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楽屋
いつものようにアロハがタクヤに抱きつこうとして、タクヤがそれを冷たくあしらう
アロハ ( タクヤくーん! 今日もめちゃくちゃ綺麗っすね ぎゅーしていいですか!?
タクヤ ( うっせぇ、離せ。暑苦しいんだよ…ほらあっち行け
アロハ ( えー! 相変わらず冷たいなあ…でも、 そんなタクヤくんも大好きっすよ
タクヤ ( はいはい、知らねーよ
タクヤ ( ( こいつ、毎日毎日しつこいんだよな…まあ、愛されてる自覚はあるけど…/// 少しは焦らせてやってもいいか )
そんな軽い気持ちで、タクヤはわざとアロハの目の前でハルを呼び寄せた
タクヤ ( ハル、こっち…今日のダンス、ここ教えて。
タクヤ ( お前、最近ほんとかっこよくなったよな
ハル ( え、本当ですか!? タクヤくんに褒められるなんて最高…
タクヤはハルの肩を抱き寄せ、耳元で囁くように笑ってみせる
タクヤ ( ( ちらっとアロハを見て ) …あれ? 無視? もっと怒るかと思ったのに )
アロハは無言で、ただ静かにその光景を見つめていた
⸻
それから、アロハの態度が完全に「無」になった
タクヤが話しかけても、アロハはスマホから目を離さずに短く答えるだけ
タクヤ ( ねえ、アロハ…これお前の分のアイス
アロハ ( いらないです、ハルにあげればいいんじゃないですか
敬語、拒絶
タクヤの隣には、今はもうアロハはいなかった
一週間が過ぎる頃、タクヤの心はボロボロになっていた
アロハが他のメンバーと笑い合っているのを見るだけで、息が止まるほど苦しい
タクヤ ( ( 嫌だ、嫌だよッ…俺、そんなつもりじゃなかったのに…
夜、最後の一人になったアロハが楽屋を出ようとした瞬間タクヤがその背中にしがみついた
タクヤ ( 待って! お願い…待ってよ、アロハ!
アロハ ( …何ですかもう遅いですよ、帰らせてください
タクヤ ( ごめん、ごめんなさいッ! ハルとは何でもないお前を焦らせたかっただけなんだ!
タクヤ ( だから…捨てないで…俺を独りにしないでよッ…
タクヤはアロハの背中に顔を押し当て、子供のように泣きじゃくった
⸻
静寂が流れる
アロハがゆっくりと振り返りタクヤを壁に押しつけ
アロハ ( ……やっと言った
低い、聞いたこともないような冷徹な声
アロハ ( タクヤくん。 自分から折れるのずっと待ってたんですよ
タクヤ ( ……え?
アロハの瞳にはいつもの明るさなんて微塵もなかった
底の見えないドロリとした執着だけがタクヤを射抜く
アロハ ( 俺を試そうとした報い、たっぷり受けてもらいますよ…もう二度と、俺以外の男に触れようなんて思えないくらいにね
アロハはタクヤの手首を片手で封じ、服の上からでも分かるほど強く首筋に歯を立てた
タクヤ ( …ッあ!! 痛ぇ…アロハ、やめッ…!
アロハ ( やめない、タクヤくんが欲しかったのはこれだろ?
アロハの舌が、そのまま熱く口付けを強引にする
タクヤ ( …んんッ!んっ、あ♡
理性を溶かすようなアロハの熱にタクヤはもう溶けそうだった
タクヤ ( ( 怖い、けど…嬉しいアロハが、俺を見てくれてる… )
⸻
深夜
アロハの腕の中でぐったりと力なく横たわるタクヤ
アロハは自分の印だらけになったタクヤの髪を、愛おしそうに撫でていた
アロハ ( …タクヤくん大好きですよ
アロハ (ずっと、俺だけの可愛いタクヤくんでいてくださいね
タクヤ ( バカ…アロハが、いなきゃダメなんだよ…ッ
タクヤ ( ( もう一生離れない。アロハだけがいればいい )
タクヤは安心しきったようにアロハの胸の中で瞳を閉じた
それを見下ろしながらアロハの口角が暗闇の中でゆっくりと上がる
アロハ ( ………… )
アロハ ( ( …タクヤくんがハルに近づいて俺を煽った瞬間から全部計算通り )
アロハ ( ( あえて突き放してあんたが泣いて縋ってくるのを、ずっと待ってたんだ )
アロハ ( ( ほら、やっぱり俺なしじゃ生きていけない体になった…一生その檻の中で可愛がってあげるよ )
アロハはタクヤに気づかれないよう暗闇の中で静かに深く、ニヤリと笑った