そんなんだからいつまで経っても!!
ばさっ…
無音
音のない静かな部屋で布団と一緒に体制を変える
ごそごそ
ぎしッ…ぎし……
ベッドの動く音
包帯と布が擦れる音
「あっかん、……」
少し枯れた声で独り言を言う
「体制変えてもどうしてもごっつ痛い…」
はぁあ、………
ワーカホリックでも疲れる!!
ひたすらにベッドの軋む音と布の擦れる音
そして時々出る呻き声とため息
「もー、……、……」
「ほんま不甲斐な、…あれぐらいやったらすぐ攻撃できたんに、」
「なんで僕突っ込んだんやろ、、…刀握ってたやん、……」
亜白隊長に気張って言ったんむっちゃ恥ず〜……
…鳴海隊長なら、、
ちゃんと仲間も自分も守れたんやろーな、……
あー、…今何やっとんのかな、
あの人のことや
ゲームか長谷川サンに引きずり回されてるかの2択やろうなあ、…笑
ガラガラガラガラッ
急になる大きい音。ベッドからそう距離もない
「鳴海隊長に会いたぁあ、、……」
もうベッドの軋む音も布の擦れる音も何も聞こえない。いつもなら聞こえる時計の秒針音すら今は耳に届かせてくれないようだ
ただただ情報の整理が追いつかない
頭が真っ白
物事に矢印をつけて説明をしてく
「ぇ………、」
「…??、?、」
がさがさがさッ
持っていたビニール袋が床に落ちる
がさがさっどんっ
少し重量のある物が入ってるようだ
徐々に現実に戻される気がした
真っ白な状態から一気に赤く染まった
ダメだ処理が追いつかない
ずきずきする
傷が痛い。あつい
体温が上がってる
顔があつい。赤い。
開けた目が閉じない
どうしよ
目離せない
頭の整理が追いついた
カチカチカチカチ
秒針が進んでく
何秒???何分???何時間???
体感時間が狂ってきてる
「えっ、…ぇ、あっ、……」
「ち、っ、…ちゃぅ、…ぇ、ッ、…//」
あつい
あついあついあつい
顔がじりじりする
「は、…」
「っっっっ、//」
「どッッッ、…えっ、…ど、…どーも、…鳴海…隊長、……、//ぁ、あは、…笑」
言葉が出ない
声が裏がえる
すべてがカタコト
そして無様に寝てるかっこわるい自分
なにより爆弾発言を投下した
本人が入ってきたと同時に
はっず……………
「は、…ぇっ、…」
「ど、!!!!!!どうしたんですか!!鳴海隊長、!!」
あーだめだやけくそすぎる
静かだった部屋に急に響く声
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「え、…あ、」
聞き間違い……??????
このボクが???????????????
『鳴海隊長に会いた、……』
会いた…あいた…ぁいた…ぁぃた…
エコーエコー
まて、は??????こいつが??????ボクに??????
いや、…そんなわけ、……
だってあのおかっぱ細目だぞ、??????
冗談でもそんな事、…………
…冗談……じゃないのか、????
どくどくどくどくばくばくばく
落ち着けやめてくれボクの心臓
そう急かすな今考えてる
ダラダラとよく分からない汗をかき始める
目の前の保科と目がずっと合う
聞き間違い…
いや、…だったらなんでこんな動揺………
「な、鳴海隊長、???」
はっとする
「ぇ、は、???」
「ぁ、あの…大丈夫ですか、???」
「ぁ、ああ、……」
「っ、」
「っ………」
しんとする
また音が消える
ひたすらに秒針音だけが聞こえる
なんだ!なんだ!なんだ!この空気感っ、
くそっ、……ほんとにやめろよ、…
よし、行くぞいくぞボク
まかせろ、おし、いくぞ、3、2、1
「…はっ、……お前たかが余獣に攻撃食らってそんなダメージ食らったのか??笑」
鼻で笑うようにちゃかした鳴海
おわった
顔引きつった
「ぇ、っ。。…ま、まあ、……」
あはは~といつものように苦笑いしてながす保科
だが圧倒的にその顔にはまだ動揺と焦りが残っていた
「……、ふん、…ダサいな」
「うるさいですね、」
「……」
「もー、…何しに来たんですか、」
「…別に、お前のためじゃない」
「ばか弟子に頼まれただけだ」
ん、と差し出されたコンビニ袋
中にはゼリーがふたつ
「ぇ、、…ぁ、ありがとう…ございます」
「は??????別に!!??ボクがわざわざお前のために買ったとかじゃないからな??????」
「勘違いするなよおかっぱ!!!!!!」
「はいはい、…分かってますって、」
「ふん、……」
「…ぼっ、…ボクはもう帰るからなッ、!!!!!!」
「えっ、あっ、」
「ありがとうございます、!!」
ガラガラッ
ふたつ……
おそらくひとつは本当にキコルからだろう
もうひとつは………
「っ、……//」
だってこのゼリー飲料のやつ、…
毎回この味で飲んでるのひとりしかいないから
「期待してええのかなあ、……」
「あっかん、…むっちゃ嬉しい、……」
「こんなん飲まれへんやんもう、……//」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「期待してええのかなあ、」
「あっかん、むっちゃ嬉しい」
「こんなん飲まれへんやん」
………
盗み聞きなど悪趣味
「っっ、……///」
これ…あるぞ、……………
はあ、……っ、//
相当惚れ込んでるな
早く帰ってゲーム……するか、…/
『おい鳴海!!早く帰ってこい!!!!!!
「うるっさいな!!!!!!今帰ってるだろーが!!!!!!」
「この過保護!!!!!!!!!!!!」
『産んだ覚えなどなi
ガサッッ
耳元の無線をむやみにポケットに突っ込み歩き始めた鳴海
ねくすと70
じかーい
コメント
8件
もうほんとに尊すぎます…!!🥹🫶🏻 やっぱ鳴保しか勝たんですね🫶🏻 あまあま鳴保も最高ですけど、こういう微妙な距離感の鳴保も最高ですよね! こんな両片思いな距離感絶対描くの難しいのに綺麗に繊細に描けるK氏様天才すぎます…!!💖 そして相変わらず語彙力が高い…! 続き楽しみに待ってます! 長文失礼しました🙇🏻♀️
恋に発展しましょう

いや尊すぎる()