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どうしようどうしようと迷いましたが、冴凛や凛冴以外が書けない自体に陥りまして…🙇♀️つまらない者ですみません💦
凛冴 微ホラー で書きたいと思います
⚠死ネタ ⚠原作無視 ⚠微ホラー ⚠糸師兄弟 幼少期創造
⚠本当に原作関係ありません
夏休み。電車を乗り継ぎ、揺られること2時間半。母親に渡されたメモを頼りに、目的地を目指す。
メモに書かれた駅で降り、改札を抜け、待ち合わせ場所と記されている場所に向かう。
誰が来るとは詳しく聞いていない。←ちゃんと聞いてなかった
とりあえず向かう。すると、「兄ちゃん!」と声を掛けられた。兄ちゃん…?と思いながら振り向くと、
俺と同じ…ターコイズブルーの瞳が、俺の方を見上げていた。兄ちゃん…?俺が?人違いだろ。
だって、俺に弟なんて居ないから。
「人違いだろ」
と言うと、そいつは今にも泣きそうな顔をし始めた。泣かれるのは面倒だ。それに、こいつ髪質は全然違うけど、よく見ると母さんに似てるし、俺と同じ瞳の色だし、本当に兄弟かもしれない。
「あー、悪ぃ。お前、名前は?」
『俺は凛!糸師 凛!』
糸師、確かに同じ苗字だ。こいつ、本当に俺の兄弟かもしれない。待ち合わせ場所に来たのはこいつだけか…?両親…は家に居るし、ここ親戚住んでたっけ…?あ、母さんの妹が使ってた空き家に用があったんだ。
「凛…?の家はどこにあるんだ?」
『お母さんの妹が使ってたお家だよ!兄ちゃん遊びに来てくれたんでしょ?』
「あ?あぁ…」
なんでそこまで知ってんだ?母さんが電話で伝えたとか…?でもこいつ、今8歳くらいだろ。電話使えるのか…?
色々疑問はあるが、まぁ良いだろう。
その弟と名乗る凛って奴に腕を引かれ、俺はとある家の前に立った。母さんの妹の家、小さい時に来たからそんなに覚えてねぇんだよな…。ここだっけ。メモどっかいった。
『兄ちゃんどうしたの?』
と、凛が振り返って、肩越しに俺を見つめる。
「いや、何でもねぇよ。お邪魔します」
と靴を揃えて家にあがる。
「凛、一人暮らししてるのか?」
『?うん、そうだよ!』
凛は不思議そうに首を傾げ、キョトンとした後、元気よく答えた。その歳で一人暮らしは…危険だろ。まぁ親が許可してるなら良いのか。第一、俺はサッカー以外に興味ねぇし、頭も良くねぇし。深く考えるのもサッカー以外では好きじゃない。
「ちゃんと飯食ってるか?」
『勿論!いつも元気だよ〜』
と凛は部屋の中にトテトテ走って行く。その後を追うようにしてリビングに入ると、絵本やフィギュアやボールが転がっていた。洗濯や掃除、皿洗いなどはちゃんと出来ているようで、そんなに散らかってはいなかった。床におもちゃが転がってるくらい。
「お前、フィギュアで遊ぶのが好きなんだな」
と、足元にフィギュアを持ってきて、俺の足を障害物にして遊び始めた凛に言うと
『凛!俺の名前は 凛 !』
いかにも、名前で呼べと言っているような感じで教え込まれる。凛…。いい名前だな。
「いい名前だな、凛。俺は糸師 冴、お前の兄ちゃんだ」
と言いながら頭を撫でてやると、満足そうに微笑み、フィギュアを片付けて、スケッチブックとクレヨンを机に広げ始めた。絵描くのが好きなんだな。
荷物を部屋の端っこに置かせてもらい、凛の向かいの椅子に座る。芸術のセンスは欠けらも無いようだ。緑の花弁の花と、赤茶色の花弁の花を描いている。黄緑と赤茶と緑しか使っていない。
「何でその色なんだ?」
理由は無いと思いながら聞いてみる。すると、
『兄ちゃんの髪の毛の色と、俺の目の色と、草の色!』
と元気よく答えてくれた。ちゃんと理由があったんだな。
「確かにそうだな…」
と返事を返し、テレビをつける。そういえば今日、ドイツと日本の試合あるじゃん。午前3時…見なきゃ。今日は凛もいるし、早く寝て早く起きて試合見よう。なんてことを考えている間に、凛は絵を描き終わり、俺をじっと見つめていた。
「なんだ」
『兄ちゃん…かっこいいね』
うわ言のように呟いた。
「そうか?」
『うん、流石兄ちゃん!! …兄ちゃんはサッカーが好きなの?』
あぁ、ボール持ってるからか。
「サッカーは俺の人生の全てだからな」
サッカーをやらない人生なんて耐えられない。サッカーがあるから俺が生きてるようなもんだ。
凛はそういう俺を見つめながら
『俺も…病気じゃなかったらなぁ…』
と言った。病気なのか、凛は…。
「凛は持病でもあるのか?」
『ちょっと、ね…』
と言いにくそうに返事をしたので、これ以上は聞かないでおこう。無理に聞き出すのも良くないだろう。時間は 午後二時を過ぎたところで、凛はテレビを見始めた。映画を見ているらしい。
『兄ちゃんは…俺のこと 何も知らされてなかったの?』
不意に投げかけられた質問。でもその質問には、凛の悲しさと、恨みと、悔しさ…様々な秘められた感情が乗せられている気がした。でも、ここは素直に答えよう。
「何も知らされてなかったよ。ずっと一人っ子だと思ってた」
そう、俺はずっと一人っ子だと思ってた。ずっと兄弟がいる奴らの話を小耳に挟んで、羨ましいな…と柄にもない事を考えているような子供だった。兄弟なんて、居ても良いことなんて一つもないと分かっているのに。
『そっか…、母さんは泣かなかったのかな…』
「俺の前では泣かなかった」
『いつも?』
「いつも」
母さんは俺に弱い所を見せなかった。でも、見せなくても聞こえてくるものがあった。夜中…ふと目が覚めて中々眠れなかった日父さんと母さんの部屋から、母さんが暴れる音と、父さんの必死な声が聞こえてきた。母さんは、誰かの名前をずっと呼んでいた「リン…リン!!!リン!!!!」……凛。そうかこいつの名前!!!
