テラーノベル
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クローゼットの扉の角に頭をぶつけました。痛かったです。
💎視点
注意
子供組女体化
更衣室で衣装に着替える。
今日の衣装は水色で、所々に星形のスパンコールがちりばめられた物だ。
髪の毛を高い位置で結び、鏡に映った自分を見つめる。
「…よしっ」
ジャージを羽織り、ないちゃん達のもとに向かう。
「ないちゃん、りうちゃん!」
「お、ほとけっち。」
「ほとけっちは第2ブロックだからまだ時間あるね。」
「準備しとこっか。」
ウォーミングアップをし、振り付けを確認する。
そのうちに第1ブロックの選手が滑走練習を始めていた。
「今回の大会…強いクラブの人が多いね。」
「そうだね…でもほとけっちだってトリプルルッツあるから!」
「うん、そうだね。頑張る。」
栄養補給のためリンゴをお母さんの所に取りに行く。
「…ほとけっち、なんか今日は落ち着いてるね。」
「いつもならいっつも緊張して走ってるのにねー。
まあ、まろのために自分が優勝したくって覚悟決めたのかな。」
「恋の力はすごいねぇ~♪」
「ねぇ~♪」
後ろからないちゃんとりうちゃんの僕をいじる声が聞こえたが
聞こえなかったふりをして歩き続ける。
「キャメル…絶対に成功させるから。」
『第2ブロックの選手は練習を始めてください。』
シャッ シャーー
アナウンスと共に選手達がリンク内を滑り出す。
僕も淡々と、ジャンプ、スピン、ステップの練習を始めた。
心拍数はそこまで緊張していなかったので、いつも並みの速さだった。
落ち着いて滑ることができている。これは本番にも大事なことだ。
練習の大半を終えると、練習時間が終わった。
「お疲れ。ほとけっち。」
「ありがとう。」
練習を終え、リンクに上がるとりうちゃんが
僕に水筒を差し出してくれた。お茶を口に流し込む。
「ふぅー。」
ふと後ろを振り向くと、客席の方に見慣れた顔が見えた。
「あ、いふくん達だ。」
いふくんだけではなく、初兎ちゃんと兄貴も見に来てくれていたようだ。
こちらに手を振ってくれた皆に手を振り替えす。
「ほとけっち。そろそろ。」
「うん。わかった。」
僕が歩きだすと、第2ブロックの一番滑走の選手の演技が始まった。
パチパチパチ パチパチパチ
ついに僕の滑走の順番がきた。
最後にスケート靴の確認をする。少し跳ねたが、なにも問題はなかった。
「よし。スケート靴、オッケーだね。」
「そんじゃ、いってらっしゃい。」
「うん!いってきます!」
ないちゃんとりうちゃんに背中を押され、
リンクの真ん中に移動する。
音楽が流れはじめ、手を優雅に動かす。
初兎ちゃんに教えてもらった、綺麗な手の動かし方を意識する。
僕だって覚悟を決めてきた。
今日、キャメルを成功したくて一生懸命練習してきた。
いふくんみたいなキャメルを決める!
クルクルと可愛い振り付けを舞う。
振り付け師に考えてもらった取って置きの振り付け。
助走をつけ、トリプルルッツを降りる。
シャッ カシャッ シャッーー
着氷と同時に拍手が起こる。
続いてステップを踏み、軽々と舞う。
パチパチパチ パチパチパチ
スピンも決め、続けて2回転ジャンプも着氷できた。
その度にどんどん緊張が高まったが、
僕は楽しくなっていく。
そして音楽、終盤。
足に力を入れ、体を空中に上げる。
ここで決める!いふくんにどうだって言ってやる!
足の真ん中に体重をかけ、勢いよく回る。
最後にくるっと回り、天井に向かって手を伸ばした。
それと同時に曲が終わり、盛大な拍手が起こる。
ワー パチパチパチ わー パチパチ
僕は観客に向かって深々とお辞儀をし、最後に振り返る。
笑顔を向けると、初兎ちゃんが大号泣していた。
兄貴は初兎ちゃんにティッシュを渡していた。
そしてその横でいふくんが一筋の涙を流していた。
「こちらに目線、お願いしまーす。」
表彰台の一番上。
金メダルを持った僕を、ないちゃんとりうちゃんが見守っててくれた。
表彰式が終わった後、こちらに駆けて来てくれた人がいた。
「ほとけちゃぁーーん!!」
「ちむ!」
大号泣しながら抱きついてきてくれたのは
僕の振り付けを考えてくれた振り付け師のこえちむだった。
「優勝おめでとぉぉぉ」
「ありがとー!」
抱きつかれた僕の後ろからないちゃんが花束を渡してくれた。
「ほとけっち、改めて優勝おめでとう!」
「えへへ、ありがと。」
「ほとけっち、すごーい!」
ないちゃんとりうちゃんに頭を撫でて貰っていると、
初兎ちゃん達が僕の所に来てくれた。
「いむちゃぁああん(泣)」
「ほとけ!優勝おめでとう。」
「ありがとー!」
兄貴と初兎ちゃんも僕の頭を撫でてくれた。
「…ほとけ。」
「いふくん!」
いふくんはそっと僕に近づくと、ぎゅっと抱き締めてくれた。
「いふくん、見てた?キャメル成功したよ。」
「見てた。…優勝おめでとう。俺のキャメルより綺麗やったよ。」
いふくんは泣きながらずっと僕のことを抱き締めてくれた。