それでは、どうぞ!
1週間後 楽屋
ガチャッ
ty[社長、こんばんは]
kg〔こんばんは、剣持さん〕
ty[ふっふっふ〜…この健康的な体はどうだ!加賀美ハヤト!]
kg〔本当に健康的になっていて良かったです〕
kg〔子供の成長というのは早いですね…たったの1週間でここまでとは思いませんでしたよ〕
ty[嬉しいような嬉しくないような感じ出してくるの、やめてくれませんか?]
kg〔私としては、褒め言葉として受け取ってもらえると嬉しいですね〕
ty[仕方ない…ここは先輩として、そう受け取ってやるか…]
kg〔あははっwありがとうございます〕
ty[じゃあ僕、課題やってるんで]
kg〔分かりました〕
…正直、私が言ったことで剣持さんは変わらないと思っていた
剣持さんは芯がしっかりとしていて、己の意見を強く持ち行動する人だ
それもあって、今まで私達が心配してかけた言葉も全て聞き流して気がついた時には普段通りに戻っている
私も、そのことを分かってる上での発言だった
けれど今回の剣持さんは、それを聞き流さずに受け入れた
本来なら嬉しがることなのだが、嬉しがれない自分がいる
もしかしたら、大丈夫だと思わせたいが為にそうしたのかもしれない……などと疑ってしまう
…ははっ、私も今目の前に居るこの人に随分と変えられてしまったものだ
ty[……っ]
kg〔………〕
課題をしているだけだというのに、こんなに辛そうな顔をしてる人のどこが大丈夫と言うんだ
いつも生意気な顔をしながら人を貶して笑ってるような人間が、こんなに苦しそうな顔をしてるのに心配しない人がどこにいると言うんだ
kg〔…貴方はもう少し、人を頼るということを覚えなさい〕
ty[っえ…?]
ほら、いつもならこういう時なにを言っても答えないのに反応した
やっぱり少しは…いや、結構こっちを気にしてるんじゃん
大丈夫かな…大丈夫かな……と焦ってるのが丸分かりすぎる
ty[…ッ?な、んですか…?]
kg〔いや、なんでもないですよ〕
ty[そうっ?なら、いいけど…]
kg〔あぁでも、1つ言えるとしたら……〕
ty[…っ!]
あ〜あ、こんな言葉にも怯えたような表情をするだなんて…危うくブチ切れる所でしたよ
やっぱり、この人はどこまで言っても変わらなかった
私がどれだけ言ってもこの人は変わらない
きっと、今から言う言葉だって聞き流して何事も無かったかのようにする
けれど…届かないって分かってたとしても、剣持さんならいつか分かってくれる…そう思ってしまうんだ
kg〔__もっと、頼ってください〕
ty[………ぇ……?]
…そう、貴方ならきっと、いつか分かってくれるはず
私は__信じてますから
kg〔…それじゃ、私は飲み物を買いに行ってきますね〕
ty[ぇ…?あ、うん……?]
kg〔剣持さんはなにか飲み物いりますか?〕
ty[いゃ、僕は、大丈夫…です]
kg〔分かりました、では行ってきます〕
ty[はい……???]
いつになるかは分からない、なんならそうならずに終わるかもしれない
もしそうだとしても、私は貴方が未来で幸せに笑っていることを願います
年上だからや後輩として先輩を慕っているからというのではなく、私が心からそうしてほしい
だから、そうなる為にも貴方には人を頼るということをしてほしい
そういう気持ちを込めて言った私の言葉を……ちゃんと貴方に届ける事が出来たのだろうか…?
剣持視点
ty[………]
もっと頼ってほしい……か…
…頼ったところで、なにになるんだろうか…?
あの人は完全に善意で言った言葉だろうが、今の僕にとっては完全に疑いの言葉でしかない
頼ってほしいと言われたから、それを信じて勇気を振り絞って話した悩み事
なのに、返ってきた言葉は自分が思ってた何倍も酷い罵倒の言葉だらけだった
“お前が悪い” ”被害者ぶるな” ”謝れ”
それは、僕の知らないうちに噂話として流れていた
そこから僕は完全に悪者扱いだった
けれどそいつらだって、いつか遥か遠くに帰る
そうすれば、僕はいつも通りの生活に戻れる
産まれれば僕と関わる人もいて結局は死んでいく
僕はそんな生活を繰り返して生きている…
結局は死ぬのに、どうして話さなくちゃいけないの…?
貴方はどうしてそんなに僕に話してほしいの?
言ったところでどうせ変わらないのならば、それは意味のないことだったということ
意味のないことをするのならば、もういっその事なにもしなければいい……それだけだ
だから僕はなにもしないし意味のないと思ったことはしない
どれだけ僕に信頼の目を向けても、それが叶うことはきっとない
…なんだか、少し申し訳ない気持ちになる……
ty[まぁ、だとしても僕はなにも変える気はないけどね]
でも…そっか…頼ってほしい……ねぇ……
ty[……少しは考えてみるのも良いかもね]
それでは次回!
コメント
1件
剣ちゃん…泣