「母さんが夜中呼んでた名前」
『……』
「リン…お前だ」
『兄ちゃん』
いつの間にか、凛は俺の目の前に立っていて、俺をじーっと見つめながら『どうしたの。俺はここに居るでしょ?』と少し強めの声で言った。
「あぁ、凛はここに居る」
そう言って抱き締めると、凛は嬉しそうに抱き締め返してくれた。まさか、凛が居ないなんて…有り得ない。だって凛は目の前に存在してる。
『兄ちゃん、大好き!』
と幸せそうに呟く丸い頭を優しく撫でてやった。
『ずっと一緒だからね』
今は夏休み。
この地域では祭りがあるらしい。凛が教えてくれた。
俺は祭りよりサッカーの方に集中していたが、凛が兄ちゃんも一緒に行こう!と誘ってくれたので、一緒に行くことにした。田舎の方の小さい村のような場所なのに、結構賑わっている。凛は、俺から離れないように服の裾をギュッと握っている。
『毎年沢山の人が来るんだ!』
凛は言う。沢山の人が来るのに、こんな小さい子が独りで紛れていて、誰も気にしないのか。とも思ったが、余計なことは考えないでおこう。
「俺 祭り来たの初めて」
『そうなの?』
こんなに楽しい場所なのに…と言いた気だったが、りんご飴を見つめて『あれ美味しそう…』と呟いた。仕方ない奴だな…。と思いつつ、りんご飴を買ってやった。すると凛は、目を輝かせながらりんご飴を見つめ、
『ありがとう兄ちゃん!!』
と満面の笑みを浮かべた。すると どこからか甘い匂いがしてきた。甘ったるい匂いは、俺の思考を妨げてくる。
『兄ちゃん、近くの神社で花火見よ!山の方にあるから、花火がよく見えるんだ〜!』
と跳ねるように言うので、手を繋いで連れて行ってもらう。近くに川が流れている音がする。
歩くこと15分。少し高いところにある神社に着いた。さっきから川の音はしていたが、神社の近くにも川が流れているらしい。相変わらず俺の頭はぼんやりとしている。
『もうすぐ上がるかな〜♪』
とワクワクしながら、隣でりんご飴を食べ始める凛。丸い頬をぷっくりと膨らませて、りんご飴を頬張る凛…。
可愛い 可愛い 可愛い 可愛い 可愛い… 凛、ずっと一緒に居たい
「本当のこと、教えてくれないか」
ぼんやりとする意識の中、凛に言った。どんな答えでも受け止める。凛と同じ場所に行きたい。
『兄ちゃん……。分かった』
それから凛は、坦々と自分の事について語り始めた。
『俺ね、病弱だったんだ。産まれる前からずっと…。それでね、やっとお母さんのお腹の中に入れたの!だけど、お腹の中で体調が悪くなっちゃって、心臓が止まっちゃった…。兄ちゃんに会いたかったのに、会えなかったの。それで、こうして兄ちゃんが来るのをずっと待ってたんだ、俺とずっと一緒に居たいって思ってくれるの、ずーっと待ってた。本当はもっと早くそうさせるつもりだったんだけど。』
「そうか」
俺の頭はぼんやりとしていて、思考が追いついていなかった。けど、凛が死んでいることは薄々気付いてた。初めて会った日から、おかしな点がいくつかあった。母さんは一度も、あの家に、凛に会いに行かなかったから。
凛は寂しかったんだな。
「凛、何か言いたいことがあるんだろ?」
と聞くと、凛は頷いて こう言った。
『ねぇ兄ちゃん。俺と一緒に死んでくれる?』
小学4年生の男児が行方不明になった日
その村は既に消滅していたという。
10年ほど前に、村の人々は追い出され、今は家や畑のみが広がっているこの村で、男の子が行方不明になったらしい。
駅も封鎖されていたはずだったのに、どうやってこの村に辿り着いたのか…。
神の導きだろうか
それとも……兄に会いたかったが故に、兄を殺してしまった
1人の弟のせいだろうか…
… 𝗍𝗁𝖾 𝖾𝗇𝖽