テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
最近力をつけて我々でも勝てるか分からなかった国が勝手に滅びた。
そうutから報告が来て、俺は咄嗟に窓から飛び降りた
総統がするべきじゃない行動だと何度も叱られた思い出が蘇る
それでも、怒られてでも彼処に行きたい
君が居たから。
俺の半身が、そこにおったから
俺を置いて勝手にタヒんでほしくなかった
あの約束を破ってほしくなかったから
勝手にこの世に居なくなるなんてことを認めたくなかった
お前ばっかり勝手な行動をさせたくなかった、なんて
今まで自分の我儘ばかり押し付けて彼の負担を増やしたのは自分なのに
ut「 grちゃん?!?! 」
os「 ちょ、gr!!! 」
彼奴らが引き留めようとする声を無視して今は亡国となった国の方向へ走り続ける
そんなに遠くもなかった
その途中、osの代わりに外交に行っていた旧友であり俺がこの組織に勧誘したemが、
必死に走り続ける総統の俺を見て目を見開いていたが即座に問いかけてきた
em「 …gr 」
gr「 … 」
em「 gr。 」
gr「 …なんだ 」
問いかけも必要無かった
早く彼奴に会いたくて、彼奴がまだ生きているのか、彼奴が俺のもとではない場所で勝手にタヒんでないのか
不安が降り積もってきて心が苦しかった
こんな感覚は初めてだった。経験もしたこと無かったことだった。
そんな中、emを睨みつけるような形になってしまったが視線をそちらへ向ける
彼奴は変わらずいつも通り微笑んでおり、
em「 はよ乗り 」
そう言って彼はこちらに視線を向けながら後ろの方を指を指す
それは彼の今乗っている車の座席を示しており、俺は少し困惑というか、何故だという疑問に頭がいっぱいになった
だがそれに考えてる暇はない、軽く頷いて彼の車に乗り込む
……運転は相変わらずその穏やかな性格とは裏腹に乱暴で酔いかけたが、短時間で体力も使い切らず
その国に辿り着くことが出来た。
俺がしている行動を一瞬で察したということになるのか分からないが、旧友であるのだ。
emならあり得ると思った。彼奴頭の回転すげぇしな、教授してるし
em『 …此処で待ってますから、はよ探してき 』
いつも通り敬語だが時間はないから急げという意味だろうか、タメ口も混じっていて面白かった
彼はいつも優しくて、俺が知らないところでこっそり支えてくれるので有り難かった
……彼奴も、俺のことを支え続けてくれててそれが日常だと思ってた
そんな暗いことを頭の片隅に置いておき、
燃え盛っていたのだろうか、燃え尽きて黒焦げになっている部分が増えているが急いでその国へ足を踏み込んだ
_____________________________________________
人は居なかった
やはり大体の人が避難していたからだろうか。
後処理されているのか分からないが、置いてあったであろう物も倒れていたであろう柱も片付けられていた
柱が倒れていたかは自分でも曖昧だが、床が少し凹んでいる辺りそう考えられる
俺の国とは違うからな!!!(?)
って言う茶番みたいなのは脳内から外へ放り出しておいて……、
各部屋を隈無く探す
彼奴が居たはずの部屋を探す
先程地下室らしき場所に言ったが、
薬品の匂いや何かあったのかは知らないがかなり荒れていて通れそうにはなかった
部屋を探していると、大事なものを保管しているらしき閉ざされた倉庫があった
勿論爆弾で爆破させて開けたがな(がはは
その倉庫を開け、急いで入る。
これでも敵国の内部に侵入していると同じだ、悠長にしている暇はない
その倉庫の中に足を入れ、歩き出す
色々ものが入っており、戦争で使うのかというものがかなり入っていたので
拉致した人間の貴重品を取り上げて此処に入れていたのではと考えた
いやぁ、d先生ガバガバだな(笑)
ふと水色のものに目が入った。
視界の端に映ったものが気になってそちらに視線を向けると、
gr「 ……ッ 」
gr「 粛清、剣… 」
それは特注で作った彼専用の武器である大剣だった。
少し埃がついていたが、その金剛石の輝きは失われてなかった
他にも彼が持っていたであろう貴重品があったので、それらを全て回収して倉庫に出る。
手荷物が多くなったなぁと考えながら帰ろうかと彷徨い続けていたら、
とある部屋が視界に映って、気になってその部屋に入った。
そこには燃え尽きたであろう書類の粕が散らばっており、焦げ臭かった
……ただ、部屋の整理が綺麗で彼奴の面影が何処かあった
自分たちの国とは作りが違うのに、その部屋だけ彼奴の部屋と似たような配置になっていて
あぁ、ここが彼奴が居た場所か
と勝手に思ってしまった
確証はないのに本能がそう感じた、彼奴が居たんだと
……そんなことを考えている暇は無かった、手は先程の荷物で塞がれているので
荷物を漁ることは難しかったが、彼奴の大事なものの回収は済んだ
何かされたような痕跡はあるが、それをじっくり眺めるのはまた次にしようかと考えた
次があるかは分からないが
でも、彼奴がタヒんでいるのかどうかの確認は取れなかったのが悔しかった
残された彼奴の私物を見てると脳裏に何度も何度も今まで過ごした日常の思い出が蘇る
心苦しくなったので即座に外に出た。
emは変わらず降ろしてくれた場所に居ていたが、
俺の持っているものとその表情を見て察したのか、声も掛けずに俺が乗り込むのを待ってくれた。
俺が乗り込んだ数秒後、その場から出発し自国へ戻った。
_____________________________________________
ちゃんと脱走したことには怒られたが、俺らが持って帰ってきたものを見て皆は泣いた
思い出が蘇り、今の現実を突きつけられるような苦しい感覚をまだ感じる
だが、彼奴が生きてると信じて、信じ続け、俺はまた書類に取り掛かる
君が残した大剣を部屋の見える位置に大切に置いて、
君が残したこの、俺が過去にプレゼントした赤いマフラーを自ら首に巻き付けて
……季節違いなのは分かるが、首元が暖かくなった。
先程は何故か寒かったのに、
これもお前の残した傷ならば、俺は受け入れよう
いつでもお前が戻ってきても良いよう我々は再び立ち上がる
書類仕事はだるいけどな。
_____________________________________________
【 速報です。最近戦争中に” 赤い瞳を持った悪魔 ”を見かけるとの情報が入り、 】
【 その悪魔が現れた戦争が終わった直後、突如として消え去る国が続出しています。 】
【 国民には被害がないと情報が入っていますが、みなさんも十分お気をつけてください 】
「 ……馬鹿馬鹿しいわ。ほんま 」
強風が突如として吹く
外は雷雨、雨がザーザーと鬱陶しいと思うほど降り続けており、雷がゴロゴロと鳴り響く
そんな中、顔の見えない独りの男が呟いた。
その呟きは雨の中へ消えていったが
_____________________________________________
コメント
2件
待ってました‼︎ いや〜......(歓喜 もう、絶対tn氏やん
_ 脳タヒで書くのは楽しい(遠い目)