テラーノベル
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第30話データ」
路地に静かな音が響く。
博士が地面に倒れている。
駆人の拳の衝撃で眼鏡が外れ、少し離れた場所に転がった。
男は呆然としていた。
男「……」
何が起きているのか理解できない。
だが一つだけ分かる。
この男――博士は危険だ。
博士はゆっくり体を起こした。
口の端から血が少し流れている。
それでも笑っていた。
博士「暴力か」
博士「短絡的だね」
駆人は何も言わない。
ただ博士を見ている。
目は赤い。
怒りなのか、悲しみなのか分からない。
莉々が一歩前に出る。
莉々「もうやめて」
博士は軽く肩をすくめた。
博士「やめる?」
博士「何をだ?」
莉々「人を実験材料にするのを」
博士は少し考えるような顔をした。
そして言う。
博士「もう終わているよ」
駆人の眉が動く。
駆人「……どういう意味だ」
博士「研究所は三年前に閉鎖された」
男が驚く。
男「じゃあ何で今さら」
博士は笑う。
博士「後始末だ」
莉々の目が鋭くなる。
莉々「……私たちを消すため、」
博士「そう」
博士はあっさり答えた。
博士「証拠は消すべきだ」
駆人の拳が再び握られる。
駆人「人を証拠って言うのか」
博士「研究に関わった人間は全員だ」
その言葉に、莉々の表情が変わる。
莉々「全員?」
博士はポケットから小さな封筒を出した。
中から写真を取り出す。
数枚の写真。
博士はそれを地面に落とした。
風で少し広がる。
駆人の足元に一枚滑ってくる。
駆人が拾う。
写真。
そこには――
研究所の子供たち。
見覚えのある顔。
駆人「……」
そして。
写真の端に赤い印。
×印。
何人も。
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りりの声が震える。
莉々「……これ」
博士「処理済み」
男が息を呑む。
男「処理って……」
博士「死んだということだ」
静寂。
駆人の呼吸が重くなる。
写真の中には、昔一緒にいた子供たち。
笑っている。
そのほとんどに赤い×がついている。
博士は言う。
博士「残っているのは」
博士は二人を見る。
博士「No.01」
莉々。
博士「No.27」
駆人。
博士「君たちだけだ」
莉々の目が暗くなる。
莉々「……だから探してたの」
博士「そうさ」
博士「最後の証拠だから」
駆人の声が低くなる。
駆人「……つまり」
「俺たちを殺すつもりか」
博士は笑った。
博士「もちろん」
男が思わず言う。
男「警察に行く!」
博士は静かに男を見る。
その目。
冷たい。
博士「もう行っている」
「それに行けないだろうお前らも」
男「……行っている、?」
博士「研究所の事故は公式記録だ」
博士「証拠は全部処理した」
博士「誰も信じない」
莉々は静かに言う。
莉々「……まだある」
博士の眉が少し動く。
莉々「証拠」
博士「ほう?」
莉々の声は低い。
莉々「兄が残した」
駆人の顔が上がる。
駆人「……兄?」
莉々「あなたの兄」
駆人の目が揺れる。
莉々「逃がす前に」
莉々「データをコピーしてた」
博士の笑みが消える。
初めて表情が変わる。
博士「……どこだ」
莉々は答えない。
博士の声が少し低くなる。
博士「どこにある」
莉々「言わない」
数秒の沈黙。
博士はゆっくりポケットに手を入れる。
男が気付く。
男「……!」
金属の音。
小さな拳銃。
博士は静かに構えた。
博士「残念だ」
博士「穏やかに終わると思ったんだが」
男の顔が青くなる。
駆人の目が細くなる。
博士「まずは」
銃口が上がる。
莉々へ向く。
博士「No.01から消そう」
その瞬間。
駆人が動いた。
「ダメ!!」
なんか適当かもです、すいません!
指怪我しちゃってキーボード打ちずらいので
誤字あるかもです、💦
コメント
4件

指の怪我が早く治るようにと500いいね付けさせてもらいました☺️

誤字なかったですよ!指の怪我痛いですね😣早く治ると良いですね!今回も面白かったです♪