちをした。
まだ夕方だがもう寝てしまおう。
やけくそにベッドへ寝転がると、ポケットに入れていたスマホから着信音が鳴った。
スマホを手に取って、気怠げに画面を覗く。
Noliからだ。
一気に気分が上がる。
すぐにベッドから起き上がって、通話を繋げた。
「あっ、seven!」
通話を繋いだ瞬間。スマホのスピーカーから、聞き慣れている声が耳に飛び込んできた。
Noliとの通話で弾む気分を抑えながら、冷静に返事をした。
「あぁ、どうした?」
「ちょっとだけ、声聞きたくなっちゃって……」
可愛らしい理由に胸がきゅんとする。
「っは、そうか」
照れ笑いが混じった声で返事をすると、通話越しの彼も「えへへ」と可愛らしく笑った。
「なぁ、noli」
「なぁに?」
「その…、今からお前の家行ってもいいか?」
少し照れ臭くて、口籠ってしまったが、スマホのスピーカーはちゃんと音を拾ったようだ。
「ん、……もちろん、いつでも来て!」
「さんきゅー、noli。じゃあ、また後で」
「うん、また後で!」
優しい返事を確認した後、通話を切った。
正直、この家にいると気が狂いそうで。
今日だけでも別の場所に行きたかった。
なんて現実逃避をする為に、シャワーを浴びたり、支度をしたりした後、軽い足取りでnoliの家に向かった。
コメント
1件
**第二話、読んだわ。** 最初の救急車シーンから取り調べの空気感、マジでしんどかった……。あの「あいつのせいで」って憎しみがぐるぐるしてる感じ、すごい生々しかったわ。監視カメラの映像で疑惑が晴れたのはホッとしたけど、胸糞悪さはまだ残るよな。 そこからのNoliからの電話! 「声聞きたくなっちゃって」って急に空気が柔らかくなって、めっちゃいい緩急やった。素直に「今から行ってもいいか?」って聞けるの、いい関係だよなあ。 続き、めっちゃ気になるわ!
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